ディスカスは2枚1組で借りる必要があるので『FINAL FANTASY』と一緒に借りたのが、『たそがれ清兵衛』。
藤沢周平の作品はほぼ全て読んだし、読了していないものも手元にはある。
そんな私が憂慮していたのが、原作を読んだあとで映画を見ると必ず詰まらないと思う、という黄金律。稀に、原作を読んでいないと映画がほとんど理解できない、というものも存在するが、それは全くの駄作か、『2001年宇宙の旅』みたいな空前絶後の作品に限定されるだろう。
さて、そんな私が映画を見る気になったのは『藤沢周平の本』で、原作とは全く別物として仕上がっていることを知ったから。つまり、題名は「たそがれ清兵衛」だが、実際は「竹光始末」と「祝い人助八」もミックスされた作品であることを知ったから。
奇妙なもので小さな改変は許せないくせに、もう、これだけ別物になっちゃうと、それはそれとして楽しめちゃう。もちろん、ベースになった作品を知っているので違和感を拭い去ることはできないが、まぁ、藤沢周平の世界を借景にした作品だと思って許容はできた。
『藤沢周平の本』にも書かれていたが、やはり、映像は美しい。また、活字だけでは想像し難い家の造作なんかが見えるってのはいいね。ただ、やはり映画作品だけあって黒っぽい場面が結構あるので、映画館で見るべきだったかなぁ。
ところで、藤沢周平を読んだことがない人がガイドとして使うべきは『藤沢周平のすべて』だろうね。『藤沢周平の本』は正直、内容が薄い。まぁ、『藤沢周平のすべて』は厚い本なので、読んだことがない人がいきなり手を出すのは難しいかもしれない。
であれば、『藤沢周平の世界』の方がいいかなとは思うが、一番いいのはどれか気になったものを実際に読むことであって、ガイドを読むことじゃないよね。
藤沢周平の良さは、まず第一に文章の良さなので、それを抜きに藤沢周平を語っても仕方がない。世界観やストーリー、人物の造形などなど素晴らしい点はいくらでもあるけれど、やはり、その文章の卓抜さが全ての基底なので実際に読んでみなければ、藤沢周平の真の良さは分からない。
一応断っておくと、藤沢周平の文章は華美なところのない、機能的に引き締まった文体なので、一読するとそんなに大した文章とは思えないのだが、これが昧読するにつれて、いかに素晴らしい文章かが分かってくる。
その文章からは足しても引いてもダメ。削りすぎて痩せてもいないし、余計なものがついているわけでもない。非常に均整の取れた文章で、よく「端正な」と形容されるが、まさにそういう感じ。
たそがれ清兵衛松竹このアイテムの詳細を見る |
藤沢周平の作品はほぼ全て読んだし、読了していないものも手元にはある。
そんな私が憂慮していたのが、原作を読んだあとで映画を見ると必ず詰まらないと思う、という黄金律。稀に、原作を読んでいないと映画がほとんど理解できない、というものも存在するが、それは全くの駄作か、『2001年宇宙の旅』みたいな空前絶後の作品に限定されるだろう。
さて、そんな私が映画を見る気になったのは『藤沢周平の本』で、原作とは全く別物として仕上がっていることを知ったから。つまり、題名は「たそがれ清兵衛」だが、実際は「竹光始末」と「祝い人助八」もミックスされた作品であることを知ったから。
藤沢周平の本宝島社このアイテムの詳細を見る |
奇妙なもので小さな改変は許せないくせに、もう、これだけ別物になっちゃうと、それはそれとして楽しめちゃう。もちろん、ベースになった作品を知っているので違和感を拭い去ることはできないが、まぁ、藤沢周平の世界を借景にした作品だと思って許容はできた。
『藤沢周平の本』にも書かれていたが、やはり、映像は美しい。また、活字だけでは想像し難い家の造作なんかが見えるってのはいいね。ただ、やはり映画作品だけあって黒っぽい場面が結構あるので、映画館で見るべきだったかなぁ。
ところで、藤沢周平を読んだことがない人がガイドとして使うべきは『藤沢周平のすべて』だろうね。『藤沢周平の本』は正直、内容が薄い。まぁ、『藤沢周平のすべて』は厚い本なので、読んだことがない人がいきなり手を出すのは難しいかもしれない。
藤沢周平のすべて文藝春秋このアイテムの詳細を見る |
であれば、『藤沢周平の世界』の方がいいかなとは思うが、一番いいのはどれか気になったものを実際に読むことであって、ガイドを読むことじゃないよね。
藤沢周平の世界文藝春秋このアイテムの詳細を見る |
藤沢周平の良さは、まず第一に文章の良さなので、それを抜きに藤沢周平を語っても仕方がない。世界観やストーリー、人物の造形などなど素晴らしい点はいくらでもあるけれど、やはり、その文章の卓抜さが全ての基底なので実際に読んでみなければ、藤沢周平の真の良さは分からない。
一応断っておくと、藤沢周平の文章は華美なところのない、機能的に引き締まった文体なので、一読するとそんなに大した文章とは思えないのだが、これが昧読するにつれて、いかに素晴らしい文章かが分かってくる。
その文章からは足しても引いてもダメ。削りすぎて痩せてもいないし、余計なものがついているわけでもない。非常に均整の取れた文章で、よく「端正な」と形容されるが、まさにそういう感じ。