法要の後は、皆さまとお茶の時間です。
龍くんの湯のみ茶碗と乾杯。
春と言えど、まだまだ寒い本堂で、長時間お座りいただく法要です。
足が遠のきがちになっても致しかたなく思えてしまう昨今ですが、それでもこれだけ多くの方々にご参集いただけましたことを、この上ないご縁を賜ったと有り難く思っております。
これもひとえに、阿弥陀さまの大慈大悲と、親鸞聖人のご遺徳を偲ぶ心あってのこと。
そして私の拙い司会に渋い顔もせず、温かく見守って下さった皆さまにただただ感謝です。
さて、皆さまが帰られたら、さっそくお片づけ。
内陣の床にはいくつもの落し物が…。
これは華葩(けは)・散華(さんげ)といって、法要の際、僧侶が散らす色紙です。
蓮の花をかたどっていて、いろんな絵柄があるのですが、今回はシンプルバージョンで。
続いて、内陣の前卓などをお荘厳する打敷(うちしき)と呼ばれる敷物のお片づけ。
このお打敷にある文字を拡大すると…。
宗祖六百五十回御遠忌の文字が…。
今年は親鸞聖人七五〇回大遠忌です。
このお打敷は今から100年前に織られ、それから100年もの間、最乗寺のお荘厳として、内陣を彩り続けていた下さった大切な寺宝です。
大正3年は、前住職である私の祖父が生まれた翌年に当たります。
きっと祖父の誕生を喜ぶ意味合いもあったんだろうなと思うと、100年という最乗寺の歴史と、そこに住んだ家族の思い出が偲ばれ、いつも心が温まる思いがしてきます。
正絹の織物なので、傷つけないように薄紙を挟んで畳みます。
薄紙の置き場所はパズルのようでもあり、その場所を覚えて畳むのが、小さい頃からの私の役目でした。
こうして、最乗寺と家族の思い出が詰まった宝は、大切に今日まで受け継がれてきました。
そして私はまた次代へと、取り次いでいかなくてはなりません。
マイク持って踊ってないで、頼んだよ、龍くんっ!
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