「ブンナよ、木からおりてこい」水上勉原著から
水ぬるむ 春 大きなしいの木の下に
小さな池がありました
池には たくさんのカエルの子どもたちが
なかよく暮らしています
木登りが得意なカエルのブンナは
ある日高いしいの木のてっぺんまで
登ることにしました
木の上はとても広くて 土もあり草も
生えていました
遠くの景色がとても美しく
すばらしいながめでした
しかし この木の上はおそろしいトンビの巣でした
トンビにつかまり運ばれてくる 傷ついた
スズメ モズ ネズミ ヘビ…
誰もが生きるために必死でした
自分一人が助かるために苦しみ 悲しみ
憎しみ 叫び… 木の上では いろいろな
できごとがありました
ブンナは助けあって生きることが
どんなに大切なことかわかりました
秋がすぎ冬がすぎ 春になってブンナは
しいの木からおりてきました…
水上勉さんの本から学んだことがいくつかあります
自然との対話
昔は多くの人が
自然の中で
自然とたくさん対話していたんでしょうね
情報の発達は
自然との対話を後退させたのかもしれない
自然と対話する感性をもう一度取り戻そう
子供のときのように。