イーハトーブ国王の巡回

国王自ら王国内の野草や動物などの健全性を調べた記録である。度々記録に出てくるテニスは王国の国技であることを申し添える。

立派な葉(歯)があるのに花を咲かせる オオウバユリ

2014-11-05 22:16:37 | 趣味・特技
ユリ科(Liliaceae); ウバユリ属(Cardiocrinum); ウバユリ(C. cordatum); 変種、オオウバユリ
(var. glehnii)
学名: Cardiocrinum cordatum var. glehnii
和名: オオウバユリ(大姥百合)
英名: Heartleaf lily

 最初はウバユリだと思っていた。しかし、図鑑を見てみると、ウバユリは関東地方以西に多く、オオウバユリは花の数が多く、全体にウバユリよりも大型で中部地方以北に生育するとある。しかし、色々調べてみても大きさ以外に決定的な区別点が記載されていない。スッキリしない点もあるが、今回は見つけた場所や大きさなどからオオウバユリと判定した。
 ウバユリという名は花が咲く頃には葉が無いことを歯が無いとしゃれたことから来ていると記載している物が多いが、実際には花が咲いたオオウバユリにはしっかりと葉が着いている。名前の由来についてはどうも疑わしいような気がする。
 木の茂った薄暗い場所に生育している。群生していることも多い。残念なことに、遊歩道の道端に生えているものは雑草と見なされてせっかく出てきた花茎も、ある程度伸びたところでちょん切られてしまうことが多い。いつも思うのだが、きれいなことだけが環境整備ではないのにな。子育てと同じで放っておくことも大切なのだ。どうして躍起になって草刈り機で皆切ってしまうんだろう。環境保全とは自然に生えてくる植物を守ることでもあるはずなのにな。そんなこともあり、遊歩道が整備された地域ではオオウバユリが花穂を伸ばし、花を咲かせ、実を結べるのは本当に運の良い個体だけである。実際は少し気を配ればたくさん生えているので、花期になれば群生する姿も見られると思うのだが、残念だ。
 「鱗茎はデンプンを含み、食用にできる。北海道では、アイヌによりトゥレプの名で食用にされ、アイヌ民族が用いる植物質の食品の中では穀物以上に重要な位置を占めていた。」とのことである(ウィキペディア参照)。いつか鱗茎を食べてみたい。
 オオウバユリは一回繁殖型多年草といい、一生の間に一回だけ花を咲かせて死んでしまう植物とのことである。

5月、オオウバユリの葉が広がりはじめた。ウバユリの属名Cardiocrinumはcardia:心臓とcrinum:ユリを一緒にした名前だ。その名の由来は葉がハート型をしているところから来ている。(盛岡市太田、2014年5月25日)
 

7月、こちらは礼文島で見つけたオオウバユリ。かなり巨大だ。(北海道礼文町礼文林道コース、2014年7月15日)


羽山の里にはたくさんオオウバユリが咲いていた。(岩手県北上市和賀町岩沢地区羽山、2014年7月27日)


同上


同上。花が終わった直後は子房が横向きのまま。(同上)


少し時間が経つと立ち上って子房が上を向く。(同上)


9月になると実が熟して、果が割れた。(盛岡市太田、2014年9月28日)