RC-NET(レイプクライシス・ネットワーク) BLOG.

RC-NET STAFFによる、日常の些細な出来事から、お知らせまでいろいろなぶろぐ。

「性暴力を問う」シリーズ

2010-02-18 13:19:16 | スタッフ雑感
読売新聞で今月の13日より、性暴力被害に関するシリーズが連載されている。
今回のシリーズでは、被害者女性を中心とした想いや二次被害、社会の現状などを書かれているようだ。

何を隠そう、RCSNKも今回の連載に向けての取材を昨年末に受けていたのだが、
この問題に踏み込んだ時点からの、記者さんたちの心の葛藤や、問題意識などについてもお聞きしていたので、是非今回のシリーズで終わらず、今後とも関わっていっていただけたらと期待している。

こういった機会に、サバイバーの声を聞くと、やはり心が痛むことがある。あぁ、やっぱりいるんだよね、と、これはなんて言ったらいいんだろう、いるんだ、と思う。
特別なことではない。
本当ならあってはいけないことだけども、確実に被害は今もどこかで拡大していて、それを声に出せるか出せないかは別としても、
今、ここにいるサバイバーたちとともに、私たちは生きているのだと思う。
だからこそ、私たちは何をするのか、何を伝えたいのか。



昨晩、NHKで佐野元春が司会で、矢野顕子をゲストで迎えたザ・ソングライターズという番組が放送されていた。
その中で学生からの質問で「大学に入ってから、男女差別というものをすごく感じるようになった。矢野さんは女というものをどう捉えているか」というような質問があった。
矢野顕子はそれに対して、
社会は絶対に公平じゃない。よくないことだけど、きっとこれからも公平にはならないだろうと思う。だからこそ、何が出来るかって言ったら、自分が自分に誇りを持つこと。自分の意識を変えること。自分にしか出来ない、自分の仕事をすることで、それが失敗しようがなんだっていいの、そうしていれば、それでいいの。
というような回答をしていた。

学生がその答えに対して「安心しました」と言っていたのだけども、私もその安心感を覚えた。
私は、この世界を変えてやる!なんて、大きな事は言えない。
果たして「性暴力撲滅!」などと言ったところで、それが被害者を助けることになるのか、よくわからない。
ただ、自分自身から、そういう、「暴力を手放そう」っていう意識で生きていきたいと思っている。
そうして仲間を増やして行ければと思っている。
そうして繋いで行けた手は、きっと未来に、暴力の無い世界を作っていけると信じている。

否定されてきたからこそ、否定では何も解決しないのではないだろうかと思っている。

ただ、自分の心の赴くことに、正直でいたい。
そのために、RCSNKをやっているのではないかと思う。

理想論では語れないことが山ほどある。
ただ、私たちは、前を向いて、生きていく。その為に何が出来るか、何をしたいのか、しっかりと見据えて行ければと思う。



読売新聞 特集“性暴力を問う”



最新の画像もっと見る