以前、「商売するときに大切なのは『売るのではなく、売れていくように』という視点で仕事を設計すること」とお伝えいたしました。
なにやら難しそうな気がするかもしれませんが、そんなに難しいことではありません。
売ろう、売ろうとすればするほど、お客さんが逃げていく、というのは当たり前の話ですよね。
こういう姿勢で顧客と接していると、「買え、買えオーラ」が全身から発散されてしまうから近づいてきた瞬間に後ずさりされ、さらにもう一歩近づいていったら後ろを向いて一目散に逃げられるということになるのです。
あなたも百貨店などの売り場で一歩、後ずさりし、さらには全力で逃げ出したという経験が一度ならずあるのではないでしょうか。
我々が売り込まれるのを嫌うのと同じようにお客さんも売り込まれるのが大嫌い。
だから、売り込むのではなく、お客さんが買いたくなるようにという観点から「顧客の意思決定の動線を設計し直す」必要があるのです。
すると、それまで当たり前のように行なってきた行動を大前提から疑うことも必要になるかもしれません。
たとえばこれまで「見込み客を見つけ次第、急襲する(逃さず営業!)。これこそが売り上げアップの秘訣だ!」と思っていたならば、その方法論を疑い「自分の方から接近していかない。
まずは相手に興味を持ってもらうために、情報提供だけに徹する」ことを試してみてはどうでしょう。
もちろん、取り組みはじめは一時的に売り上げも落ちることでしょう。
すると、数週間、場合によっては数ヶ月はその状態が続くこととなりますが、やがて上向きに転じ始めることでしょう。
あるいは、自分の口から「うちの商品(サービス)は凄いぞ!」といくらいっても、それは売り込みの言葉にしか聞こえません。
けれども、既にお客さんになってくれた方から体験談や経験談を頂戴し、「この商品(サービス)は凄いですよ!」と推薦頂けば、それは売り込みの言葉ではなく「買い気を起こしてもらうための参考情報」ということにもなるでしょう。
このようにして、「売るのではなく、売れていくように」という基準で、ビジネスにおける全てのことを見直していくのです。
野球選手がフォームを作り変えるのと同じように、営業のフォームを作り変えることで以降、半永久的に、これまで以上の売り上げを立てられるようになるでしょう。
そして、以上のようなことは何も、経営とか営業の話に留まるものではありません。
自分が周囲から求められるのか、反対に、疎んじられるのか。
これもひとえに、「自己の存在を押し付けるのか、他者から求められるように振る舞うのか」によって決定されてしまいます。
一事が万事。
※セカンドステージ代表 鮒谷周史氏 http://www.2nd-stage.jp/平成進化論から一部抜粋
これはとても参考になることなので、ここに転載させていただきました。