いつも寝不足 (blog版)

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不凍栓

2005年12月13日 | 郷土ネタ
上京して一人暮らしを始めた時、アパートの水道には凍結防止帯が巻いてなくて、「冬場は大丈夫なんだろうか?」とマジにビビったのは、今となっては笑い話。

凍結防止帯は今となっては寒冷地になくてはならない必需品で、どの家にも標準装備だと思うが、私が子供の頃は必ずしもそうじゃなかった記憶がある。

そもそも凍結防止帯とは何かというと、地上に出た水道管に巻き付ける電熱ヒータのことだ。厳密に言うと、ヒータと凍結防止帯は別物なのだが、今となってはヒータを併用しない凍結防止帯はほとんどないので、まぁ、電熱ヒータ+それを取り巻く断熱材が凍結防止帯と考えてほぼよろしいかと思う。

なぜ凍結防止帯が必要かと言えば簡単な話で、寒冷地では水道管が凍り付いてしまうからだ。凍って水が出ないだけなら溶かせばいいのだが、水は凍ると体積が増えるのは小学校の理科でも習った通り。つまり、凍って体積が増えた水によって水道管が割れるのだ。これを一般に水道管が破裂すると言う。

水道管が割れたくらいで「破裂」と言うのは大袈裟ではないかと思う人がいるだろうが、その経過を考えれば納得がいくと思う。

水道管の中の水が凍るのは人々が寝静まった夜中。人が起きている間は暖房が入っていたり、水道管の中も水の流れがあって凍らない。それが夜中になって暖房が消えて水の流れがなくなると凍り付く。そして、水道管には小さな裂け目ができる。この時は水も凍っているので洩れない。

朝になって人々が目を醒まし、暖房を入れ水を使い出すと凍った水道管も溶け出して、夜中にできた割れ目から水が一挙に噴き出す。水道ってのは結構な圧力が掛かっているので、こういった隙間から本当に景気良く吹き出すのは想像に難くないところ。床が水没するだけでなく、壁一面びっしょりってのも、ない話ではない。

さて、必需品の凍結防止帯だが、私が子供の頃は水をちょろちょろ出してしのいだり、不凍栓だけを使っている家も少なくなかった。不凍栓は今でも現役バリバリで、屋外の蛇口や、屋内でも使用頻度の少ない場所で使っている例は多い。我が家でも外回りにある蛇口には不凍栓がついていて、凍えそうな日は水抜きをしている。

この不凍栓、あまりにも身近にありすぎて知らなかったのだが、我が家から車で10分ほどの所にある竹村製作所の創業者の発明品なのね。asahi.comの記事によると、竹村製作所が国内シェアの75%を占めているそうだ。


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