K-World (Kの世界)

アルツハイマー型認知症の妻K、
発病後18年目になります。
現在は介護療養型病院に入院中。
(夫Route463)

「平穏死のすすめ」を読んで

2012-03-10 12:01:09 | ケア日記
「平穏死のすすめ」という本を読んでいる。
副題には、「口から食べられなくなったら
どうしますか」とある。

著者は、特別養護老人ホーム芦花ホームの
常勤配置医師、石飛幸三さん。

妻に限ったことでなく、高齢者にとっては
悩ましい決断を迫られる問いかけである。

人間は生まれたときから、死という「苦」
から逃れることはできない。

だから、少しでも幸せに一日でも楽しく
過せて、静かに幕を閉じることができれば、
それで十分だと思っている。

著者は、次のように書いている。
----------
高齢者で嚥下機能が低下し、自分の口で
食べられなくなった場合は、その人の
生命の限界がきていることが多いのです。
寿命がきている高齢者に、経管栄養を
機械的に与えることに意味があるので
しょうか。
まさに穏やかな看取りを妨げる事態です。
一方、経鼻胃管や胃ろうを設けないで、
自然の経緯に任せることは、家族にとっては
大変勇気のいることです。
最終的に決めるのは家族です。
どうすることが人間らしく生き、人間らしく
死ねるかを考えることが肝腎です。
----------

私が食べものを妻の口に運べば、妻は
それをよく噛み砕いて、ごっくんと飲み
込むことができている。

「食は命」を実感する幸せな瞬間である。
この状態がずーっと続いてくれることを
切に祈っている。

しかし、飲み込むことができなくなる
そのときがやってくることは、しっかり
想定しておかなければならない。

誤飲から肺炎を起こすこともありうる。

考えてみれば、怖いことばかりだけれど、
そうなったとき、私(家族)は経鼻胃管
や胃ろうを設けることには応じられない
というスタンスをとるつもりである。


ブログランキングに参加しています。
ここをクリックしていただけると、ありがたいです。

↓ ↓ ↓
人気ブログランキングへ
にほんブログ村介護ブログへ

最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (maro)
2012-03-10 23:22:02
今晩は

お二人様
 お元気で嬉しいです。

石飛先生の講演に出かけた事があります。
家族に分かりやすく話してくださる先生でした
「平穏死……」読み手元にあります
今、緩和医療医、大津秀一先生
「死ぬときに人はどうなるか」
10の質問
余命単位、看取りの実際
終末期の患者、孤独死は不幸か?
在宅での看取り、など等

3日に北浦和で若年の集いで
終末期の医療講座に行ってきました。
1末梢輸液 2中心静脈栄養
3経管栄養 4胃ろう栄養
5自然に看取る
食べられなくなったらどうしますか?
人生の最期はどのような生活をしたいですか?
 の集いでした
気持ちでは分かっているつもりですが
其のときになったらわかりません。

今日一日
 せい一杯生きます。
返信する
Unknown (Route463)
2012-03-12 21:42:59
maro様

石飛先生の講演をお聞きになったとのこと、
よかったですね。

北浦和での「終末期の医療講座」、
所沢でもやってもらえたらいいなと
思いました。
返信する
決めてはいますが・・・ (さくら)
2012-03-19 14:49:06
 夫は64歳で口からの摂取が難しくなりつつあり、4~5口しかたべれないことも。(つるん食)胃ろうなどしないと決めていますが、今まで何度か誤嚥を起こしました。その度、絶食となり衰弱していく夫の姿を目の前にすると、「どんな姿でも、生きていて欲しい」という思いが強くなります。自然死を決めていても、気持ちが揺らぎます。これから「しない」という気持ちを持ち続けたいと思いますが、自信がありません・・・。
返信する
Unknown (Route463)
2012-03-20 21:05:59
さくら様

ご主人様のこと、驚いております。
食べられなくなる、飲み込めなくなる、
といったご主人様の様子を目にして、
「どんな姿でも、生きていて欲しい」
というさくらさんの思いは、私には
痛いほどよく分ります。
私も妻がそうなったとき、胃ろうなどは
しないつもりと今は決めていても、
いざそのときになれば、考えが変るかも
しれません。
これは、とても難しい問題ですね。
返信する

コメントを投稿