炎と水の物語 2013 Apprehensio ad Ignis et Aquarius.

広大な宇宙を旅する地球。私たちは今、どの辺にいるのでしょう. 

地震と噴火の連動性.その3.

2005-04-14 | 日本列島の災害
スマトラ島で、巨大地震後、タラン火山が噴火し、地震、津波、噴火の連動性が、話題になっています。海上の地震と火山噴火の連動で、最も有名なのが、1703年 元禄十六年に、関東地方を襲った大地震さらに1707年の双子地震と、富士山の1707年、宝永四年の噴火でしょう。

この元禄の大地震は、大正12年の関東大震災を上回る規模で、大津波も、関東~伊豆半島に押し寄せ、死者数千人を出しました。

最近の例では、1962年の新潟焼山の噴火と、1964年の新潟地震・津波を、ご記憶の方も多い事と思います。
新潟市では、地震直後に製油所のタンクが爆発、漏れ出した油が津波で、地盤沈下地帯の住宅地へと流れ込み、さらに赤痢も発生しました。この時の津波は、秋田~山形~能登にも押し寄せ、漁業関係などに被害をもたらしました。

1983年の日本海中部沖地震・津波と、1974年の鳥海山の噴火、1977年~80年の有珠山の火山活動を指摘する声もあります。
この当時、秋田では、火山活動と地震の関連を指摘する声はおろか、「日本海に、津波は心配は殆どない。」とする報告書まで出版される有様でした。(『 秋田県地震対策基礎報告書 』1982年.関係者は後に逮捕/ 秋田ではこの災害後、人口流出率と自殺率が高まりました。)

東北地方では、地震や津波と火山活動の連動性は、古くから民間には知られていました。
かつて、松島と並び賞された羽後の国・象潟を、消滅させた1804年文化元年の地震・大津波と、1801年・享和元年の鳥海山の大噴火は、有名です。
この時の地震では、庄内~羽後に津波が押し寄せ、大きな被害を齎(もたら)し、詳細な記録が残っています。
尚、現在の鳥海山の山頂(2230m)は、この享和元年の噴出物が、そのピークを形造っています。

-参考- ☆地震と火山活動に関する古典的名著
Charles Darwinの記録した火山噴火と地震 ・『 ビーグル号航海記 』より
フンボルトの指摘する、火山噴火と地震の連動性

尚、すべての地震が、火山活動と連動しているわけでは、ありません・・。
☆拙ブログの参照記事
火山噴火と地震の連動性を考える.その1.浅間山.
火山噴火と地震の連動性を考える.その2.東日本の火山と地震
北海道 中央部の火山噴火史
阪神淡路大震災から12年

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8 コメント

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スマトラ島で続く災害が何を生み出すか? (T.Koji)
2005-04-16 11:31:00
はじめまして。TBありがとうございます。

やや話はズレますが、スマトラ島の地震と火山の関連性について、インドネシア大統領は「それぞれが科学的根拠を持って起こるのだ」として、人々の不安を抑えるのにやっきになっていますが、その一方で「ヤギを1000頭生贄に」と求める声も一部出始めているそうです。



ところで、1917年にバリ島南部で大地震があったのですが、前世紀末から続いた政治的・社会的混乱、そしてその大地震によってもたらされた大きな被害は、神々をないがしろにしていたせいだと人々が解釈し、そのことが、結果として今日「伝統文化」と目されるまでに至るバリの宗教、あるいは儀礼が再興・活性化されるきっかけとなったのだという議論があります。



アチェでは既に長いこと軍事活動が続いていますし、ここ数ヶ月の間にスマトラ島で打ち続いた自然災害が、人々にどのような解釈をもたらすのでしょうか?100年も前の話を持ち出して時代錯誤に思われるかもしれませんが、でもヤギの生贄を求める声などを聞くと、こんなことを連想しちゃいました。
貴重な問いかけです (yuiti(ここの主))
2005-04-16 12:05:22
T.Kojiさん コメント頂き、ありがとうございます。本当に、貴重な問いかけです。



>・・結果として今日「伝統文化」と目されるまでに至るバリの宗教、あるいは儀礼が再興・活性化されるきっかけとなったのだという議論があります。



インドネシアの伝統文化、本当に素晴らしいと思います。19世紀から20世紀初頭は、植民地経営が熾烈を極めた時代ですね。伝統的生活の破壊と、災害の関連に、地元の人々が気がついたこと、素晴らしい感性だと思います。

バリでは1963年にアグン山上の祭礼中、大噴火して、多くの人々が亡くなりました。

火山は、稲作と密接な関係にあり、バリの人々にとって、特別な存在なんですね。



アチェの問題は、本当に心が痛みます。力での弾圧には、反動が大きいのが歴史の常です。恐ろしいことですね。



生贄の話ですが、地元の人が、落ち着けるのであれば良いのですが・・・

(一部の宗教団体や業者が、お金目当てに騒いる可能性も・・。)

いずれにせよ、情報の欠如から来る不安を補う、古い時代からの民族の知恵でしょう。



テリマカシ。
TB、テレマカシ、バニャック、バニャック (FRANK LLOYD)
2005-04-17 00:01:45
U-1さん、

中国記事ばかり掲載している場合ではないのですが、

どうも始めると止まらないです。

12日のスマトラ島の火山噴火も心配ですねえ。

ちょっと中国はさておいて調べてみないと。

またのぞきにまいります。
作曲家の? (yuiti(U-1))
2005-04-17 00:55:23
Salamat datang ke ini burogu,Tuan FRANK LLOYD .

FRANK LLOYD さま ようこそ当ブログへ。

Sama Sama TB. TBどういたしまして

Tida apa apa orang China.

中国の人々のこといいじゃないですか。

Sama Sama ,ini kembali .お互い様ですから。恩返しですよ これは。
TBありがとうございます。 (taka@)
2005-04-17 21:05:06
地震+噴火、スマトラもまさしくこのパターンなんですね。

「言い伝え」は時間とともに薄らいでいき、再び災害を引き起こす。

大阪・大正橋たもとの石碑もほとんど知られていないようですし。。。

http://www.isad.or.jp/cgi-bin/hp/index.cgi?ac1=IB17&ac2=74fall&ac3=3003&Page=hpd_view



こちらのブログもまだまだ読んでいない記事がありますが、とても為になります。

今後も楽しみにしています。
天皇陛下 危うし!! (U-1)
2005-04-17 22:52:20
チリ沖や、アラスカ沖の海溝型の巨大地震には、火山噴火が伴う場合が多いようです。日本は必ずしも富士が噴火するわけではないみたい....。



天皇陛下が、よりにもよってサイパンをご訪問されると、報じられていました。

アナタハンの噴火規模は、かなり大きいので、地震の可能性も高まっています。向こうの観光に引っ張り出されたか?
DVI指数 (村人2)
2005-04-22 23:21:50
 地震と火山の関連面白く読ませていただきました



 ところで、このときのDIV指数(噴煙指数)はいくらかわかりますか?

 この指数と地震の関連性がでてくるのでしょか?



 ちょっとした疑問です
君子危ふきに近寄らず....... (U-1)
2005-04-23 14:36:41
村人2さん 初のお出ましありがとうございます。

すいません。カキコしたまま、いつもそのままで...。あちこち、回ってるうちに忘れてしまうんです(^^;;;



えーと、インドネシアのTalangの方は、VEI指数*(米スミソニアン)で、4月12日の噴火が、~1kmの高さまであがっていますから、Smallクラスの、8段階のうちの1でしょうか。

2001年にも噴火していますから、地震との連動というわけでもないでしょうね。その数日前の「グレイクラウド」が、

100m高ですので、やはり最低のクラス 1ってとこでしょう。



天皇陛下が、ご訪問予定のサイパン島の隣、アナタハン島の方は4月7~11日の噴火は噴煙が15.2kmまで上がっていますから、航空機の運行に支障を及ぼすレベル、VEI指数で4のLAGE. Qualitative Descriptionが、”Cataclysmic"とかなり危険なレヴェルのようです。 



http://volcano.und.nodak.edu/vwdocs/current_volcs/current.html



DIV指数の方は、参考書が手元にありませんの、で分かりません。私は、素人ですのでその点、ご了承ください。

何分、ネット上の情報というのは、かなりいい加減なものが多く、実物の参考書を元に書きました。

北大のHP で、「20世紀最大の噴火はセントへレンズの噴火である」なんてのもありました。

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