イーハトーブ国王の巡回

国王自ら王国内の野草や動物などの健全性を調べた記録である。度々記録に出てくるテニスは王国の国技であることを申し添える。

蓋付きの果実の中に種がいっぱい スベリヒユ

2014-10-20 19:08:32 | 趣味・特技
スベリヒユ科(Portulacaceae); スベリヒユ属(Portulaca); スベリヒユ(P. oleracea)
学名: Portulaca oleracea
和名: スベリヒユ(滑莧)
英名: Common Purslane

 どこでも普通に見かける植物だ。特に畑では、ハコベなどと一緒にスベリヒユも良く生えてくる。無毛で多肉質。直径5~8mm程度の小さな黄色い5弁花を着けるが、咲くのは天気の良い午前中だけという。花期は7月~9月というが実際に花が咲いているのを見つけるのはかなり難しい。我が庭園では7月下旬の一時期にちょっと咲いたのを見ただけで8月に入ったら全く見かけなくなった。そのくせ不思議なことに実だけは着いている。どうしてだろうと調べてみたら、スベリヒユは閉鎖花を着ける性質があり、自家受粉でも種をつけるようだ。スベリヒユの場合花が咲くのはほんの一瞬なので、もともと他家受粉をあまり当てにしていないようだ。
 実の形が面白い。蓋果という蓋付きの入れ物のような形をした実だ。しずくの様な形をした実の中央に切れ目があり、実が熟すとこの部分から上の部分が蓋のように取れる。中には黒い小さな種がたくさん入っている。
 スベリヒユは食べられる植物であり、茹でても生でも食べられている。また、オメガ3脂肪酸を多く含むことから健康食品としても扱われているようだ。
 生薬としても用いられ、全草を乾燥させたものは馬歯莧(ばしけん)と呼ばれ、利尿、膀胱炎、肝臓病、肺結核、百日せき、浄血などに有効だという(イー薬草ドットコム参照)。
 真夏にきれいな花で目を楽しませるマツバボタンもスベリヒユの親戚だ。


7月下旬、我が庭園でスベリヒユの花が咲いた。直径5~8mm程度の黄色い5弁花。(花巻市桜台、2014年7月25日)



同上。



同上。



スベリヒユの果実。しずく型の果実の中央にすじが入っている。実が熟すとここから上が蓋のように取れる。(同上、2014年8月9日)



同上。実が熟して蓋が取れた。中には黒種がぎっしり入っている。(同上)



同上。



こちらは未熟な果実の蓋を強引に取ってみた。中には未熟な白い種がたくさん入っていた。(同上)



8月以降になると花は全く見かけなくなった。しかし、何故か果実は次々と成っている。閉鎖花による自家受粉により実を着けるようだ。(同上、2014年9月15日)