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利休の茶室日記

侘び寂びを求めて、何を思う

看取りを終えて

2008-04-13 | 高齢社会
4月12日(土)午前10時、ひとりの大切な命を看取った
老人ホームにおける看取りは、今は制度のひつとである

早朝から肩で呼吸をする、という報告を受けた
そう気づいた段階で、夜勤者はご家族に連絡を入れていた
「もうそろそろ」
という覚悟を持とう朝の申し送りで確認した

それから1時間も経たない間に、ご家族に看取られながら
私が信頼するスタッフたちがご家族様と一つの輪になって援助申し上げた命が旅立った

僭越ながら、静かで厳かな人生の終え方だったように思う

今日はまた3日前に旅立った方のお通夜に参列する

命を引き継いでいこう
高齢者福祉の仕事のミッションだと自分に言い聞かせる

素晴らしい仕事に恵まれたことに感謝です

見学対応で思う

2008-04-04 | 高齢社会
老人ホームには様々な方々が、それぞれの目的をもって見学に訪れる
見学者の高齢者福祉へのかかわり方や理解度も大きく異なる
利用希望者は生活相談員が対応、それ以外の見学者の話である

いつもできる限り丁寧に、かつ慎重に対応したいと思っている
なぜならば解釈の違いがあったり、誤解が生じたりするからだ

特に大人数で見学に来られる場合は難しい
その中のどなたに焦点を絞ってよいのか容易に判断がつかない
話をお聞きしているうちにキーマンがはっきりしてくるのだが
名刺交換をした際に、その肩書だけで見極められない
またご利用者のいるところへの見学には制限が生じる

見学者は見に来るのだが、実は見られている

見学者の構成メンバー
  「どういう組み合わせなんだ?? 目的はなんだ??」
見学のエチケット
  「おい待てよ!」
質問内容で
  「ふーん!」

などと心の中でつぶやきながら自分たちと比較。
自分の仕事を客観視できる面白い機会

私も見学の際には、良い子になろう



日暮里・舎人ライナーが開通

2008-04-03 | 高齢社会
長年の地域の夢がつながった
JR山の手線「日暮里」駅と東京都足立区の陸の孤島がつながった

昨日、はじめて乗ってみたが、その「近さ」に驚く
「遠い」、「近い」ということは変化する

開通前まではあまり変わらない地域は、開通後は飛躍的に変化する
都市開発の仕事にも携わったことのある私的経験解釈である


これから
人の行動の変化がもたらす、街の変化に注目してみよう

口腔介護リハビリ

2008-04-02 | 高齢社会
日本歯科大学のK先生と出会い、口腔介護リハビリを導入しながら「食べる能力」を学び始めた
「食べる」ために人間は様々な機能を駆使していることをあらためて知る機会となった

口で食べる
歯で噛む
顎を使って咀嚼する
眼で楽しむ
鼻で匂いを嗅ぐ
手で食べる
道具を使って食べる
食べるための姿勢を保持する
それら全てをつかさどる脳

今、口腔介護リハビリで学んでいるのは「飲み込む能力」
高齢期にはこの能力が衰え、誤嚥性肺炎のリスクが増大する

今日はその日本歯科大学病院の研究室にお邪魔した
数種類のかたさのおかゆ
ゼリー
ミキサー食
様々なとろみ食の試作
鼻から内視鏡を挿入し、様々な食材の飲み込みの状態を肉眼で確認する
どの食形態が適正かを確認してみる

歯科医師と管理栄養士、介護職、看護職、理学療法士などの他職種連携

こんな地道な試みが、明日の高齢者福祉を支えていくのだ
知らないことは怖いことだ
人生最終期を豊かに過ごしてもらうため、尊い命を守るため
この口腔介護リハビリの試みは高齢者福祉には絶対必要のことだと思う
しかしまだまだスタートラインの状況だという

またひとつ積み重ねていこうと思う


卒業式にお招きいただいて

2008-03-25 | 高齢社会
老人ホームと交流のある近所の小学校の卒業式に参列させていただいた
入場行進、卒業証書授与、あいさつ、歌・・・
一つひとつの子どものけなげな動きにウルウル

「涙もろくなった」と安易な表現はしたくない
多くのことに共感できる豊かな感情を持ち得る年になってきた
年相応に経験を重ねて
思いやる心も拡がり
様々な情景を思い浮かべることができるようになってきた

風水の観点で言えば、波動を共振できるようになってきたのだ
認知症ケアの観点で言えば、受容できる心の余裕が持てるようになったと解釈しよう

残念ながら「蛍の光」や「仰げば尊し」の歌は
今日の卒業式にはない
あればもっとウルウルなのだが
しかし定番なくとも補足するに十分な子どもたちの力に
乾杯!!
他人を思いやる人になろう!!
地域を大切にしよう!!
あなたたちの大好きな親が住む地域の
明日の高齢者福祉のためだからね

看取りについて思う

2008-03-19 | 高齢社会
3月15日から16日、全国ユニットケア実践者セミナーin神戸に参加

これまでのテーマは「ユニットケアとは?」
今回のテーマは「ユニットケアの実践報告」

実践報告テーマの多くは「ユニットケアと看取り」
時代は確実に進化している

老人ホームで看取りをしないと価値がない
そんな時代になってきていることを強く感じる

さて、以前勤めていた老人ホームの仲間から
私に会いたがっているお年寄りがいらっしゃるという連絡をいただいた
西明石駅でレンタカーを借り、数十Km離れた以前の老人ホームに向かった

夕方6時過ぎになったが数年ぶりの再会

これまでなら、一緒に外食ということになるのだが今回は違う
座り続けることもつらい、外出する体力がない、と静かに訴える
せめてホーム内でお茶をということで、私にお茶をいれてくださった
わたしのために用意してくださったという美味しい「よもぎ餅」
わたしの好きなものを覚えてくださっていて、さりげないもてなしもいただいた

再会のわずか30分、玄関まで見送っていただき、手を振ってくださる
あまり目も見えないのだ

「縁の継続」
これもわたしの中の「看取り」のひとつなのだろうかと
そう思いながら帰路の車中で再会をかみしめてみる

単に与えているのではなく、与えられる対象でいること
生かされているのはわたしの方だ

命の輪廻
あなたの「生」はわたしも引き継ぎます


再会した方々と

2008-03-18 | 高齢社会
以前勤めていた老人ホームを訪ねた

生活支援グループハウスの一部が小規模多機能型に変わっていたが
共に開設期を過ごしたご入居者が迎えてくださった
小さなリビングでお茶をしながら、開設当初の話に花が咲いた
うれしい再会
やはりそうだ、この方々も開設メンバーなのだ
共に新たな生活を初め、現在に誇りを持って生きていらっしゃる

出会いが新たな価値を創造している
素直に、うれしい

私が歩んだ道の確かな形

飲むヨーグルトの効用

2008-03-13 | 高齢社会
新郷村のヨーグルトをプレゼントされた
花粉症はおさまったか? 
これはまだ微妙だが、やはりおいしい

今回の飲むヨーグルトの効用は、「思いやり」を感じえたこと
花粉症を心配してくださった優しい方の心遣いに
感謝申し上げます



綺麗な心

2008-03-06 | 高齢社会
世の中の矛盾や不合理を受容できないと思う時がある
それは弱いからではなく 綺麗な心を持ち続けたいと願うからだ

しかしそれが分かりにくい社会が存在し
批判や嘲笑の対象とされることが少なくない

傷ついている人がたくさんいる

認知症のご老人は
綺麗な心で寄り添えば
時には傷ついた心を癒してくれる尊い人

やるべきこと

2008-03-05 | 高齢社会
人事異動を考える時期

自分がやりたいことより、自分がやるべきこと
使命感

ただみんなはやりたいことを主張するのだ

自分に与えられたミッションを達成したときの喜びは格別だ
自分のためではなく、人のため
人のために尽くすことは生きがいにつながる

自分の夢は単なる自己主張でけではなく、思いやりのあるものでありたい
組織のため、人のため、地域のため、困っているひとのため・・・

自分がやるべきことに気がつかないことは不幸なことかもしれない

選んだ道そのものが大切なことではないだと自分に言い聞かせる
その道で様々な出会いを得て、どう影響を受けて行動するか
仕事における「やりがい」の原点だと思う