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Eos5D写真三昧 格安の海外旅行記と国内旅行のすすめ

海外旅行の情報を旅行記として綴った記録。EOS5Dとiphoneで撮った写真をあげております。

4:天安門広場~紫禁城(故宮)

2010年09月06日 12時25分58秒 | 中国旅行記2010年8月
EF24-105mmF4L

北京の世界遺産その1である紫禁城に来たる。
紫禁城。その名の由来は「紫微」という天帝を表す言葉。もともとは北極星あたりの一帯を指す言葉だが、星が動かないので世界の中心という意味を持つ。「禁」は庶民の入場が禁じられているという意味を持つ。
この城は、もともとは元朝のクビライ・ハンが都を大都に建てたときに作られたとか作られないとか言われているが、現在の姿に近い形になったのは明朝の永楽帝が改築した後のことである。昔この地は、燕と呼ばれており、永楽帝が帝位に就く前の位は燕王であった。燕という文字に「北」という文字が入っているのは偶然ではない。古くは北京は「燕京」と呼ばれていた。というワケで、現在のような大きな宮殿の形になったのは15世紀以降で比較的新しい建物であり、中国4000年の歴史をここから見て取ることは出来ない。

中国の古い都は西安、洛陽、南京であり、華北は遊牧民に征服される歴史を繰り返してきた。モンゴル帝国「元」が朱元璋によってモンゴル高原まで追い出されたとはいえ、なおもその勢いは強いものがあった。紫禁城改築も万里の長城の改築も、そのような状況の中で行われた事業であり、北方の脅威は常にあったワケである。

写真は天安門広場から撮影したものである。天安門事件で有名な天安門広場。1989年にここに戦車が出動し、民衆を武力で鎮圧した。それが僅か20年前のことである。1949年には、この天安門の建物に毛沢東が現れ中華人民共和国の成立を宣言した、そういう場所である。ここには数多くの公安(警察)がいて、なかなか警備は厳重である。天安門西駅の地下鉄の出口から天安門広場へは、地下道で繋がっているが、広場に入るためにはX線検査機に荷物を通さなければならないという厳重ぶりである。駅や空港以外でX線検査機を見たのは、ここ天安門だけである。



さて天安門~紫禁城の場所だが、地下鉄の1番線の天安門東駅(赤い丸印)が最寄の駅である。地下鉄2番線は環状線になっているが、これは紫禁城を囲むように走っている。中国の地下鉄についてだが、実は2003年くらいまでは1番線、2番線くらいしか無かった。ここ7年くらいの間に残りの線は開通したことになる。



こちらは中国政府が発表する2015年までの完成図である。あと5年で出来るとはとても思えない計画である。2010年現在では、この計画の半分も達成できていないではないか。ちなみに地下鉄の料金は全線2元(26円)である。全ての駅に自動改札機はあるが、お札は殆ど認識しないので、使っている人民はほとんどおらず、結局切符発券の窓口で駅員が販売しているほうに長蛇の列が出来ているという有様である。
中国の紙幣は、綺麗なピン札から汚いくしゃくしゃになって破れそうな紙幣もある。汚いお札はどさくさにまぎれて押し付けられるので注意が必要だ。



これが天安門入り口。門の上にはハゲのオッサンの肖像画が掛かっている。この男は大躍進政策で千万単位の人民を餓死させ、文化大革命において人民を虐殺してきた元締め。アメリカ流に言えば「悪の親玉」である。改革開放政策に切り替えられ、毛沢東の政策は否定されたとはいえ、未だ天安門にはこの肖像画が奉られている。さて、門の屋根の真ん中あたりには中国共産党の「エンブレム」が取り付けられている。明、清の皇帝が住まう宮殿の門に、共産党のエンブレムが付いているというのも、考えれば違和感のあるものだ。城壁には五星紅旗がひるがえり、城壁には「中華人民共和国万歳 世界人民大団結万歳」と書かれている。なにが「世界人民大団結万歳」だと思ってしまう。ここには主語が書かれていないが、要するに「(中国を中心とする)世界人民大団結万歳」に違いない。門の入り口には公安が2~3人程いるし、それは天安門広場にも多数いる。そういう状況を見ると、一層「大団結万歳」なんて言葉は空々しく聞こえるものだ。
社会主義を唱えた統領が、帝国主義の象徴たる紫禁城の表門である天安門の城壁から手を振って中華人民共和国の成立を宣言する。それだけでも「?」が無数に付くというものだ。結局「相手変われど、主かわらず」ってことだ。こんな事を中国のブログに書いたら公安に捕まるかも知れないが、ここに自由な国日本なので、気兼ねなく書けるというものである。



どこの国でも同じ事だが、国家に仕える連中の態度は横柄というか偉そうというか、やる気がないものである。日本の警察官もそりゃヒドイものだが、こっちの公安もそれはヒドイ。中国は景色や人民はなかなか良いのだが、残念ながら「国家」がクソだ。早く民主革命が起こってまともな国になってくれる事を祈る。

それにしても中国の宮殿はスケールが違う。ここは宮殿につづく門に過ぎないが、その門ですらこんなに堅牢で大きいのである。京の羅城門どころの騒ぎではない。

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4 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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大陸的? (くろ)
2010-09-08 00:21:39
中国の場合、社会主義だろうと帝国主義だろうと「現在における支配者がだれか」ってことが最重要なんでしょう。
上海でも旧日本海軍陸戦隊司令部だった建物を銀行がそのまま平気で使ってました。グーグルアースで調べても、Former headquarters of the old Japanese Navy special landing forces.そんまんま、キャプションが出てきます(笑)確かに建物はしっかりしていましたが。
「中国人の面子」ってのは今が全て。
逆に「朝鮮半島の面子」は過去が全て。そんな気がします。
それにしても天安門広場も車でいっぱいですね。クラクション、うるさくなかったですか?
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くろさん、ありがとうございます (大納言)
2010-09-09 04:07:05
まぁ共産党は超法規的存在らしいですからね。憲法の制約を受けない、まさに人治主義の国家。昔ヴォルテールだったか、神聖ローマ帝国を指して「神聖でもなく、ローマもなく、帝国ですらない」と言った台詞をパクって、中国に当てはめようと思う。「中華でもなく、人民でもなく、共和国ですらない」臣民に近く、王政に近いわけで、「華」ですらない。
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補足 (大納言)
2010-09-09 04:10:15
クラクションはですね、うるさいですね。歩行者にも容赦なくクラクションをかましますし、車に対しても容赦ない。かろうじて信号だけは守るが、他の交通法規についてはかなり微妙です。横断歩道なんて、あってないようなもので、日本で例えるなら中国の横断歩道なんて「公道を横切るようなもの」です。車なんていっさい止まってくれません。それどころかクラクション鳴らされます。
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Unknown (島貫)
2010-10-26 14:20:26
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