NRIとSCSKは「1兆円企業」になれるか、躍動する準大手SIerに立ちはだかる2つの壁 2023-07-14 00:41:41 | AI・IT・ソフトウェア・サイバーセキュリティ・メタバース・NFT・ゲーム、 準大手5社の主な経営統合の歴史 (出所:日経クロステック) 国内のIT業界が大きな転機を迎えている。2000年代後半に当時の売り上げ規模で「3000億円クラブ」と呼ばれたSIer(システムインテグレーター)の企業群が売上高1兆円を目指して動き始めた。 野村総合研究所(NRI)とSCSKは2030年までの長期ビジョンの中で売上高(売上収益)1兆円の達成をうたった。NRIは既に2024年3月期で売上収益7200億円を予想しており、1兆円の実現に向けて着実に収益を拡大している。 売り上げ規模は20年前の2倍や3倍に 国内でシステム構築を手掛けるSIerは大きく2つに分類される。自社製のハードウエアを持つNEC、富士通、日立製作所などのメーカー系と、ハードを持たないシステム構築の専業企業だ。メーカー系はシステム構築以外の事業も手掛け、企業規模も大きいことからSI専業企業とは区別されてきた。 ハードを持たないSI専業の中で、群を抜いて企業規模が大きいのがNTTデータである。同社は国内外の企業買収により、売上高が2007年3月期(日本基準)に1兆円を突破。直近ではNTTグループの海外事業を統合し、2024年3月期(国際会計基準)に4兆1000億円を見込む。3兆8600億円を予想する富士通を上回り、国内トップのSIerに躍り出る見通しだ。 NTTデータに次ぐ規模のSIerがNRIや伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)、TIS、SCSKである。BIPROGYはメーカー系だが、今では自社製ハードにこだわらないシステム構築サービスを手掛け、SI専業の企業群に含まれることが多い。 これらの準大手5社は、2007年ごろから3000億円クラブと呼ばれるようになった。この時期、売上高が3000億円になるようなM&A(合併・買収)が相次いだためだ。CTC(当時は伊藤忠テクノサイエンス)は旧CRCソリューションズと2006年10月に合併し、TISはインテックホールディングスと2008年4月に経営統合した。2011年10月には旧住商情報システムが旧CSKを吸収合併し、SCSKが誕生している。 2003年3月期と2023年3月期の業績比較による企業規模の変化 (出所:各社の決算資料を基に日経クロステック作成) 3000億円クラブの企業群も今となっては売上高5000億円を超す企業が出始めた。2023年3月期の売上高を見ると前述のNRIに加え、CTCが5709億円、TISが5084億円と5000億円を超えた。20年前(2003年3月期)に比べると、売り上げ規模はNRIで約3倍、TISも約2倍(旧インテックホールディングスとの単純合算で比較)の水準である。 2030年に「1兆円クラブ」の誕生も 各社が拡大を続けている理由はM&Aもあるが、業界自体が成長しているためだ。総務省の「令和3年度ICTの経済分析に関する調査」によれば、2020年の民間企業における情報化投資額は15.2兆円。20年前(2000年)の10.5兆円から45%増えた。ITバブルの崩壊やリーマン・ショックで減少した時期はあったものの、おおむね右肩上がりで推移している。 この拡大傾向は今後も続きそうだ。理由の1つが、企業の旺盛なDX(デジタル変革)需要である。「2025年に向けて地政学リスクや金融の情勢変化で経済環境は不透明感が続くが、DX需要は依然続くだろう」と、NRIの此本臣吾会長兼社長は話す。 企業が抱えるDXのテーマは幅広い。ERP(統合基幹業務システム)を含む基幹系システムのクラウド化や、新型コロナウイルス禍で浮き彫りになった非効率な業務プロセスの刷新、オンラインを主軸に置いた顧客接点の強化などだ。業種・業態を問わず、バックエンドからフロントエンドの業務までデジタル化の対象となっている。さらには生成AI(人工知能)を自社のビジネスにどう結びつけるかといった話題も出てきた。 こうした事業環境を背景に、SIerは増収増益の成長戦略を描く。1兆円の目標を掲げるのはNRIとSCSKの2社だが、他の企業にも可能性はある。BIPROGYは以前から売り上げ規模より利益率を重視する経営方針だが、DX需要が続く限り、数社が売上高1兆円近辺で並ぶ「1兆円クラブ」の誕生も決して絵空事ではない。CTCとTIS、BIPROGYは2024年3月期が中期経営計画の最終年度となっており、次の中計でどのような数値目標を打ち出してくるかに注目が集まる。 人材不足と事業モデルの転換が課題 好調を続ける各社に共通する悩みがある。1つ目の壁は人材不足だ。新卒も中途も人材の獲得競争は激化の一途をたどっている。なぜ人材が必要なのか。顧客1社ごとに別々のシステムを構築する従来型の事業モデルでは、各プロジェクトに動員できる技術者の頭数が売り上げの上限を決めていたからだ。動員できる社員やパートナー企業が出払ってしまえば、それ以上受注できなくなる。 人材不足が叫ばれる今、旧態依然とした事業モデルを継続していくことは得策でない。人材の採用と教育、維持にかかるコストは以前にもまして増加している。現在は売上高の伸びでコスト増を吸収しているが、いずれ限界はやってくる。「事業分野や事業モデルの再構築による自己変革が求められている」と、SCSKの当麻隆昭執行役員社長は現状をこう分析する。 各社が目指すのはクラウドに代表されるサービス型への事業モデルの転換だ。1つのシステムやプラットフォームを複数のユーザー企業に提供する。システム構築による対価ではなく、利用料で収益を得る事業モデルである。技術者の人数にとらわれず、顧客を増やしながら事業を拡大できる。 同様の事業モデルは以前からNTTデータやNRIが「共同利用型システム」として手掛けてきた。外資系のクラウド事業者が世界的に展開する事業モデルでもある。準大手のSIerもいよいよサービス型に転換しようとしているわけだ。 ただし、事業モデルの転換は容易ではない。既存事業が好調だからだ。これが2つ目の壁になる。個別システムの構築需要がある今、既存事業にどうしても人材を振り向けざるを得ない。最も収益の出る領域にヒトやカネを振り向けるのは経営の鉄則である。 各社は「既存事業の最大化」と「事業モデルの転換」の両立に苦心している。いかにして両方をバランスよく実現できるか。売上高1兆円へ向け、新たなステージでの戦いが始まった。 日経記事 2023.07.13 より引用 AI・ビッグデータ、ベイズ統計学、故障予知、そしてアジャイル開発https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/8f91cdd777cf816a5f42063cf4355487 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー SLer(System Integrator : システムインテクレーター)とは、お客様の要望を聞いて、それを可決するシステムをハードウェア、ソフトウェアの観点からシステム化する、成長著しい花形の職業です。 必ずしも自分でハードウェア開発、ソフトウェア開発する必要はなく、それを専門としている企業とコラボして入手できれば良いので、文系の片でも、お客様の要望を聞いて利器できる人であればできます。 ですからIT企業も、必ず心理系ばかりを採用しているわけで社ありません。 しかしながら、自分でAIの開発ができる人なら最強です。 よって、AIやITの技術者がSLerになっているケースも多くあります。 Slerとは、“エスアイアー”や“エスアイヤー”と呼ばれるSystemIntegrator(システムインテグレーション)業務を担当している企業です。 つまり、システムの構築や導入など、システム開発のすべてを請け負っている企業のことを指します。 Slerは、よく言われる商社や不動産や銀行などと同様に業界の一つの名称です。 Slerは、一般企業はもちろんのこと官公庁などのシステムの構築から運用などをサポートする業務を行っています。企業規模には関係なく、システム開発に関わる企業を総称してSlerと呼んでいますが、企業の規模が大きい場合には、独自でシステム開発を行っているケース、下請けの会社にシステムの構築などを発注しているケースもあり、同じSler業界の企業でも業務内容には大きく差があります。 システムインテグレーションを行っている企業はクライアントのためにシステムに関わる全てのことを請け負うことができるため、IT化が進む現代社会において、ITに関するノウハウが無い企業などから必要とされ、今後も活躍し続けていく業界の一つと言えます。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー哲学・宗教・思想 ここまでの投稿記事一覧https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/7da98797504886d8b9eaa2e5936655e6ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーロスチャイルド財閥 今まで投稿してきた記事リスト (1/3)https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/1f87a836a42cfdcf5bc18c8a5e212fe5ロスチャイルド財閥 今まで投稿してきた記事リスト (2/3)https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/40a30f12de3651f13810a90405370238ロスチャイルド財閥 今まで投稿してきた記事リスト (3/3)https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/47e334f8ba710639aefdcc8d7824f9fa ロスチャイルド財閥-163 ロスチャイルド財閥について今まで投稿してきた記事一覧https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/fedeabe97fbe342e880f7195d00dabecーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー世界の財閥 ここまでの投稿記事リストhttps://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/14d30c37bfae00d834c78d49da070029日本の財閥 ここまでの投稿記事リスト https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/6958fc72746302160416dd6dad039f68ゴールドマン・サックス ここまでの投稿記事リストhttps://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/0b4c5b8ba383a38e0af1df7b1a477ea3Black Rock ここまでの投稿記事リストhttps://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/93ef8de49c1ff9039ce7446f1f3fb0e8ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー #SIer、NRI、SCSK、1兆円企業、 « でかしたぞ岸田首相、EU、日... | トップ | 人類のアヘン生産の歴史 »
1 コメント コメント日が 古い順 | 新しい順 安来製鉄国土の女神 (グローバルサムライ) 2024-03-12 13:03:06 最近はChatGPTや生成AI等で人工知能の普及がアルゴリズム革命の衝撃といってブームとなっていますよね。ニュートンやアインシュタインの理論駆動型を打ち壊して、データ駆動型の世界を切り開いているという。当然ながらこのアルゴリズムは人間の思考を模擬するのだがら、当然哲学にも影響を与えるし、中国の文化大革命のようなイデオロギーにも影響を及ぼす。さらにはこの人工知能にはブラックボックス問題という数学的に分解してもなぜそうなったのか分からないという問題が存在している。そんな中、単純な問題であれば分解できるとした「材料物理数学再武装」というものが以前より脚光を浴びてきた。これは非線形関数の造形方法とはどういうことかという問題を大局的にとらえ、たとえば経済学で主張されている国富論の神の見えざる手というものが2つの関数の結合を行う行為で、関数接合論と呼ばれ、それの高次的状態がニューラルネットワークをはじめとするAI研究の最前線につながっているとするものだ。この関数接合論は経営学ではKPI競合モデルとも呼ばれ、様々な分野へその思想が波及してきている。この新たな科学哲学の胎動は「哲学」だけあってあらゆるものの根本を揺さぶり始めている。ひるがえって考えてみると日本らしさというか多神教的な魂の根源に関わるような話にも思える。 返信する 規約違反等の連絡 コメントを投稿 ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。 goo blogにログインしてコメントを投稿すると、コメントに対する返信があった場合に通知が届きます。 ※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます 名前 タイトル URL ※名前とURLを記憶する コメント ※絵文字はJavaScriptが有効な環境でのみご利用いただけます。 ▼ 絵文字を表示 携帯絵文字 リスト1 リスト2 リスト3 リスト4 リスト5 ユーザー作品 ▲ 閉じる コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。 コメント利用規約に同意する 数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。 コメントを投稿する