5日目
[ 餌やり、保温 ]に注意をはらってきましたが、
野生の世界にチュンコを送り出すには、外界に慣らさなければなりません。
巣箱をホットカーペットの上から、網戸のそばに持っていきました。
チュンコは庭に来る雀たちに、 チュン、チュンと大声で答えています。
初めの頃、 チッ、 チッと鳴いていた声も、いつの間にかチュン、チュンと聞こえます。
その時、
一羽の丸々と太った雀が網戸にぶつかるように飛んできました。
網戸にしがみつき、盛んにチュンコに近づこうとします。
段ボールの中をのぞきこむように、上にいったり、下にいったり、
その姿は必死でした。
親かもしれない、親だ!
あわてて巣箱をエアコンの室外機の上に置きました。
すずめは、巣箱の中に出入りをくりかえしていましたが、しばらくして虫をつるさげて、
飛んできました。チュンコに餌を運んできたのです。
感動でした!
チュンコの様子はどんなだったでしょうか ・・・物陰からは見ることが、
できませんでした。
親の愛は深く、今までどんなにチュンコを探していたかと思うとせつなく、
私たちの助けたんだ・・・という思いは、 実は間違った介入で思い上がりでは
なかったか・・・
胸が痛みました。
物陰で様子を見ていたとき、 黒いものが動きました。
「わ~ 」・・・私の大声に、猫が跳び上がって、逃げていきました。
危うく襲われそうになったチュンコを、あわてて家の中に抱えこみました。
チュンコと親の触れ合いは、 猫によって中断されてしまいました。
感動の瞬間でした。
親鳥は 自分の子どもの顔を覚えているんですねぇ 驚きました