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NVIDIA2〜4月売上高3.6倍 AI半導体「1強」予想上回る

2024-05-23 12:34:53 | エレクトロニクス・自動車・通信・半導体・電子部品・素材産業


エヌビディアは5〜7月期についても市場予想を上回る売上高見通しを示した(ジェンスン・ファンCEO)

 

【シリコンバレー=山田遼太郎】

米半導体大手エヌビディアが22日発表した2024年2〜4月期決算は純利益が前年同期と比べ7.3倍の148億8100万ドル(約2兆3300億円)、売上高が同3.6倍の260億4400万ドルだった。

市場予想を上回り、人工知能(AI)向け半導体の需要の強さを示した。日米などの株式市場で半導体関連銘柄の押し上げ要因になりそうだ。

 


市場予想は24年2〜4月期の売上高が246億ドル前後、純利益が約131億ドルだった。

エヌビディアは5〜7月期の売上高見通しを280億ドル前後と示した。これも266億ドル程度と見込んでいた市場予想を上回る。

 

決算発表後、22日の米株式市場の時間外取引でエヌビディア株は同日終値から一時7%上昇する場面があった。

エヌビディアの主力製品は複雑なデータの並列処理が得意な画像処理半導体(GPU)だ。「Chat(チャット)GPT」など生成AIの開発に必要な大量のデータ処理に、データセンターのGPUを使う。

 

データセンター部門の売上高は前年同期比5.3倍の225億6300万ドルだった。

IT(情報技術)企業がAI向け半導体の購入を増やし、先端品「H100」などの販売が増えた。同部門は売上高全体の87%を占め、業績拡大をけん引した。

 

 

同日、6月に1株を10株に分割することを発表した。

6月6日の取引終了時点のエヌビディア株保有者は7日の取引終了後に1株につき追加で9株を受け取る。分割後の株式の取引は10日に開始する。最低投資金額を引き下げ投資家層を拡大する。四半期配当も0.04ドル(分割前ベース)から0.1ドル(同)と2.5倍に増やす。

 

英調査会社オムディアによるとエヌビディアはデータセンター向けのAI半導体で23年に約8割のシェアを持つ。

マイクロソフトや米グーグルはAI開発を速めるためデータセンター投資を増やしている。世界のIT企業がエヌビディアのGPUを求め、需給は逼迫している。

 

アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)や米インテルが競合製品を投入し、テック大手は半導体の内製化を急いでいる。ただ今のところ代替品は限られ、エヌビディアに恩恵が集中しやすい。

自社は開発に特化し生産を台湾積体電路製造(TSMC)に委託するため利益率も高い。AI半導体での「1強状態」を反映し、2〜4月期の売上高営業利益率は65%と、前年同期(30%)の2倍になった。

 

エヌビディアのジェンスン・ファン最高経営責任者(CEO)は22日の決算電話会見で「データセンター向けGPUの需要は驚異的だ。

(新製品への)移行に伴い、当面は需要が供給を上回る」と述べた。5〜7月期以降に既存製品より性能を高めたAI半導体の出荷を進める。

 

米政府が先端半導体の輸出を規制する中国について「過去に比べて事業のレベルが大きく低下し、競争がより激しくなっている」と説明した。同社は中国でのデータセンター向けの売上高が23年に発動した規制により大幅に減ったとしている。

2〜4月期のゲーム部門の売上高は前年同期比18%増の26億4700万ドル、自動運転向け半導体などの自動車部門は11%増の3億2900万ドルだった。

 

生成AIブームで同社の株価はこの1年で3倍に膨らんだ。時価総額は2兆ドルを超え、米企業でマイクロソフトとアップルに次ぐ3番手につける。

アルファベットやアマゾン・ドット・コムを上回る。22日の決算発表をうけ、同日の時間外取引では株価は一時1000ドルを超え、3月上旬につけた最高値を上回っている。

 

2月の決算発表時はエヌビディアの好調ぶりが東京エレクトロンアドバンテストなど日本の半導体関連銘柄の買いを誘い、日経平均株価は過去最高値を更新した。日米などの株式市場に与える影響も大きくなっている。

 

 

※掲載される投稿は投稿者個人の見解であり、日本経済新聞社の見解ではありません。

 

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山崎俊彦
東京大学 大学院情報理工学系研究科  教授

ひとこと解説

他のAIチップがなぜ台頭してこないのかとお思いかもしれませんが、チップがあるだけではだめで、プログラミング環境の提供・整備も重要です。

NVIDIAはGPGPUの可能性にいち早く気づいてそれを行いました。

さらにはAIを1から作ることはそこまで多くなく、Githubなどで公開されているモデルを基にしてその先を作ります。

これまで書かれているコードはNVIDIA用のコード。となると、どうしても一極集中が起こりやすい構造となります。

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南川明
インフォーマインテリジェンス シニアコンサルティングディレクタ

ひとこと解説

これだけ業績が良いのに株価は7%程度の上昇に留まっているようで、株価を予想するのは大変だと感じます。

次のB200はH100比で最大30倍高速、電力消費も1/25と桁違いに良いと発表されており、一時的な買い控えが予想されているようです。

生成AIの学習のためのデータセンター投資は25年までは継続しそうですので、そこまではnVIDIAの業績は拡大を続けると思いますが、株価は違う動きをするのでしょう。

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滝田洋一
日本経済新聞社 客員編集委員

ひとこと解説

①がっくりでなかった半面、びっくりもいまひとつ。

売上高が3.6倍というのに、そんな雰囲気の決算でした。

直前まで下落していたS&P500先物が持ち直し、日経平均先物も上昇。それでも株式市場全体が興奮に包まれた2月の決算発表ほどのことはありません。

 

②NVIDIAに対して、もともとの市場の期待が高くなり過ぎ、ポジティブ・サプライズが起きにくくなっている。

今日は良かったものの、反対に期待を下回ったら反動も大きい。

③しかもその銘柄が株式市場全体の流れを左右しているのですから、いささか悩ましい。NVIDIA株との連動性を強めてきた日本株にとっては、特にそんな存在かもしれません。

 (更新)
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蛯原健
リブライトパートナーズ 代表パートナー

ひとこと解説

時価総額1位マイクロソフトと4位アルファベットはインド出身、3位のここエヌビディアは台湾出身と、上から4社はApple以外全てアジア出身のCEOが経営しているという事もまた時代を象徴しているかもしれません。

ちなみにAMDの女性CEOリサ・スーも台湾生まれでエヌビディア、ジェンスン・ファンの縁戚。

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日経記事2024.05.23より引用
 
 
 
 

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