いちおう設計業を生業にしている関係、NO6の都市構造を知りたい。
簡略イラストの鳥瞰図はあるが、NO6と外界とを隔ている壁(?)の詳細を知りたい。
ウイルスをも遮蔽するとあるが、天空はパカンと開放されているように見受ける。
それが証拠に飛行場らしきものが描かれている。
少なくとも飛行機は自由に空を行き来できるようだ。
ならばウイルスどころか昆虫も鳥も自由に進入できるというわけだ。
天空からのテロの攻撃は計算に無い、とでもいうのだろうか。
閉鎖空間愛好家としてはそこのところの曖昧さが腑に落ちない。
潜入不可能、難攻不落の要塞都市のように描かれているがはたと首をかしげる。
たしかに人間描写はうまい。
平易でありながらも入念に描かれている。
文章力も申し分ない。
しかし、NO6の完全性が描き切れていない。
もうひとつ難をいえばセリフが長い。
似たような会話がうんざりするほど何度も繰り返される。
いい加減、物語を進行させろよといいたくなる。
★★★~