イーハトーブ国王の巡回

国王自ら王国内の野草や動物などの健全性を調べた記録である。度々記録に出てくるテニスは王国の国技であることを申し添える。

赤いススキと白いススキ ススキ その2

2014-10-21 19:37:42 | 趣味・特技

イネ科(Poaceae); ススキ属(Miscanthus); ススキ(M. sinensis)
学名: Miscanthus sinensis
和名: ススキ(芒、薄) 

 ススキの穂は白いものだと思い込んでいたが、実は良く見ると赤っぽい色をしたものもかなり目につく。気にし始めるとますます良く目につくようになって、これは種類が違うのかそれとも生育ステージで異なるのか調べることにした。

 ケース1 同じ株から赤い穂と白い穂が出ている場合
 1つの株から穂のやや閉じ加減の白い穂と穂が開いた赤っぽい穂が出ているススキを見つけた。良く見ると白い穂には白い綿毛が出ている。赤っぽい穂は花軸や小穂も赤いが、花が咲いて雌しべや雄しべが出ているのが観察された。
 まず、花が咲いてそれから綿毛が出て白くなるのかなと思ったが、それにしては花が咲いた穂が開いているのに、綿毛の出た穂が逆に閉じた感じなのはどうしたわけなのだろうか。花が咲いた後穂が閉じるというのも変な気がする。
 ススキの穂が赤く見える理由には花が咲くと雌しべが赤く、雄しべは黄色く色づいているためであるというのがもっともらしい説明のように思えるのだが、今回見つけたススキは花軸や小穂も赤いためにどうもそれでは納得できない。
 1つの説明としては、遅れて出てきた穂は赤っぽくなるという説明も成り立つような気もするが、ススキによっては白い穂だけのススキが群生しているのもよく見かける。未だに釈然としない。


池の回りに生えたススキ。良く見ると、同じ株なのに白い穂と赤い穂が混じって出ている。赤い穂は開き、白い穂は閉じ加減だ。(花巻市湯口自然休養村、2014年9月15日)


同上。


赤い穂をアップ。丁度花が咲いている。花軸や小穂も赤く色づいている。(同上)


更に拡大。赤い雌しべと黄色い葯が見える。(同上)


白い穂をアップ。白い綿毛で覆われて分かりにくいが、小穂や花軸の色はあまり赤くないように見える。(同上)



 ケース2 株が異なる場合
 田の畦で見つけたススキの中で、赤っぽいススキ、薄茶色のススキ、白いススキの3種類が別な株として生えているのを見かけた。これらのススキは全て綿毛が出ているので、赤く見えるのは花とは無関係である。つまり、もともとそのように色づいたススキが品種としてあるのかも知れない。


田の畦で色の異なる3種類のススキを見つけた。一番手前が赤いススキ、次が白いススキ、一番奥に見えるのが薄茶色のススキ。(花巻市湯本、2014年9月26日)


穂の色を家で比較して見た。左が赤、中央が薄茶、右が白。


同上。薄茶の白の差は分かりにくいが、赤い穂は綿毛もやや赤味を帯びているような感じがする。


結論
 同じ株から白い穂と赤い穂が出てくる理由についてはスッキリした説明が得られなかった。異なる株に分かれている場合にも、品種によるものなのか、土壌条件などの環境要因によるものなのか今ひとつはっきりしない。ススキも枯れてきたので残念ながら今年の調査はここまででお仕舞いとした。スッキリしない終わり方だが、来年また調べることにした。
 この理由が分かる方があれば是非お教え下さい。