りとるぱいんわーるど

ミュージカル人形劇団“リトルパイン”の脚本の数々です。

“ジ―ク(その前)” ―全6場―

2011年12月02日 16時47分10秒 | 新作(人形劇用)


  今回、新作(人形劇用)ページの紹介作品を、どうしようかな
 ・・・と考えていたのですが、次回春公演に登場する、ジ―ク
 くん(お人形は紹介済みですね(^^♪)の、あの作品前のお話
 しを書いてみようかな・・・と、突如思い立ち、書き上げていた
 ので、昨日は未更新で失礼致しましたm(__)m
  
  さて、その書き上げたばかりの作品ですが、春公演作品と、
 少し関係する部分も出てくるように書いたので、春公演を見た
 時に、「ああ、それ知ってる知ってる」などと考えながら、見て
 頂けると、また違った楽しみ方ができるのではないかな・・・と
 思っています(^^)v
  
   

                     どら。



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    〈 主な登場人物 〉

    ジ―ク  ・・・  本編の主人公。

    チュー吉  ・・・  ジ―クの家に住むネズミ。

    ジ―クの母。

    ルーク  ・・・  ジ―クの弟。

    ルータ  ・・・  ジ―クの妹。

    少年4、5、6  ※





  ※  この少年達、春公演作品でも3人登場するのですが、
     そちらの方の3人は、いい子達で、今回の3人は
     いじめっ子達なので、敢えて番号は変えて付けて
     みました^^;
     一部名前が必要な場面があるのですが、その時に
     考えて付けるので、今は番号で失礼します(^_^;)



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      開演アナウンス。
      嵐のような風雨の音が聞こえる。

 ジ―クの母の声「ジ―ク!!大変だよ!!父ちゃんの乗った
        船が、漁に出たまま行方不明になったんだ!
        !」
 ジ―クの声「何だって母ちゃん!!」
 ジ―クの母の声「港に帰る途中で、この大嵐に巻き込まれて、
        無線が途絶えたんだよ・・・」
 ジ―クの声「嘘だ・・・」
 ジ―クの母の声「どうしよう・・・どうしたらいいんだい・・・」
 ジ―クの声「母ちゃん!!」
 ジ―クの母の声「ジ―ク・・・父ちゃんがいなくなって、これから
        どうやって生きていけばいいんだよ・・・。」
 ジ―クの声「父ちゃん・・・嘘だーっ!!(叫び声、木霊する。)」

      嵐の音、段々と遠ざかる。

  ――――― 第 1 場 ――――― 

      明るい音楽流れ、幕が開く。
      と、村の様子。
      3人の少年達、上手下手より登場。
      楽しそうに歌う。

      “さあ 遊ぼうぜ
      さあ 何しようか
      さあ 楽しもう
      何もない村だけど
      仲間がいればそれだけで
      十分なんだ俺達は
      ボール投げしようぜ
      缶蹴りしようぜ
      駆けっこどうだい?
      みんながいれば平凡な村も
      楽しめる!”

 少年4「さぁ、何して遊ぼうか?」  
 少年5「そうだなぁ・・・」
 少年6「隠れんぼでもやる?」
 少年4「隠れんぼ・・・?」
 少年5「えーっ・・・」
 少年4「この村で隠れんぼしたって、屹度どっかのおじさんや
    おばさんに見つかって、声掛けられるんだ。」
 少年5「“おい、ジャック!こんなとこで何やってんだ!”って・・・」
 少年4「そしたら俺が“ジャック!見ーつけたっ!!”」

      3人笑う。
      その時、3人下手方を見る。

 少年6「あ!!来たぜ!!ジ―クの野郎。」
  
      ジ―ク、下手より登場。

 少年5「おい、目を合わすなよ!」
 少年4「ああ、分かってるさ!」
 少年6「あいつ近頃、もの凄く機嫌が悪いんだ。」
 少年5「下手に係わっちゃ、何言い掛かり付けられるか分かん
    ないぜ。」
 少年4「そうそう!」
 少年6「行こうぜ!!」
 ジ―ク「あ・・・おい・・・!」

      3人の少年、ジ―クの呼び掛けに知らん顔して、
      上手へ去る。

 ジ―ク「何だよ・・・あいつら・・・」

      紗幕閉まる。

  ――――― 第 2 場 ――――― A

      音楽流れ、ジ―ク歌う。(紗幕前。)

      “どうして俺だけ・・・
      どうして仲間外れだ
      ほんの少し前まで
      一緒になって駆け回り
      遊んではしゃいだ仲間が
      今は遠くで見てるだけ・・・
      どうして俺だけ・・・
      俺が悪い訳じゃない・・・”

      下手より、ジ―クの母登場。

 ジ―クの母「(ジ―クを認め。)あ、ジ―ク!母ちゃん、今日から
      仕事に行くからさ。あんたは弟や妹達の面倒を見
       てやっておくれ・・・」
 ジ―ク「嫌だ!!」
 ジ―クの母「ジ―ク・・・!!」
 ジ―ク「何で俺ン家は、父ちゃんがいなくて・・・母ちゃんまで働
    きに行かなけりゃならないんだよ!!」
 ジ―クの母「ジ―ク、分かっとくれよ。父ちゃんがいなくなって・・・
         母ちゃんが父ちゃんの分まで働かないと、ご飯だって
         ・・・」
  ジ―ク「嫌だ!!」

         ジ―ク、下手へ走り去る。

  ジ―クの母「ジ―ク!!」

         ジ―クの母、下がる。(曲続く。)

  ――――― 第 2 場 ――――― B

         紗幕開く。と、ジ―クの部屋。
         下手よりジ―ク登場。歌う。

         “どうして俺だけ・・・
         どうして辛い思いを
         みんなは楽しそうに笑ってる
         なのに俺だけ一人きり
         仲間なんているもんか
         一人だって構わない
         どうして俺だけ・・・
         俺が悪い訳じゃない・・・”

  ジ―ク「何で俺ん家ばっかり・・・。あいつら皆、今まで通り遊ん
       でいるのに・・・。何で俺だけ弟や妹の面倒見なきゃな
       んないんだよ!!(机の上に置いてあった瓶の中身を
       コップへ注ぎ、その飲み物を飲み干す。)父ちゃん・・・
       畜生・・・」

         その時、どこからかジ―クの名前を呼ぶ
         “声”が聞こえる。

  声「・・・おーい・・・ジ―ク!」

  ジ―ク「・・・え・・・?(キョロキョロ見回すが、誰もいないことに
       首を傾げる。)・・・空耳かな・・・」

  声「おーい、ジ―ク!」

  ジ―ク「誰!?(再びキョロキョロ見回す。)・・・おかしいなぁ・・・」
  
  声「ここだよー!ジ―ク!!」

  ジ―ク「誰かいるの!?」

  声「ここだよー!!ここ、ここ!!」

  ジ―ク「ここって・・・」

  声「下、下!!」

  ジ―ク「下・・・?(下を見る。)わあっ!!ネズミだ!!」

         下から小さいネズミ(チュー吉)登場。

  チュー吉「(笑って。)やっと気付いた!」
  ジ―ク「(腰を抜かしたように。)な・・・なんでネズミが人間の言
       葉を喋ってるんだよ!!」
  チュー吉「そこなの?君の気になるとこって・・・。(笑う。)」
  ジ―ク「しゃ・・・喋ってる・・・喋ってる、このネズミ!!」
  チュー吉「ネズミ、ネズミ言わなくていいだろ!確かにネズミに
        は違いないけど・・・」
  ジ―ク「ネ…ネズミ・・・」
  チュー吉「ねぇ、ジ―ク!どうしてそんな暗い顔してるんだい?」
  ジ―ク「暗い・・・って・・・よ・・・余計なお世話だ・・・!!」
  チュー吉「(笑って。)怒ってら・・・。そんな風な態度だから、友達
        も皆どっか行っちゃうんだ。」
  ジ―ク「煩いな!!ただのネズミのくせに、勝手なこと言うな!
       !」
  チュー吉「(笑う。)仕様がないなぁ、ジ―クは。」
  ジ―ク「それに、ネズミのくせに、何で俺のこと知ってんだよ!!
       」
  チュー吉「ほら、思い出してよ。僕達、友達じゃないか!」
  ジ―ク「思い出すも何も・・・生憎俺は、ネズミの友達なんて持ち
       合わせてないんだ!!」
  チュー吉「冷たいなぁ・・・ジ―ク。」
  ジ―ク「だから、友達面はよせよ!!」
  チュー吉「まぁ、いいや。それより君、さっき僕が喋るって驚いて
        たじゃない。聞きたくないの?その話し。」
  ジ―ク「・・・え?」
  チュー吉「どうやって僕が君と話せるのか・・・。」
  ジ―ク「ど・・・どうやったんだよ・・・」
  チュー吉「僕、こう見えて魔法が使えるんだ!!」
  ジ―ク「・・・あっそ・・・」
  チュー吉「はっはっは・・・(笑う。)」
  ジ―ク「それで?俺、耳がどうかしちゃったのかなぁ。(耳を叩い
       てみる。)」

         音楽流れ、チュー吉静かに歌う。

         “昔々のその昔・・・
         それは森の奥深く・・・
         ひっそり暮らす者がいた”

  ジ―ク「(生唾を飲み込む。)」

         “人里離れた暗闇に
         紛れるようなその姿
         誰もが恐れる森の魔女・・・”

  ジ―ク「ま・・・魔女・・・!?」

         “信じなくても構わない
         僕の言葉が聞こえるなら
         嘘ではないと分かる筈・・・”

  チュー吉「森の奥深くに、どんな病気も治す・・・どんな不思議な
        ことでも起こす、魔法の薬を作って売ってる、おばあさ     
        んがいるんだ・・・。」
  ジ―ク「う・・・嘘だ・・・」
  チュー吉「そのおばあさんの所から、動物の言葉が分かる薬を
        一粒盗んで来たんだよ!」
  ジ―ク「え・・・言葉が・・・?」
  チュー吉「(頷く。)それを飲めば、忽ち人間でない生き物の声
        が聞こえるようになるんだ。」
  ジ―ク「・・・本当に・・・?でも・・・ちょ・・・ちょっと待ってくれよ。
       俺そんな薬、飲んでないぜ!!やっぱり冗談なんだな
       !!この嘘吐きネズミ!!本当のことを言えよ!!」
  チュー吉「飲んでないって、何故言い切れるんだい?」
  ジ―ク「だって・・・俺は何も・・・(机の上のコップを見る。)まさか
       ・・・!!おまえ、俺のミルクに何か入れたのか!?」
  チュー吉「(笑う。)ピンポーン!」
  ジ―ク「何が“ピンポーン”だ、馬鹿!!(“ペッペッ”と吐き出す
       ように。)」
  チュー吉「もう飲み込んじゃったんだから、そんなことしたって
        吐き出せないよ。」
  ジ―ク「畜生!!何てことするんだよ!!」
  チュー吉「大丈夫!効き目はたったの数日さ!直ぐに聞こえな
        くなるよ、僕の声。」
  ジ―ク「・・・数日・・・?数日ってどんくらいなんだよ!!」
  チュー吉「・・・さぁ・・・。だって、その薬コソッと盗んで来たから・・
        ・。でもおばあさんが、他の人に薬を売るとこを見てた
        んだ!そしたら・・・(怖い声で。)“効き目は一週間・・・
        ”そう言ってたよ。」
  ジ―ク「一週間・・・!?俺、一週間もこんなネズミの声に、平和
       な生活をかき乱されるのかよ!!」
  チュー吉「失礼だなぁ、ネズミ、ネズミって。僕“チュー吉”って言
        うんだ!!この家の屋根裏に住んでる!!よろしく、
        ジ―ク!!」
  ジ―ク「あああ・・・何てこった・・・。」

         紗幕閉まる。

  ――――― 第 3 場 ――――― A

         下手より、ジ―クの母、弟(ルーク)、妹(ルータ)
         登場。

  ジ―クの母「そしたら母ちゃん、仕事に行って来るからね。いい
          子で2人でお留守番しておくんだよ。」
  ルーク、ルータ「うん。」
  ジ―クの母「じゃあね。(手を上げて、上手方へ。)」
  ルーク、ルータ「母ちゃん、行ってらっしゃーい!!(手を振る。)
            」

         ジ―クの母、上手へ去る。

  ルータ「行っちゃったね、お母ちゃん。」
  ルーク「うん・・・そうだね。」
  ルータ「ジ―クお兄ちゃんは、いつ帰って来るの?」
  ルーク「そうだなぁ・・・。兄ちゃんは“学校”に行ってるから、お昼
       までは帰って来ないなぁ・・・。」
  ルータ「学校・・・?」
  ルーク「そうだよ。兄ちゃんは学校へ行って、勉強してエライ人
       になるんだ。だから僕達は、淋しくても2人でお留守番
       しないといけないんだよ。」
  ルータ「エライ人になるの?」
  ルーク「そうだよ!勉強一杯したら、エライ人になれるんだ!」
  ルータ「ふうん・・・。分かったわ、私お留守番する!でもお兄ち
       ゃん、早く帰って来ないかなぁ・・・。
  ルーク「うん・・・。」

         音楽流れ、2人歌う。

         “2人きりのお家の中
         とっても広い感じがする・・・
         早く時間よ過ぎて直ぐに・・・
         みんな帰って来る時間まで
         時計の針よ回れ回れ・・・”

   







   ――――― “ジ―ク(その前)”2へつづく ―――――









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      (おまけフォト^^;)
      

   今回、ネズミくんが登場するお話し・・・と言うことで、
   我が家のロボちゃん(ロボロフスキーハムスターで、
   “ロボちゃん”と言います♥)を、ご紹介致します^^;
   
   ホントは、可愛いお顔をお見せしたかったのですが、
   とっても怖がりなので、気付かれないよ~に・・・
   後ろ姿をコソッと撮影致しました(^_^;)

   この子は3代目になりますが、かれこれ飼い始めて
   2年近くになる、長生きさんです(^^♪













       

        http://www.geocities.jp/littlepine2005/ 

      http://blogs.yahoo.co.jp/dorapontaaponta
 
         http://blog.goo.ne.jp/axizgoo7227