かたつむりのように

のんびり、ゆっくり、ゆっくり、・・・歩いていこう
時には アンテナをたてて・・・

小さくなってしまった友人を抱きしめた

2017年08月20日 20時18分28秒 | 日記

お盆がやってきて、6月26日に逝ってしまった友人Nさんのお参りに行ってきました。

お花屋さんに「お供えですが かわいく かわいく作ってくださいね」

と お願いした花篭をだいて・・・

。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。

4月も終わり頃だったと思う。

 私はNさんから 「遊びに来てね」とお誘いを受けました。

友人2人と5月20日に Nさん宅に遊びに行く約束をし

その日をとても楽しみにしていました。

しかし、GWに帯状疱疹を発症してしまい、私だけ行くことができなくなってしまいました。

 

それをお電話でお伝えすると、元気な明るい声で

「ゴールデンウィークには 娘や孫と京都に行ってきたのよ。

随分歩いたし、長い階段も登ったけれど、行ってこれたわ~ 

たくさん写真をとってきたから 治ったら来てね」

昨年末 癌手術をしたことなど、忘れさせるような元気いっぱいの明るい声でした。

 

それから1ヵ月 私は体調も戻り 

「元気になったよ~遊びに行くね~」そんなつもりで電話をしました。

電話にでた娘さんから、6月に入るとNさんは、体調が急変してしまい

重篤な状態であることを知らされました。 

驚きと 会う機会を失ってしまった無念さに 、

ひたすら回復を祈り続けましたが

1週間後 Nさんは天に召されてしまいました。

 

通夜 お葬式と 棺の中に 穏やかな優しいほほ笑みを浮かべたNさんを

この目で確かに見、辛いお別れをしたのに 

あれは 夢の中のできごとであったのではと ぼんやり思い続けたり

会う機会を失ってしまった悲しさ 悔しさに身悶えたり

帯状疱疹なんかにならなかったら・・・と 不運を嘆いたり

悲しみに混乱した日々が続きました。

 

通夜の日には 娘さんから 

「〇〇さん・・・と うわごとで名前を 呼んでいました・・・会いたかったのでしょう」

と 聞かされた時 どうしようもない寂しさとともに 

私の一方的な想いではなかったんだ・・・

気持ちは深いところで 通じあっていたんだと

心に温かなものが流れ、それは私をより一層深い悲しみに突き落としました。

 

Nさんと最後に会ったのは 今年の2月。

「命びろいをしたよ。顔を見せにきたわ」

そう言って

癌の手術から生還したことを 私に知らせに来てくれました。

 「よかった! よかったねぇ うれしいわぁ~」

  私は嬉しくて、病気やつれもない 肉付きの良い彼女の背中を 幾度も幾度も撫でました。

でも 本当は、喜びで抱きつきたかった! 思いきりハグしたかったのです。

 なのに 8才年上のNさんを 

日頃尊敬している先輩であるNさんを

ハグすることを ちょっと ためらってしまいました。

 

 あの時 帰っていくNさんの後ろ姿を見送りながら、

追いかけてでも 抱きしめたい衝動をおさえました。

 

なにか、不思議でした。

会えなくなることを 体が知っていたのでしょうか

抱きしめなかった後悔が いつまでも心の底に塊として沈み込んでいました。

 

お盆の13日 私はお参りをし 

祭壇の前で 

「あの~ 抱かせていただいても いいでしょうか・・・」

おそるおそるお願いしました。

娘さんは 涙をためて 

「ありがとう」と 私に骨壺を だかせてくださいました。

 

私は 骨壺を 抱きしめました。

 温かな背中 優しい笑顔を思い出しながら

もう一度会いたかったよ・・・

私は骨壺をなで 抱きしめました。