ひと月を見ていただく期間として開催中の着物展も半ば。世代が変わったとつくづく感じます。コロナ前は六、七十代が中心だったように感じていましたが、このニ年の巣篭もり期間に、おしゃれへの意欲が変化してしまったようです。そんなお出掛けなんてしなくなって、と皆さんおっしゃいます。
若い方々にとっては少し高嶺の花に感じられた着物が、シャツやジーンズと変わらない、或いはそれ以下で、似合うものが手に入るのは楽しいことなのでしよう。
箪笥に眠っていた職人技の逸品が動くのを見ると何よりも嬉しくなってしまいます。写真に出した紅型は重要無形文化財に指定されて、もう亡くなってしまった藤村玲子さんの、藍染の伊勢型は南部幸雄さんの作品です。
格調高い松の地紋に絞りを配した伝統的裾模様です。
京友禅の立派な訪問者、近頃では中々お目にかかれない逸品です。
大正時代の真夏の正装、芦の水辺に蛍籠、撫子や桔梗、朝顔や団扇が配されています。
是非是非、お召しになって遊んで見ませんか?