月は東に

Get Out Of That Rut & Savor Life

『理心流異聞』 司馬遼太郎

2005-06-15 23:07:58 | Bookshelf
買うだけ買って平積みになってる本が何冊もあるというのに、本棚の整理をしていて、むかーし読んだ本を「懐かしー」と思って手に取ったが最後、1冊読んでしまう。
ってことよくありますよね……………私だけか


で、読んでしまったのがこれ。
アームストロング砲

講談社

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幕末を描いた9つの短編を収録。
そのうち新選組が“動いて”出てくるのが、『薩摩浄福寺党』『壬生狂言の夜』『理心流異聞』の3つ。

『壬生狂言の夜』については以前書いたので割愛。(このとき手にとったのは『果心居士の幻術』という短編集。これにも『壬生狂言の夜』が収録されている)

『薩摩浄福寺党』は新選組ももてあました薩摩藩士肝付又助の話。土方がこの男を殺す方法を苦慮する。しかし薩長同盟が幕府・会津藩の知るところなり、会津と薩摩の間柄の変化によって肝付の運命も決まるが……。

『理心流異聞』は沖田総司が主人公。
多摩時代に天然理心流と松月派柳剛流の縄張り争いの中で、初めて真剣で立ちあう総司が描かれている。この柳剛流との対決の後、彼はしばらく姿を消すが、消していた間の彼の行動が、京で新選組結成後、偶然にも役に立つことになる。

短編でありながら、9編の内、ほとんどがマイナーな主人公の性格付けが際立っていて、物語も勤皇・佐幕・倒幕入り乱れ躍動感あふれてます。幕末好きなら見逃せない1冊ではないでしょうか(司馬が嫌いだったらしょうがないけどね)
『理心流異聞』はメジャーな沖田総司が主人公にもかかわらず、9編の中では一番面白くないかも
メジャーにもかかわらずというより、メジャーだからかな。他の作品は主人公がマイナー(架空の人物含む)なので、新鮮味という点で一歩リードしている感じがします。

新選組関連ということで3編だけピックアップしたけど、他の6編の方がお勧め
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2 コメント

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シンクロニシティー! (青空百景)
2005-06-16 09:34:32
こんにちは!

うわー、偶然とは面白いものですね……

やっぱりこの本を、なぜかいまさら読み返してしまったところでした。

「新選組!」以来、幕末物を読むと、「組!」キャストで登場人物を想像してしまう変な癖がついてしまいました。会津中将容保公が出てくると、筒井道隆さんの声で台詞を思い浮かべてしまうわけです。この本でも、「薩摩浄福寺党」で肝付又助の部屋にずかずか入ってきた土方歳三は、私の脳内では山本耕史さんの顔と声でした(笑)。
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るいとも? (水無月)
2005-06-16 16:20:13
青空百景さんこんにちは。

気が合いますねー(笑)

私も幕末モノ脳内キャスティングは『組!』から、足抜けできません

土方は作品によっては村上弘明だったり役所広司だったり(映像の力って強いな)するんですが、他はもうそのまんま。「王城の護衛者」を読み直したときは、もう福助さんと筒井君以外ありえませんでした。

「薩摩浄福寺党」の土方は耕史君でいけますね
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