・ベジタリアンの医学 (蒲原聖可) 平凡社新書
けろさんのブログで紹介されていたこの本を読みました。ベジタリアンと呼ばれる人たちの食生活について、現代医学・栄養学に基づいて様々な観点から淡々と述べられています。
ベジタリアン食というと栄養が不足するのではないかと思われがちですが、この本では「多種類の植物性食品を組み合わせて適切に摂取すればベジタリアン食で栄養が不足することはなく、逆に様々な生活習慣病の予防などに効果がある」と結論づけています。これは今では専門家の間の一致した見解となっているようです。
「ベジタリアンたち(1)」でも書いた通り、ベジタリアンにもいろんな種類があり、肉・魚に加えて卵や乳製品も摂らない人たちをビーガン(Vegan)といいます。マクロビオティックをまじめにやると、ベジタリアンでの分類ではビーガンに相当します。この本に基づくと、ビーガンの栄養摂取について気になるのは以下の3つです(他の栄養素は問題なし)。
・ビタミンB12(血液の生成に必要)
活性型の(体に吸収される)ビタミンB12は動物性食品にしか含まれません。必要量は非常に少なく(1日に2μg台)、しかも体内に貯蔵がきくという性質がありますが、不足していると何年も経ってから欠乏症になることも考えられます。菜食を厳格に実践している人はサプリメントやB12添加食品を使う必要があるのかもしれません。
・ビタミンD(骨の形成に必要)
ビーガンはビタミンDが不足しがちになるような書き方がされています。しかし他で調べてみると、ビタミンDには植物性食品に含まれるD2(きのこ類に多い)、動物性食品に含まれるD3(魚介類・卵に多い)などがあり、体内での働きは同じだそうなので、ビーガンでも十分摂取可能ということにはならないんでしょうか?
・鉄分(酸素を運搬し貧血を防ぐ)
ビーガンでも不足しないようです。肉に含まれるヘム鉄の方が野菜の非ヘム鉄よりも吸収がいいのですが、ビタミンCと一緒に摂ることにより非ヘム鉄も吸収が促進されます。ただし気になったのは以下の記述。
~ マクロビオティックなど一部のベジタリアンでは、鉄不足が認められることがあります。この場合は、ベジタリアン食の不適切な選択方法に原因があります。~
実は私はマクロビを始めてから立ちくらみがするようになったので、肉を食べないせいで鉄分が不足してるのかなと思っていました。最近あるところで「マクロビオティックをやる人は根菜ばかり食べる傾向があり、葉野菜が不足しがち」という話を聞き、なるほどと思いました。マクロビでは陰性に傾いた人(冷え性とか)を指導することが多いので、比較的陰性な葉野菜より陽性な根菜を勧めがちで、結果としてほうれん草などに多く含まれる鉄分が不足するということがあるのではないでしょうか。
結局、動物性食品を摂らない場合にどうしても不足するのはビタミンB12だけのように思いますが、他の栄養素も不足しないようにバランスを考えることが必要です(これは肉食していても同じですが)。それを陰陽だけでコントロールできればいいのですが、当面は現代栄養学の助けを借りながら考えていこうと思います。
~~~ ~~~ ~~~
マクロビや健康に関する本がたまってきたので、たまに感想を書きます。これを機にAmazonのアソシエイト・プログラムというやつに入ってみました。上記リンクからどなたかがこの本を購入すると私に少しだけ入るという寸法。こういうもので金もうけをする気はありませんが(というかそんなにもうかるわけがありませんが)、おもしろそうではあります。
追記: Amazonのアソシエイト・プログラムはこのブログでは停止しました。
けろさんのブログで紹介されていたこの本を読みました。ベジタリアンと呼ばれる人たちの食生活について、現代医学・栄養学に基づいて様々な観点から淡々と述べられています。
ベジタリアン食というと栄養が不足するのではないかと思われがちですが、この本では「多種類の植物性食品を組み合わせて適切に摂取すればベジタリアン食で栄養が不足することはなく、逆に様々な生活習慣病の予防などに効果がある」と結論づけています。これは今では専門家の間の一致した見解となっているようです。
「ベジタリアンたち(1)」でも書いた通り、ベジタリアンにもいろんな種類があり、肉・魚に加えて卵や乳製品も摂らない人たちをビーガン(Vegan)といいます。マクロビオティックをまじめにやると、ベジタリアンでの分類ではビーガンに相当します。この本に基づくと、ビーガンの栄養摂取について気になるのは以下の3つです(他の栄養素は問題なし)。
・ビタミンB12(血液の生成に必要)
活性型の(体に吸収される)ビタミンB12は動物性食品にしか含まれません。必要量は非常に少なく(1日に2μg台)、しかも体内に貯蔵がきくという性質がありますが、不足していると何年も経ってから欠乏症になることも考えられます。菜食を厳格に実践している人はサプリメントやB12添加食品を使う必要があるのかもしれません。
・ビタミンD(骨の形成に必要)
ビーガンはビタミンDが不足しがちになるような書き方がされています。しかし他で調べてみると、ビタミンDには植物性食品に含まれるD2(きのこ類に多い)、動物性食品に含まれるD3(魚介類・卵に多い)などがあり、体内での働きは同じだそうなので、ビーガンでも十分摂取可能ということにはならないんでしょうか?
・鉄分(酸素を運搬し貧血を防ぐ)
ビーガンでも不足しないようです。肉に含まれるヘム鉄の方が野菜の非ヘム鉄よりも吸収がいいのですが、ビタミンCと一緒に摂ることにより非ヘム鉄も吸収が促進されます。ただし気になったのは以下の記述。
~ マクロビオティックなど一部のベジタリアンでは、鉄不足が認められることがあります。この場合は、ベジタリアン食の不適切な選択方法に原因があります。~
実は私はマクロビを始めてから立ちくらみがするようになったので、肉を食べないせいで鉄分が不足してるのかなと思っていました。最近あるところで「マクロビオティックをやる人は根菜ばかり食べる傾向があり、葉野菜が不足しがち」という話を聞き、なるほどと思いました。マクロビでは陰性に傾いた人(冷え性とか)を指導することが多いので、比較的陰性な葉野菜より陽性な根菜を勧めがちで、結果としてほうれん草などに多く含まれる鉄分が不足するということがあるのではないでしょうか。
結局、動物性食品を摂らない場合にどうしても不足するのはビタミンB12だけのように思いますが、他の栄養素も不足しないようにバランスを考えることが必要です(これは肉食していても同じですが)。それを陰陽だけでコントロールできればいいのですが、当面は現代栄養学の助けを借りながら考えていこうと思います。
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マクロビや健康に関する本がたまってきたので、たまに感想を書きます。これを機にAmazonのアソシエイト・プログラムというやつに入ってみました。上記リンクからどなたかがこの本を購入すると私に少しだけ入るという寸法。こういうもので金もうけをする気はありませんが(というかそんなにもうかるわけがありませんが)、おもしろそうではあります。
追記: Amazonのアソシエイト・プログラムはこのブログでは停止しました。