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理科系人間のマクロビオティックメモ

マクロビオティック・健康に関する考察と情報をつれづれなるままに。

マクロビは「あやしい」のか

2005-01-10 | マクロビを学ぶ
年末年始に帰省している間、両親らにマクロビの説明を少ししかけたのですが、やはりというかなんというか、いささか「あやしい」ものに映るようです。結局「バランスよく肉も魚もちゃんと食べないとダメ」とか言われるので途中でやめました。

マクロビを始めて、まわりの人との意識のギャップに悩んでいる人は結構おられるようです。ギャップの原因を挙げてみると以下のような感じでしょうか。

(1) 現代医学/栄養学との主張の違い
「1日30品目摂るべし」の栄養学が常識になっていますから、マクロビの主張は間違ったものとしてとらえられます。ある程度科学的な議論も必要になるでしょう。主張が一致している部分も多々あるので。

(2) 一般的な食生活との違い
「肉・魚・乳製品は控えている」と言うと「じゃあ何を食べるの!?」と聞かれることがよくあります。いろいろ食べるのが豊かな食生活だと考えるのが普通ですから、「常識はずれの食生活」ということになるのでしょう。玄米という、「健康にいいものとして少し認知されてきてはいるが、まずいとか貧乏くさいとかいうマイナスイメージもある」微妙な位置にあるものを主食としているのも、残念ながらギャップの原因の1つとなっているような気がします(本当はおいしいんですが...)。

以上2つがメインだと思いますが、少しマクロビをかじりだした人には以下のようなことも出てきます。

(3) マクロビの中の「あやしげ」に受け取れる主張
「人間は動物ではなく植物を食べるのが宇宙法則」
「食べ物というのはいのちをいただくのです。玄米は生きているのです」
というような「非科学的な(検証できない)」説明は、感覚的に理解しやすいこともあるのですがややもすればあやしげに映ります。私も基本的には上記のような説明にはあまり納得しない方です。発信のしかたに気をつけないといけないでしょう。

(4) 「あやしげ」に映るマクロビ効果
・手当て(里芋パスターでガンを治す、など)
・排出(宿便が出てくる、など)
これらも、経験しないうちは突飛なものに感じられます。

他に周囲状況としては以下のようなものもあるでしょう。

(5) 健康に関する情報の氾濫
今は健康ブームとでもいうべき状態にあり、健康法やダイエット法と称するものがやたらあります。それらの1つとしてとらえられるのは、あやしげに映る原因の1つになります。

いろいろ挙げましたが、これらはそのままこのブログのテーマになるものです。じっくり考察していきたいと思っています。

悪いものを食べたくなる理由は? (科学編)

2004-12-23 | マクロビを学ぶ
ブログ「マクロビという考え方」のQ&Aに便乗します。

■質問
甘いモノが体に悪いと分かっているのですが、欲しくてたまりません。なぜ人は自分に悪いモノを好きになるんですか?進化論的にもおかしいと思いませんか?

■「科学的な解答」の試み
人間は昔、今の日本のような食べ物がふんだんにある環境にはいませんでした。ですからエネルギー源として摂取できるものはとりあえず食べる必要がありました。「甘いものは体に悪い」「肉はあまり食べないようにしましょう」などという余裕はなかったし、逆に甘いものの摂りすぎで糖尿病になる心配もなかったのです。エネルギー源となるものを幅広く食べられる体を持った人々が生き残ってきたのでしょう。私たちの先祖です。

その頃から人間の体はさほど進化していません。「体に悪いものはほしがらない」という体内システムはまだできあがっていないのです。だから自分で気をつけて欲望を抑える必要があります。

さらに今は、昔は食べることのなかった食品、すなわち

(1) 遠い国でしか得られなかった食品
  日本人にとっての熱帯性果物・牛肉・豚肉など
(2) 合成・精製された食品
  白砂糖、精製塩、化学調味料など

を食べることができるようになりました。これらに対しては人体の進化が全くなされていず、体内システムの対応が特に未発達のため、「体に悪いのにほしくなる」という現象が特に起こりやすいと考えられます。

■補足
上記(1)(2)のような食品はマクロビでは極陽性または極陰性に分類され、中庸から大きく振れさせるものとして、できるだけ摂らないようにせよと説いています。

玄米正食をすることによって悪いものを食べたくなくなるのかどうか、つまり上で述べた体内システムが働くようになるのかどうかは私にはよくわかりません。そういう状態を経験してみないと本当にはわからないのかもしれません。

砂糖の周辺(2) 白砂糖はシロ?

2004-12-04 | マクロビを学ぶ
「砂糖は害ではない」と書かれているのは、例えば以下のページです。

(1) 砂糖健康学入門 (Science@Sugar)
(2) 優れた砂糖の効果を知って、食生活を豊かに! (農畜産業振興機構)

これらの中にある「砂糖はエネルギー源」とか「砂糖を食べると幸せな気分になる」という主張はあまり参考になりません。害があってはダメだからです。(2)には「1日50g程度なら問題がない」とあるのですが、それが正しいかどうかはともかく、50gというのは缶コーヒー(無糖や微糖でないもの)なら約2本で終わりです。

また、「日本での砂糖の消費量は年々減っているのに糖尿病患者や肥満は増えているのだから砂糖が原因ではない」という主張はあまりにも大ざっぱだと感じました。糖尿病や肥満の原因は他にもたくさんあるでしょうし、時間軸での考察も必要なんじゃないでしょうか。たとえば昔砂糖の消費量が増えた時の影響で今糖尿病が増えているのかもしれませんから。順序としては、どちらかというと現在は「糖尿病患者や肥満が増えたから砂糖の消費量が減っている」状態じゃないかと思うのです。

糖尿病との関係については、以下のように回答しているページも見つけました。

(3) 糖尿病のある人は砂糖を避けるべきですか? (On-line糖尿病ウォッチャー)

どうやら砂糖の摂取により血糖値のコントロールができなくなるかどうかについては諸説あるようです。

しかし砂糖は簡単に過剰摂取できる(たくさん食べてもなかなかいやにならない)ものであること、実際問題として日常口にするものに大量に含まれていること、依存性があることを考えると、できる限り摂らないように注意した方がいいでしょう。少なくとも実践的には限りなくクロに近いと言うべきだと思います。また何かわかったら書きます。

砂糖の周辺(1) 白砂糖はクロか

2004-11-30 | マクロビを学ぶ
いきなり重めのテーマです。何かわかるごとに書いていきます。

マクロビでは「三白三悪」の1つとして白砂糖は摂るなと言っています。ちなみに他の二白のうち1つは白米。3つ目は、マクロビでは化学調味料だと聞くことが多いのですが、他では白小麦とか白パンとか精製塩と書いてある文章も見かけます。

それはともかく、スーパーで加工食品の「原材料名」のところを見てみてください。とにかく何にでも砂糖が入っていると言っても過言ではありません。また、お菓子や飲み物に使われている量は尋常ではありません。「缶コーヒー1本には角砂糖7つ分の砂糖が入っている」と聞いてびっくりしたことがあります。

現代医学でも「糖分の摂りすぎに注意しましょう」とはよく言われますが、砂糖についていったいどう分析されているのか調べてみました。

砂糖の害についての解説はインターネット上にもたくさんありますが、以下のページがわかりやすいと思います。

特集「砂糖」 (風景の哲学を夢見て)

要するに、

・砂糖は二糖類であるショ糖を化学精製により分離したものであり、糖としての構造が単純である上に純度が高いので、腸での吸収が非常に速い
・そのため、砂糖を摂ると血糖値が急激に上がってインシュリンが大量に放出され、それを続けていくと糖尿病の原因になる
・また、インシュリンの大量放出は次に低血糖状態を招き、イライラやめまい、無気力などの症状を起こす
・加えて、砂糖の処理のために体内のビタミンB1やカルシウムを失ってしまう

というものです。人間の体は精製された砂糖を処理できるようには進化していないという言い方もできます。

ただし、「砂糖は害ではない」という意見も多くあります。それらは次回に。