インスリン注射を勝手に止めてしまったので、八王子市の検診を心待ちにしていました。糖尿病患者歴34年の夫の話です。
記録を見ると1月29日が糖尿病検診の最終日で、この時持ち帰ったたくさんのインスリンには手を付けていません。食べ物と運動で治せるはず、と数年前に買った本を参考にメニューを考え、食べるタイミングと運動に気を付けるのが基本です。
始めた月は週に一回は絶食し、その前後は玄米粥にして、本で教えられた通りに作ったヒジキや切り干し大根などを常備菜としてビールさえ制限していました。数値はいつも正常になり、注射をしていた頃の乱高下はなくなりました。2か月くらいすると絶食せずにいても正常値が続きましたが、朝食にご飯を食べると玄米100グラムでも180くらいに上がってしまいます。それで朝は卵、野菜ジュース、とろろ昆布という基本ができました。玄米も小豆を入れた発酵玄米を覚えたり、肉や魚はかなり普通に食べても大丈夫だと分かったり、お酒の量も徐々に元に戻りつつあります。ただ白いものは全く、というほど食べなくなりました。白米はもちろん、食パンをはじめ小麦粉を主とするもの、うどん、ソーメンも食べないのです。炭水化物は玄米と蕎麦ばかりで、寂しい時用に寒天やこんにゃくなどをいつでも食べられるようにしています。
何より大事にしているのが運動。とくに食後の一休みがいけないようで、食べたら動く、と歩くことがとても大切なようです。こうして5か月、市の検診を受けたのです。結果を聞きに行くとき、一応、糖尿病手帳を持って行ったのですが、結果は「異常なし」。いつもセットのようにあった中性脂肪値や肝機能、高血圧さえ無くなっていました。過去のデータを見た先生は本当にびっくりして「初めての経験です。本が書けますね」とエールを贈られ、意気揚々と帰宅したのです。
増えるばかりの薬を嫌って、インスリン注射に切り替えて3年「この間に俺の膵臓はゆっくり休めたから、ちゃんと動けるようになったのかな。お礼を言わなければ」が夫の言葉です。最悪の頃に80キロを超えていた体重は今や63キロ台をキープ、多分、高校時代以来、なのだそうです。