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5月の訪日外国人、3カ月連続300万人超え 人手不足課題

2024-06-20 17:42:46 | 日本経済・金融・給料・年金制度


帝国ホテルは賃上げで優秀な人材の確保を目指す

 

日本政府観光局(JNTO)は19日、5月の訪日客数が304万100人だったと発表した。

3カ月連続で300万人台だった。訪日客の急増に伴い、宿泊業では人手不足が続く。帝国ホテルが7%の賃上げに踏み切るなど、優秀な人材の確保や省人化投資を急ぐ。

 

新型コロナウイルス禍前の2019年5月と比べて9.6%増えた。4月の4.0%増から伸びが拡大した。

23年5月と比べると60.1%プラスとなった。実数では3月の308万1781人、4月の304万2900人には届かなかった。

 

国・地域別でみると米国や韓国、シンガポールなどからの訪日客が増えて全体を押し上げた。韓国ではチャーター便を含む地方空港への増便が寄与した。主要なマーケット23カ国・地域のうち19カ国・地域が5月として過去最高を更新した。

訪日客の「数」だけでなく「質」も高まっている。政府が18日閣議決定した観光白書によると観光・レジャー目的の訪日客の1人当たりの消費単価は23年に19年比31%増加した。平均宿泊日数も19年の6.2泊から23年は6.9泊に拡大した。

 

他方、訪日客の急増は地元住民の生活に影響が出るオーバーツーリズムの深刻化を招いた。ホテルや旅館などの宿泊業では人手不足も加速している。

日銀が4月に発表した全国企業短期経済観測調査(短観)で雇用人材が「過剰」と答えた企業の割合から「不足」の割合を引いた雇用人員判断指数(DI)は、宿泊・飲食サービス業がマイナス70となり、全産業(マイナス36)に比べ大幅な人手不足にある。

 

優秀な人材の確保のためホテル各社では賃金改善が相次ぐ。帝国ホテルは24年の春季労使交渉でベースアップ(ベア)と定期昇給で平均7%の賃上げを実施した。

賃上げ率は40年ぶりの高水準で、ベア率は組合要求を上回る5.47%だった。

 

ホテル椿山荘東京(東京・文京)やワシントンホテルを運営する藤田観光、西武・プリンスホテルズワールドワイドも賃上げした。

ナウキャスト(東京・千代田)が集計した求人サイトのデータを基にしたパート・アルバイトの平均募集時給では、宿泊業は19年6月には飲食業や販売業を下回っていたが、24年6月は上回った。

 

観光庁によるとホテルや旅館の客室の稼働率は4月が全国で57.3%だった。19年同月と比べると7.7ポイント低い。需要はあるものの、人手が足りず稼働率を高めることができない状況にある。

みずほリサーチ&テクノロジーズの坂中弥生氏は「各社は訪日客向けに注力するなど単価を高めて、限りある客室で収益拡大を進めている」と指摘する。総務省の消費者物価指数によると、4月の全国の宿泊料は19年同月に比べ約1.3倍になった。

 

今後も訪日客は緩やかに増えることが見込まれる。他方、女性や高齢者の労働参加率の上昇は限界に達しつつある。

働く人が増えることによる人手不足の解消は見込みづらい。宿泊業では省人化のための設備投資が重要性を増す。

 

西武・プリンスホテルズワールドワイドでは省人化を進めた「プリンススマートイン」ブランドを展開する。18日には9店舗目が開業した。

日本語を含む5言語に対応した多言語自動チェックイン機やスマートフォンを使ったルームキーを活用する。

 



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