ダーウィンに先立ち、火山噴火と地震の関連性を考察したのはアレキサンダー フォン フンボルトでした。
1799年、フンボルトはスペイン、アルハンブラの宮廷に、国王カルロス四世を尋ね、ベネズエラ行きの船に乗船許可を得て、南米へと旅立ちます。
時に、ナポレオン戦争のさなか、スペインの港は英海軍の艦艇によって封鎖。
嵐の隙を突いてのスリリングな旅立ちです。途中、海流について考察したり、大西洋上の火山島を訪れて、四十一日でベネズエラのクマナに着きます。
ここで中規模な地震に遭遇したフンボルトは、南北アメリカの地震と火山噴火の関連を考察し、後にこれらを整理して、年表にまとめています。
1796. 9.27 カリブ海 グアドループ島火山噴火 (クマナから、約700キロメートル北方)
1796. 12.14 ベネズエラ クマナ市地震で崩壊
1811. 5月 セント ヴィンセント島 火山活動開始
(1811. 12月-翌年1月 *北アメリカ セントルイス南部 ニューマドリッド付近に巨大地震.)
1812. 3.26. ベネズエラ カラカス市 地震で崩壊
1812. 4.30. セント ヴィンセント島 噴火 (カラカスから、約800キロメートル西方)
南北アメリカ大陸を挟んで、カリブ海の火山噴火と、地震の関連を考察するところは、
私たちの小さな島国とはいささか異なる、視野の広い考え方ですね。
フンボルトの著作は、ダーウィンの愛読書であり、ダーウィンが1835年にオソルノ火山の噴火と、チリ ヴァルビテ゛アの地震に遭遇した時の「 糧 」となっていたようです。
私たちも、火山の噴火、台風、洪水、大地震にただ、不安におののくのではなく、こうした自然災害を整理し、関連性や連動性を、考えて見ましょう。
日本では、火山学者は火山だけ、地震学者は地震だけを、歴史学者は人の歴史だけと、古代ローマや、近代ヨーロッパにもとる傾向もあり、その質も玉石混交の観があり、全体像をぼやけさせています。
-ご参考-
Alexander de Humboldt et A,Bonpland.『 新大陸赤道地方紀行 1799-1804年 』 (出版 1814年 原文は仏文) 岩波書店 2001(抄訳)
* 尚、1811年12月から、1812年1月の 北アメリカ ミシシッピー中部、ニューマドリッド付近の大地震は今日でも、アラスカを除く、北アメリカ史上最大の地震です。大河ミシシッピーは、流れを変え、今も巨大な湖水を残しています。
ご参考 拙ブログ
・ 地震と火山の連動性について C ダーウィンの『ビーグル号航海記』の白眉.
・火山噴火と地震の連動性を考える.その1.浅間山
・火山噴火と地震の連動性を考える.その2.東日本の火山と地震
・阪神淡路大震災から 12年
1799年、フンボルトはスペイン、アルハンブラの宮廷に、国王カルロス四世を尋ね、ベネズエラ行きの船に乗船許可を得て、南米へと旅立ちます。
時に、ナポレオン戦争のさなか、スペインの港は英海軍の艦艇によって封鎖。
嵐の隙を突いてのスリリングな旅立ちです。途中、海流について考察したり、大西洋上の火山島を訪れて、四十一日でベネズエラのクマナに着きます。
ここで中規模な地震に遭遇したフンボルトは、南北アメリカの地震と火山噴火の関連を考察し、後にこれらを整理して、年表にまとめています。
1796. 9.27 カリブ海 グアドループ島火山噴火 (クマナから、約700キロメートル北方)
1796. 12.14 ベネズエラ クマナ市地震で崩壊
1811. 5月 セント ヴィンセント島 火山活動開始
(1811. 12月-翌年1月 *北アメリカ セントルイス南部 ニューマドリッド付近に巨大地震.)
1812. 3.26. ベネズエラ カラカス市 地震で崩壊
1812. 4.30. セント ヴィンセント島 噴火 (カラカスから、約800キロメートル西方)
南北アメリカ大陸を挟んで、カリブ海の火山噴火と、地震の関連を考察するところは、
私たちの小さな島国とはいささか異なる、視野の広い考え方ですね。
フンボルトの著作は、ダーウィンの愛読書であり、ダーウィンが1835年にオソルノ火山の噴火と、チリ ヴァルビテ゛アの地震に遭遇した時の「 糧 」となっていたようです。
私たちも、火山の噴火、台風、洪水、大地震にただ、不安におののくのではなく、こうした自然災害を整理し、関連性や連動性を、考えて見ましょう。
日本では、火山学者は火山だけ、地震学者は地震だけを、歴史学者は人の歴史だけと、古代ローマや、近代ヨーロッパにもとる傾向もあり、その質も玉石混交の観があり、全体像をぼやけさせています。
-ご参考-
Alexander de Humboldt et A,Bonpland.『 新大陸赤道地方紀行 1799-1804年 』 (出版 1814年 原文は仏文) 岩波書店 2001(抄訳)
* 尚、1811年12月から、1812年1月の 北アメリカ ミシシッピー中部、ニューマドリッド付近の大地震は今日でも、アラスカを除く、北アメリカ史上最大の地震です。大河ミシシッピーは、流れを変え、今も巨大な湖水を残しています。
ご参考 拙ブログ
・ 地震と火山の連動性について C ダーウィンの『ビーグル号航海記』の白眉.
・火山噴火と地震の連動性を考える.その1.浅間山
・火山噴火と地震の連動性を考える.その2.東日本の火山と地震
・阪神淡路大震災から 12年
http://www.hkw.de/english/culture/1999/humboldt/kapitel5/route.html
著作
http://naturalhistory.mse.jhu.edu/ChronologicalTour/ChT_Humboldt.html
グアーループ島(仏領)(小アンチル諸島)の位置
http://www.guadeloupe-parcnational.com/pages/2_2.html
http://go.hrw.com/atlas/norm_htm/caribean.htm
グアーループ島の歴史http://www.antilles-info-tourisme.com/guadeloupe/histogb.htm
グアーループ島Soufrière火山http://volcano.ipgp.jussieu.fr:8080/guadeloupe/stationgua.html
http://www.guadeloupe-parcnational.com/pages/4_1_3.html
グーループ島の植生と、海洋生物
http://www.guadeloupe-parcnational.com/pages/4_1_2a.html
http://www.guadeloupe-grandculdesac.com/
セント ヴィンセント島の位置
http://go.hrw.com/atlas/norm_htm/caribean.htm
http://www.infoplease.com/atlas/country/saintvincentandthegrenadines.html
セント ヴィンセント島の火山
http://vulcan.wr.usgs.gov/Volcanoes/WestIndies/description_west_indies_volcanoes.html
南北アメリカの広大な地に立つと、そこが世界中につながっている様な気がしました。宇宙の中の地球。ここは地球という星の一部なんだという気がしました。
同じ地球上の様々な災害、たとえ大陸が違っても関連性がありそうです。
すみません、無知な人間が思ったままにつ綴ってみました。
リョウタロウ君も、ヨーロッパまで続く、広大な中国で育つのは、ラッキーだと思います。よいところを吸収させて下さい。
中国の人が、算術と商才にたけているのは、指数字を駆使するせいかも知れません。三歳までは、基礎的な脳神経が発達しますから、よく仕込んでくださいね((^^))。
http://www.metmuseum.org/toah/hd/popo/hd_popo.htm
また、ご存知のことと思いますが、磐梯山噴火記念館には岩手大学の手による「小磐梯復元模型」の展示もあります。
この先古写真が発見される可能性は低いと思われますが、そんな日が来ると良いですね。日ごと見上げている磐梯山ですが、いつ見ても美しい山なんです。
2004-12-25 00:21:15
年末のご多忙の処、大掛かりに調べて頂き、たいへん恐縮致しております。
当方、セントへレンズ山に参りました時、その荒涼とした崩壊の姿と、噴火前の優美の極みの姿との落差に、言い知れぬ落胆を覚えました。
さすれば、磐梯山の噴火前の姿は如何にと、思いを馳せておりました...。
時々、羽田からの空路、猪苗代湖と磐梯山を、実に程よい大きさで観察させて頂いております。
北海道便や、北東北への空路では、青い湖面に映える磐梯山の姿が、本当に素晴しく、空の旅の一大ハイライトです!
(他の山は、山の連なりで、今ひとつ際立ちません。)
空から見る磐梯山は、湖水と一対の、実に詩的な情景で、長くなだらかな,足曳きの裾野と、湖面の光を受けた、山の姿には本当に、ため息が出ます。(ハイライトとは、このことを言うくらいに、山が明るく見え、湖面には山が映ります。)
噴火前はもっときれいであったろうなぁと、いつも思うのです。
この度は、お知らせ、本当ににありがとうございました。渡辺さんのブログ、楽しみに拝見させていただきます。
どうか、これからも、お体にお気をつけて
ご活躍くださいませ。
う~ん、火山の噴火と地震は、同一のプレート境界面で発生する
関連した事象だってことか。
火山に動きの見える日本もそろそろ。。。。
扱ってるモノは同じよなもんなのに、分けたがる。
まとめて扱ったら、教授の席が減っちゃうからでしょ。(笑
もう、人間同士が争っている時期ではない、と思います。
一方、大陸の方は、スケール雄大ですね。
http://blog.goo.ne.jp/rgriggs1915/e/966edecfb9010a928f578b25a8eaa0b9
教授の席ですが、当地の「水文地理学」の教授は、「水は例外なく、高いところから
低いところに流れる!」という説を、今でもエンエンと説いております。年収千二百万!
アメリカは何をやってるんでしょうね。
いずれにせよ、それらの支援金や活動が最大限有効に活用されることだと思います。