蓼科浪漫倶楽部

八ヶ岳の麓に広がる蓼科高原に、熱き思いあふれる浪漫知素人たちが集い、畑を耕し、自然と遊び、人生を謳歌する物語です。

不思議な日本語(50) (bon)

2024-06-30 | 日々雑感、散策、旅行

 梅雨に入り、毎日蒸し暑い日が続きます。 暑いくらいならまだ良いですが、毎年
この時期には、線状降水帯など長時間豪雨に見舞われて大きな被害が出ています。
少しは穏やかに過ぎて欲しいところです。

  さて、不思議な日本語もヨタヨタしながらですが、50回の節目を迎えました。節目
だから特段どうのってこともありませんが、いつもと違って「人の体の一部等を使っ
た言葉」を集めてみることにしました。
 例えば、目とか頭とか手だとか・・。で始めてみましたら、結構たくさんあること
に気が付き、場合によっては今回だけで済まなく、次回にも継続するかもしれません。
体のどこから始めてもいいのですが、「手」から、スタートしてみます。

           (ネット画像より)

「手」 手の動作や手の持つ能力や手の形などから、いろんな言葉が生まれていま
す。次々と思いつくまま、挙げて行きましたらたくさんあり過ぎて、どのように分類
すればよいか・・?

 ハタと困ってしまいました。 なので、goo辞書にある分類に当てはめて、整理
してみました。 必ずしも当を得ているかどうか、自信はありませんが・・それに
しても、たくさんの言い方がある物だと分かりました。手ってやはり有用に使われて
いる証でもあると・・。

 goo辞書の分類に従って、言葉を配列してみました。どこに分類すれば最適かなど
も思案の中にありました。 では・・

〇名詞としての「手」

1、人体の腕から指先までの部分や手首から先も手と呼んでいます。「手を高く上
 げる」「袖に手を通す」「手に時計をはめる」「手でつまむ」「手も足も出な
 い」「手かせ足かせ」。「手垢に汚れる」は、人体の手の汚れだけの意ではなく、
「手を汚す」などと同じように正しい道から外れたことに係ることの意もありま 
 すね。
 「手を上げる」は、人体の手を上に挙げる他の意として、人を殴る、たたくなど
 の
動作のことを意味する場合もあります。「手をかける」も、動作としての意味
 は勿論ですが、かかわりを持つ や たたく などの行為を意味することもある
 ようです。
  「手ぬぐい」は、手をぬぐうことから、
ぬぐうもの「タオル」を意味している
  のでしょうか。。

2、器具などの部分 「取手」「握り手」

3、突出して動くもの 「火の手が上がる」

4、仕事や作業を行う、または労働力 「人手」「手が足りない」「女手一つで
  ・・」
「手に職を持つ」「手を休める」「手間」「手数」「手の込んだ」「手
  のかかる」「手だし」「手戻り」「手抜かり」「手がかり」「手玉にとる」
 「手ほどき」「手探り」「手切れ」「手招き」「手習い」 
また、武器や戦いに
  関して「手負い」「深手」「手ごわい」「手ぐすね」

5、文字を書く技法や筆跡など 「人の手をまねる」。「手紙」これは単なる紙では
 なく、紙に書かれた文字、文章なんですね。また、能楽・舞踊などの所作で「手
 振り」「指す手引く手」音曲では「合いの手」なんかも。 三味線で、新しい目
 立った曲風のことを「破手」といったことから、三味線だけでなく一般に目立つ
 ものを「派手」というようになったとか。また、武芸では、相撲の「四十八手」。
 これは方法ですね。また、「手合わせ」などもあります。

       (ネット画像より)

6、囲碁・将棋では「手持ちの駒や札」「手の内」「新手」、「手筋」「一手」、
 相手の「手を読む」。「先手」「後手」これなどは、順番を意味していますね。

7、手段、方法として、「汚い手を使う」「その手は食わない」「打つ手」「手始
 め」「手違い」「手を染める」「手を出す」「手を引く」「手を回す」「手を延
 ばす」「手控える」「手をこまねる」「手を使う」「手を返す」など・・「手づ
 る」「手ほどき」「手離れ」「手さばき」「手豆」「手締め」「手拍子」「手あ
 たり次第」「手取り足取り」。
  ここで、「手を出す」には、物事に係ることの意もあり「手を染める」と同意
 ともなりますが、「足を出す」といえば、支出が多い場合つまり赤字のことを指
 す場合もありますね。

  「勝手」というのもこの範疇でしょうか? よくわからないので、とりあえず
 こちらに入れておきます。

8、所有することで、「人の手に渡る」、支配下では「会社の手の者」「犯人の手
 から人質を救う」「手なづける」「手取り」

9、方角や方面、場所として「行く手」「山の手」「上手(かみて)」「土手」

10、ある種類に属す「その手の品」「厚手の生地」

11、機械などを用いないで作る意から「手作り」「手料理」「手打ち」「手編み」、
 「手弁当」これは、お弁当そのものの意のほかに「自前で」や「自腹」の意味も
 ありますね。

12、持ち運びや取扱が容易、小型の意から「手斧」「手帳」「手箱」「手狭」
 「手ごろ」。 「手毬」「手鏡」。「手土産」「手仕事」「手軽」「手加減」は、
 他の大きさ(小さいこと)や軽いことから「ちょっとした」という意味が付け加
 わった形でしょうか。

13、動作をする人、優れているなどの意から「語り手」「貰い手」「やり手」「選手」
 「騎手」「投手・捕手」「運転手」「売り手・買い手」

 


〇接頭で形容詞・形容動詞に付いて、意味を強める「手堅い」「手ぬるい」「手短」

〇接尾で助数詞として 「数手先を読む」

                  

 以上に思いつくまま、goo辞書の指導を仰ぎながら、当てはめてみましたが、これ
で正しいかどうか、自信はありません。が、よくもまあたくさん出てきたものだと
感心しています。

 さらにちょっと付け加えてみました。

 「手が早い」これは手が急いで走るとかではなく、手仕事の進捗が早いとの意味や、
手が素早く動いてものを取ってしまう、つまり人よりも先に手にしてしまうという
意味から、誰にでもすぐにちょっかいを出すことを言ったり、また、人を叩くなどの
意にも。「手を上げる」にも同じ意味合いがありますね。同じ早いでも「足が速い」
は、もちろん走るのが速いという意味もありますが、食べ物などの腐敗が早い場合
にも使われています。「口が早い」「耳が早い」「目が早い」などもあるようです。
「手が遅い」は、仕事が遅いとの意味もありますね。

 少し範疇が違いますが、「手元」というのがあります。「元」とは、付近、あたり、
近く‥の意味があるようですが、これを発展させてみますと、「足元」「口もと」
「目元」「足元」「胸元」などがあり、「元=根源」というよりは、そのあたり、
周りの意になっていますね。「腰元」となれば、腰のあたり、腰つきのほか、身分の
高い人の傍に仕えて雑用をする侍女を指しています。

 また、「手元」には、「手元が寂しい」など、手持ち金が少ないことを指す場合も
ありますね。「元手」は、資金、資本、利益を得る元となるもの。

 その他、「手ぐすねを引く」「手っ取り早い」「手持ち無沙汰」「手塩にかける」
「手練手管」「手前」「手当」「手本」「お手並み」「手痛い」「手ぬるい」なども
浮かんできましたが、上の分類のどこに入るか・・?

 「手当」は、「治療」という意味がありますが、本来、文字通り手を当てる、触れ
ることで心身の苦痛を和らげる、古くから人々が用いてきた癒しの一形態なんですね。 
 手の平には、触れられた生命の自然治癒力を引き出す不思議な力がある・・なん
ちゃって! 

 また、「手当」は、労働の対価として会社が支給する基本給以外の賃金のことも
言いますね。どうしてそのように言う‥そのような意味になったのか?不思議ですね。

        (ネット画像より)

 「手前」も、自分に近い方を意味したり、自分そのものも「てまえ」(手前、生国
を発しまするは・・)と言ったり、相手のことを指したりもしています。(てめぇ、
何しゃがるんで・・)。ついでに、「お手前」は「お点前」ですね。

 最後に「切手」はどうか? 近代郵便制度の創始者である前島密が名付けたとあり
ます。「手形」が、お金を支払って得た権利を証明する紙片を意味しますが、これ
から「切府手形」であるところから「切手」としたようだとあります。

        (日本郵政より)

 今回は「手」だけで、これだけの言葉が出てきたりして、驚いている次第ですが、
やはり、手というのは、それだけいろんな面にかかわりを持ち、役に立ち、手直な
もの・・何んでしょうね。次回は、これ以外の人体の部分を使った言葉を拾ってみます。

 

 

 

 

奥様お手をどうぞ (アルフレッド・ハウゼ)

 

 

 

 

コメント (4)
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