月は東に

Get Out Of That Rut & Savor Life

『フォー・ユア・プレジャー』 柴田よしき

2005-04-02 22:00:11 | Bookshelf
“ハードボイルドにキメたいけど中々キメれない”無認可保育園園長兼私立探偵のハナちゃん。
彼が主人公の探偵物語の第2弾『フォー・ユア・プレジャー』のお話をちょっと。

私がこの作品の著者、柴田よしきにハマったきっかけが、
3/20の記事に書いてあるので、面倒でなければ目を通していただいた方が
以下の文が解りやすいかも…。

第1弾『フォー・ディア・ライフ』は殆どの登場人物が、何かと戦っている印象が強かった。
自分達に突きつけられる非情な現実に立ち向かい、
自分達でなんとかしようと必死な人たちの思いや行動に、不覚にも涙した。
『フォー・ユア・プレジャー』はちょっと違う。
登場人物が、ちょっと困ったちゃんばかりで、
その困ったちゃんのおかげで、ハナちゃんの最も大切な人が巻き込まれてしまう。
そして愛に生きる(笑)ハナちゃんの大活躍が繰り広げられる。
前回は人物の絡みが細かくテーマも奥行きがあり、考えさせられる部分が多かった。
今回はちょっとソフトでユーモラスな部分もあって、前回より迫力に欠けるけど
絶対に続きが読みたくなることうけあい。
傷ついても傷ついても戦い続けて、生き方がホントに不器用なハナちゃんが
すんごいかっこいいです。

が、ハナちゃんシリーズのマイベストキャラはハナちゃんではなく
ハナちゃんにとんでもない仕事をくれる、城島探偵事務所の城島耕助。
windowheadさんごめんなさい
エロエロ中年でケチでちょっと髪がやばいけど、実に頭の切れる優秀な探偵。
なんだかんだいいながらも、ハナちゃんを助けてくれる。
今回ある場面で、城島がハナちゃんに「お弁当」を渡す。 
でもそれは実は………ってくだりでエロ中年に惚れてしまいました

柴田よしきの3作品に共通して登場するキャラのひとりに“山内練”がいる。
これを山本耕史で、というひいずさんwindowheadさんに共感したが(3/20の記事参照)
こいつ、ひとことで言うなら“天使の顔した悪魔”、
和風に表現するなら“外面如菩薩、内心如夜叉”。
ハナちゃんシリーズ以外の2作品を読んでる途中だけど、
彼にハマったら最後、まともな人生棒に振るか、死ぬかの
二者択一しかないような気がする。

この悪魔にどうもハナちゃんが見込まれてしまったらしい一節がある。
山内練は、今にも暗く寂しい底なし沼に落ちそうなやばいキャラなんだけど、
それを止めているのは、もしかしたらハナちゃんなのかも。
(もちろんハナちゃんは露ほどもそんなこと思ってませんが)


興味がある方はこちらを覘いてみては。
ハードボイルドはちょっと……という方でも充分に楽しめると思います。
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2 コメント

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Unknown (windowhead)
2005-04-05 10:23:07
ウエストコーストからおはよう!です。

またここにハナチャンシリーズに嵌った人を発見!

城島耕助って、なかなか渋い目の付け所。ドラマには絶対に必要な存在ですよね。事件の中心にはからまないけど、主人公を影で支えたり、主人公のプライベートなもう1つの顔を引き出すための存在。

飛躍しますが、今度の木10「恋に落ちたら」の山本耕史氏の役がそんな位置づけですよね。

城嶋耕助同様、このポジションを演じる山本氏の演技に注目しています。

ハナチャンシリーズを続けてもらうように、柴田よしきさんに、ファンレターでも出そうかなんて考えたりするんですよ。

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windowheadさんこんばんは (水無月)
2005-04-07 02:08:45
コメントありがとうございます。

私、主人公より脇に目がいっちゃう癖がありまして…。

実は百々井組の菅原さんも好きだったりします。

2冊ともほんのちょっとしか出てこないんですけど

妙に気に入ってます。



木10待ち遠しいですよね。

TVには出なくていいと思いつつ、やっぱり目に映る機会が

あると嬉しいのは否めません。



ハナちゃんシリーズも待ち遠しいんですけど

出す予定あるんですかねー。
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