いつも寝不足 (blog版)

動物園・水族館へ行った記録が中心(?)。
他の話題はいつも寝不足 (信州FM版)で。

期待したほどではなかった ― 『サイコホスピダー』

2006年07月18日 | マンガ・アニメ
たけくまメモで取り上げられて注目を浴びているアシスタント歴32年イエス小池の唯一の単行本。安井健彦『悪魔の精神病棟』が原作(原案?)で、1984年に発覚した報徳会・宇都宮病院事件を題材としている。

サイコホスピダー

三一書房

このアイテムの詳細を見る


宇都宮病院事件は昔々に聞いたことがあるような気がするが、よくは憶えていない。何よりも、この本を読んでみようと思ったのがWEB漫画 イエスの無料漫画サイト「WEB漫サイ」で公開されているWEB漫画Vol.2 「僕です!」が気に入ったから(※)であって、宇都宮病院事件そのものには何の関心もなかった。
※「雨のドモ吾郎」も悪くないが、「僕です!」の方が私は好きだ。

そのせいもあるかもしれないが、正直期待外れ。まず、全体の構成が良くない。3年もかけて書き下ろした影響なのか、原作に引っ張られてしまったためなのか、エピソードがダラダラ連なっている印象がある。もう少し、山になる部分を明確にした方が良かったかと思う。また、さして重要でない登場人物がズルズル増えていき、本来であればもっと描き込むべきであった人物のキャラが立っていない。なので、ある程度描き分けられているはずの登場人物の区別がつき難い。

また、原稿の段階でダメなのか、印刷所が悪いのか分からないが、色の薄いトーンの部分なんかが上手く出ていないように思われる。作者のアシスタント歴の長さからすると、原稿レベルでダメとは考え難いので、印刷所の問題だとは思うが、作品に貧相なイメージを与えてしまっている。

イエス小池の作品は他に、小林多喜二の『蟹工船』を原作とした『覇王の船』があるそうだが、こちらは『ヤングジャンプ』に掲載されたっきりで単行本になっていない。『サイコホスピダー』は今一つだったが、『覇王の船』は読んでみたいな。


最新の画像もっと見る