上場したIT系ベンチャーの決算を改めて熟読してみてのだが、成長し続ける会社なのか否かを見分けるための定量的基準があることを再認識した。
大きく分けると4つの指標に整理できる。そして、どれか一つや二つ満たせればいいのではなく、この4つ全てを満たしているのがイケてる状態である。それぞれが独立した事象ではなく、成長し続けるための密接に関連した要因だからだ。
従って、難易度は高い。
1)高い売上高成長率が持続する
ステージによって「高さ」は異なるが、感覚的には以下の基準ではないかと思う。
・上場直前期からその後2期ぐらいは連続は昨対比75%~100%以上(2倍以上)
この時期の間どこかで2倍以上(例えば、3倍とか5倍の売上に化ける期がある)
このような爆発的な伸びをチャンスをつかんだ会社は、時代の要請を非常に適切なタイミングで事業化しており、いわゆる時流にのった会社だ。
・上場3期目~5期目は昨対比50%以上
・6期目~8期目でも30%以上
・9期目以降も二桁増収
・不況などの一時的にネガティブな外部要因があってもぎりぎり増収を維持
2)売上高営業利益率が逓増する
上場前から上場した後も上がり続け、上場後も徐々に営業利益率が上がっていく。
増益はなんとかなるが、組織規模が拡大するにつれて利益率を上昇させ続ける難易度は高い。また、上場関連費用があるので、上場する会社は利益率を上げるのは簡単ではない。
どこかで上昇率は頭打ちになるが、利益率は大きく崩れない、もしくは、崩れても修正する。一時的な利益率の上昇は可能だが、継続は難しい。
利益率が崩れ続け、改善の見通しが立たない事業は傷の浅いうちに勇気を持って撤退する。
また、利益率そのものも比較的高い水準が求められる。
グリーは60%、ミクシィは30~60%、カカクコムは30%弱~50%、DeNAは30%~50%、ヤフー(株)はここ最近は連結で50%超、単体は55%近い、楽天も連結ではここ数年は多少落ち込んでいるが上場直後は25%は下回らず、単体では今でも30%を切らない。Googleも30%を切らない。
利益率が改善し続ける会社は、成功体験に酔わず、現状に満足せず、成長しつづけるために改善・進化の意志を強く持っている会社だ。トップがボケてない一つの証左になる。
3)一人当たり売上高が逓増する
利益率と同様、一人当たり売上高を上げつづけるのは難しい。
しかし、ビジネスのスケーラビリティは結局のところ、一人当たり売上高が一つの基準になる。
1500万~2000万円に始まり、5000万円突破、1億円突破が出来ている会社はやっぱり凄いことになっている。
これも、何が企業の存在意義であり、何を従業員に期待するかを明確に持ち、それに伴う施策を実行し続けなければ、改善されえない指標だ。
一度妥協してしまうと瓦解しやすい。そして、それが企業の文化として許容されてしなうので、注意が必要だ。
4)事業の多様性
一つの製品、一つのサービス、一つのビジネスモデルに依存して成長している会社は、どこかで成長率が鈍化するし、競合の参入、不況などの外部環境の変化に弱い。
そして、自分たちの勝因を客観化しきれず、過去の成功体験にしがみつき瓦解しやすい。
成長し続けている会社は、決算発表を見ていても最も売上比率の高いセグメントが数年に一度変わっている。
それなのに、全社の売上は成長し、利益率は逓増し、一人当たり売上高は逓増している。セグメントごとにみれば、衰退する事業もあるのだが、他の事業でそれを補完しており、それに止まらず現在のビジネスを補完したり関連する新たなビジネスモデルに果敢に挑戦し続ける。
仮に最も売上比率の高いセグメントが変わらないとしても、それに依存している会社と本気で試行錯誤してみた結果そういう比率になった会社では意味が大きく違うだろう。
面白いことに、一度一つの成功体験に依存してしまった会社は、変化慣れする文化を持てずに、新たな挑戦のリスクを取れなない傾向にあるようだ。一方で、スタートアップの時点から多くの事業に手を出してしまう会社も成功しないような気もする。上場するまでは、一つもしくは非常に限られたビジネスモデルに集中と選択をし、その分野で天下を取る現実的な見通しが立ち次第、次に進む会社が成功するように思う。
現実には、この4つを全て満たすのは非常に難しい。しかし、端から諦めるのもどうかと思うので、何をすれば、この4つを全て満たすことが出きるのか、じっくり考えてみる価値はあると思う。
もう少しサンプルを増やしてみて、かつ、自分でも実際に試してみながら、この仮説をもっと進化させたいと思います。
大きく分けると4つの指標に整理できる。そして、どれか一つや二つ満たせればいいのではなく、この4つ全てを満たしているのがイケてる状態である。それぞれが独立した事象ではなく、成長し続けるための密接に関連した要因だからだ。
従って、難易度は高い。
1)高い売上高成長率が持続する
ステージによって「高さ」は異なるが、感覚的には以下の基準ではないかと思う。
・上場直前期からその後2期ぐらいは連続は昨対比75%~100%以上(2倍以上)
この時期の間どこかで2倍以上(例えば、3倍とか5倍の売上に化ける期がある)
このような爆発的な伸びをチャンスをつかんだ会社は、時代の要請を非常に適切なタイミングで事業化しており、いわゆる時流にのった会社だ。
・上場3期目~5期目は昨対比50%以上
・6期目~8期目でも30%以上
・9期目以降も二桁増収
・不況などの一時的にネガティブな外部要因があってもぎりぎり増収を維持
2)売上高営業利益率が逓増する
上場前から上場した後も上がり続け、上場後も徐々に営業利益率が上がっていく。
増益はなんとかなるが、組織規模が拡大するにつれて利益率を上昇させ続ける難易度は高い。また、上場関連費用があるので、上場する会社は利益率を上げるのは簡単ではない。
どこかで上昇率は頭打ちになるが、利益率は大きく崩れない、もしくは、崩れても修正する。一時的な利益率の上昇は可能だが、継続は難しい。
利益率が崩れ続け、改善の見通しが立たない事業は傷の浅いうちに勇気を持って撤退する。
また、利益率そのものも比較的高い水準が求められる。
グリーは60%、ミクシィは30~60%、カカクコムは30%弱~50%、DeNAは30%~50%、ヤフー(株)はここ最近は連結で50%超、単体は55%近い、楽天も連結ではここ数年は多少落ち込んでいるが上場直後は25%は下回らず、単体では今でも30%を切らない。Googleも30%を切らない。
利益率が改善し続ける会社は、成功体験に酔わず、現状に満足せず、成長しつづけるために改善・進化の意志を強く持っている会社だ。トップがボケてない一つの証左になる。
3)一人当たり売上高が逓増する
利益率と同様、一人当たり売上高を上げつづけるのは難しい。
しかし、ビジネスのスケーラビリティは結局のところ、一人当たり売上高が一つの基準になる。
1500万~2000万円に始まり、5000万円突破、1億円突破が出来ている会社はやっぱり凄いことになっている。
これも、何が企業の存在意義であり、何を従業員に期待するかを明確に持ち、それに伴う施策を実行し続けなければ、改善されえない指標だ。
一度妥協してしまうと瓦解しやすい。そして、それが企業の文化として許容されてしなうので、注意が必要だ。
4)事業の多様性
一つの製品、一つのサービス、一つのビジネスモデルに依存して成長している会社は、どこかで成長率が鈍化するし、競合の参入、不況などの外部環境の変化に弱い。
そして、自分たちの勝因を客観化しきれず、過去の成功体験にしがみつき瓦解しやすい。
成長し続けている会社は、決算発表を見ていても最も売上比率の高いセグメントが数年に一度変わっている。
それなのに、全社の売上は成長し、利益率は逓増し、一人当たり売上高は逓増している。セグメントごとにみれば、衰退する事業もあるのだが、他の事業でそれを補完しており、それに止まらず現在のビジネスを補完したり関連する新たなビジネスモデルに果敢に挑戦し続ける。
仮に最も売上比率の高いセグメントが変わらないとしても、それに依存している会社と本気で試行錯誤してみた結果そういう比率になった会社では意味が大きく違うだろう。
面白いことに、一度一つの成功体験に依存してしまった会社は、変化慣れする文化を持てずに、新たな挑戦のリスクを取れなない傾向にあるようだ。一方で、スタートアップの時点から多くの事業に手を出してしまう会社も成功しないような気もする。上場するまでは、一つもしくは非常に限られたビジネスモデルに集中と選択をし、その分野で天下を取る現実的な見通しが立ち次第、次に進む会社が成功するように思う。
現実には、この4つを全て満たすのは非常に難しい。しかし、端から諦めるのもどうかと思うので、何をすれば、この4つを全て満たすことが出きるのか、じっくり考えてみる価値はあると思う。
もう少しサンプルを増やしてみて、かつ、自分でも実際に試してみながら、この仮説をもっと進化させたいと思います。