路地猫~rojineko~

路地で出会った猫と人。気付かなければ出会う事のない風景がある。カメラで紡いだ、小さな小さな物語。

公園男子

2010-10-13 | 『麦・フク・ぽん太』






『麦』と出会った公園に

中・高校生位の男子が一人、茶虎の子猫を見詰めて佇んでいた。

写真が撮りたくて声を掛けた。




が、その少年の猫かと思いきや、違った様子で

茶虎の子猫は一身に砂場で遊ぶ子供の姿を目で追っていて、

その姿をじっと見詰める男子。




猫も、私がじわじわ近付いても気にもしないので

ここぞとばかりに写真を撮らせて貰っていると

気持ちを許してくれたのか、子猫は少し遊んでくれた。

その姿を見て、男子も気持ちを許したのかは解からないが

「僕…将来は縁側で日向ぼっこしながら

 三毛猫と柴犬を飼うのが夢なんです」

と、言った。





うら若き少年の夢にしては、

爺むさい夢(スイマセン)だなと思いながらも

「おや?良い夢だね。実現出来ると良いね」

などと、日和った意見を言ってしまった気がする。




数枚写真を撮らせて貰うと、男子と子猫に別れを告げて

公園を後にした。



実家に帰って母にその話をしたら、

公園で出会った男子は近所の病院の息子だと判明した。



「家が病院じゃ、犬も猫も飼えんけん

 大きくなったら飼いたいと思ったんやろうね」



何でまた、通りすがりの私にそんな話をしたのか

解からなかったが、妙に可笑しかった。



「ほら、あの子はよく風呂敷をマント代わりにして

 ヒーローごっこしとった子たい」




昔、ヒーローで悪と戦っていた少年は、

通りすがりのおばさん相手に公園で夢を語るのだ。

時の流れは恐ろしい。








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コメント (2)
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