David Cyranoskiによる良質なreview
①SARS-CoV-2はコウモリ由来である可能性が高いが、spike proteinに関してはセンザンコウのウイルスが最も近く、長期間をかけて今のような形質を有するウイルスへと進化した可能性が高い
①SARS-CoV-2はコウモリ由来である可能性が高いが、spike proteinに関してはセンザンコウのウイルスが最も近く、長期間をかけて今のような形質を有するウイルスへと進化した可能性が高い
②SARS-CoVとは異なりSARS-CoV-2は肺に感染する前に上気道に感染し、そこで増殖して唾液などにウイルスを排出することが不顕性感染者からの感染拡大につながっている
③SARS-CoV-2のspike proteinの細胞側受容体ACE2への結合能はSARS-CoVの10-20倍強い
④ウイルス結合後の細胞内への侵入に際して必要なspike proteinの開裂に細胞に豊富に存在するfurinを用い(SARS-CoVにはfurin切断サイトが欠損している)、furinが気道の細胞に豊富に存在するためにSARS-CoVよりも感染力が高く、肺に感染が広がるリスクが100-1000倍になっていると考えられる
④遺伝子修復メカニズムを有するためゲノムが極めて安定であり変異をほとんど起こさず、したがって弱毒化する可能性が低いことなどを説明しています。
そして「風邪を起こすコロナウイルスであるOC43も1889-90年のパンデミック時には100万人を超える犠牲者を出し、その後人間はOC43と共生するようになった。このようなシナリオがSARS-CoV-2についても当てはまるかもしれない」と締めくくっています。SARS-CoV-2のユニークな特徴についての理解が深まり、このコロナウイルス禍がどのような結末を迎えるのかについて示唆を与えてくれます。
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