「伊勢志摩」(三重)で平成28年に「サミット」…安倍首相が発表 テロ対策、リゾート島選ぶ
安倍晋三首相は5日、平成28年に日本で開く主要国首脳会議(サミット)の開催地について三重県志摩市とすると発表した。羽田空港で記者団の質問に答えた。主会場を英虞湾に浮かぶ賢島のホテルとする方針だ。開催地には全国の8地域が立候補していたが、テロ対策の観点から出入りをチェックしやすいリゾート島を選んだ。来年5~6月の開催で調整する。
県内に伊勢神宮(伊勢市)があり、日本の伝統や文化を発信できる点や、政権が看板政策とする地方創生を後押しするとの判断もあったようだ。三重県警が首相ら要人の伊勢神宮参拝を通じ、警護のノウハウを蓄積している点も評価した。
同県の鈴木英敬知事は3月10日、菅義偉官房長官を官邸に訪ね、志摩市を開催地に選ぶよう要請。4月20日には安倍首相にも面会した。警備しやすい保養地(リトリート)で開催する近年の傾向を踏まえ、警察庁も志摩市を推していた。
ただ、中部国際空港から距離があり、移動時の安全確保に課題が残るとの指摘がある。
ほかの候補地は仙台市、新潟市、長野県軽井沢町、浜松市、名古屋市、神戸市、広島市。サミット関連の国際会議として、外相会合や財務相会合などの開催地に選ばれる可能性がある。
日本でのサミット開催はこれまで5回。昭和54、61、平成5年は東京で開かれ、12年は沖縄、20年は北海道だった。