時、うつろいやすく

日常のたわいもない話…
だったのが、最近は写真一色になりつつある。

シュロの木

2012-01-31 13:35:52 | 人間シリーズ

  弓矢の先に布を巻く。
そこに火を着け、標的に向けて矢を放つ。
少年はテレビで見たこの荒業に憧れていた。
いつか試してやろうと思っていた。
その日がついにやってきた。
試す場所は少年の祖父の庭だった。
祖父と祖母の留守中を見計らってのことだった。
弓と矢は少年が竹で作りあげたものだった。
  少年は矢を放つ標的を探した。
目に止まったのは池の対岸に屹立するシュロの木だった。
祖父の庭では二番目に高い木だった。
4メートル以上はあった。
南洋的な形をしたシュロの幹には一面繊維質の毛が覆っていた。
その毛のいやらしさが標的にはうってつけだった。
  少年は矢の先に巻いた布にマッチで火を着けた。
布は威勢よく燃え上がった。
その矢を手に取り、少年は思いきり弓を引いた。
ためらいはなかった。
シュロの木めがけてこのときとばかりに矢を放った。
矢は一直線にシュロの木のど真ん中を撃ち抜いた。
脳裏に描いた通りのことが簡単に実現した。
  だが、想像できたのはそこまでだった。
バリバリバリ。
火は音を立て、たちどころにシュロの天辺まで燃え上がっていった。
シュロの繊維質の毛が炎の勢いを劇的に増大させた。
少年は慌てた。
消す手段が思い浮かばなかった。
とっさに閃いたのは三件隣りにあるじゅんすけ君の家のバケツだった。
そこには水道の蛇口があり、いつでも水を出すことができた。
これで消すしかない。
  少年はじゅんすけ君の家まで一目散に走った。
走っているうちにこれまで抑えこんでいた恐怖が一気に湧きあがってきた。
現実の重圧が雪崩のように押し寄せてきた。
自分にあの猛烈な炎を消せるわけがない。
少年はじゅんすけ君の家の前を通り過ぎてそのまま逃げ去ってしまった。
  夕方近くになって、恐る恐る少年は祖父の家に帰ってきた。
火は消えていた。
そこには黒く焼け焦がれたシュロの木が立っていた。
少年の祖父はまだ帰ってきていなかった。
その代わりにとなりのおじさんがカンカンに怒って待ち構えていた。
「もう少しで上の電線に燃え移るとこやったぞ!」
「おまえが逃げていったとこ見とったぞ!」
火は幸いに早い段階でとなりのおじさんがホースで消していた。
大事にはいたらなかったが少年の心には大きな傷が残った。
火を着けたことにではなく、逃げたことにであった。
矢で火を放つ、この偉業をすべて台無しにしてしまった。
とんだ腰抜けの野郎だ。
  一年後、シュロの木は枯れずに立っていた。
焼け焦げた毛は落ち、新しい毛に覆われていた。
少年はシュロの木を見るたびに過去を恥じた。
あの日以来、少年は弓矢を手にすることはなかった。


注釈:少年=小学四年生ころの私

コメント (2)

ほこ×たて 「特殊メイク×元刑事」

2012-01-30 00:05:59 | 日常

映画でよく見かける老人特殊メイク。
近年、特殊メイクの技術はかなり進歩したようだが、私の目を
欺くほどのレベルにはまだ到達していない。
人物画が得意だったこともあり、私の眼力は半端ではない。
たとえば『愛を読むひと』のケイト・ウィンスレット。
ラストで老人メイクで登場するが実にウソくさい。
折角の秀作に泥を塗る結果になってしまった。

さて『ほこ×たて』なのだが、今回のテーマは老人特殊メイク。
元刑事はそれを見破れるか?
結末は語らないが、私は一見してわかった。
明白にわかった。
まだまた特殊メイク技術は甘いものだ、と思った。
ガハハ。

http://v.youku.com/v_show/id_XMjcxODIyNjg4.html

コメント (2)

『グリーン・ホーネット』

2012-01-29 02:04:05 | 映画・海外ドラマ

ヒーロー物だと期待してみると肩透かしを食らう。
コメディだと割り切ってしまえば許せなくもない。
しかし、ブルース・リーがこれ見たら怒るだろうな~

★★☆

コメント (5)

『キィハンター』

2012-01-28 01:50:45 | 映画・海外ドラマ

血沸き肉踊るテーマ曲だな~
みんなカッコいいよ。
丹波さんと川口さんは死んじゃったよ。
千葉ちゃんと野際さんは分かれちゃったよ。
谷さんはキッ子さんとまだ夫婦やってるよ。
大川さんは跡形もなく消えちゃったよ。
もうこのドラマの復刻は無理だな~
今の役者で作ったって陳腐になるだけさ~

http://www.dailymotion.com/video/x724ii_yy-yyyy-yy_shortfilms

コメント (2)

『傷だらけの天使』リターン

2012-01-27 12:59:49 | 映画・海外ドラマ

 

日本テレビに告ぐ。
一夜だけでいいから『傷だらけの天使』の続きを作ってくれ。
ショーケンと水谷豊の『傷だらけの天使』が見たい。
老いた二人でもかまわない。
ショーケンと水谷豊のオサムとアキラの絡みが見たい。
最終回でアキラが死んでしまったことはなしにしよう。
実は死んでいなかった、でいいではないか。
アキラ(水谷豊)の「兄貴ぃー!」をもう一度聞かせてくれ。
オープニングのショーケンのガツ食いをもう一度見せてくれ。

http://www.dailymotion.com/video/x2pr1b_yyyyyyy_music

コメント (12)

『ふぞろいの林檎たち』最終章

2012-01-26 16:58:49 | 映画・海外ドラマ

山田太一に告ぐ。

中井、時任、柳沢が第一線で活躍しているうちに、

そして、山田太一先生が元気なうちに、

『ふぞろいの林檎たち』のその後を書いてください。

短いシリーズでもかまいません。

せんえつですが、ひとつ提案があります。

石原真理子は劇中、死んでしまったことにしましょう。

http://www.youtube.com/watch?v=eKsUaEGAmhA

コメント (6)

忘却

2012-01-25 02:23:22 | 想い

最近、突拍子もないことを物忘れするようになった。
検査の立会いを忘れることもあるし、
書類の提出日を忘れることもあるし、
待ち合わせを忘れることもある。
過去にはなかったことだ。
これがもう少し悪化すると、
設計料の請求を忘れる、なんてことにもなりかねない。
何にもまして、阻止せねばならない過ちだ。
タダ働きだけは避けなければ~

PS:今日、1時30分の入札を忘れぬように!

コメント (2)

『THE KILLING/キリング』

2012-01-25 02:11:20 | 映画・海外ドラマ

デンマーク制作のテレビドラマ『THE KILLING/キリング』。
うたい文句は『ツイン・ピークス』の再来!
リメイクかどうかは知らないが、事件の発端は似かよっているようだ。
とりあえず予備知識なしで1話と2話を見た。
懸念していた『ツイン・ピークス』の模倣ではなかった。
というより、作風自体は似ても似つかぬものだった。
『ツイン・ピークス』のようなつかみ所のないイリュージョンではなかった。
これは遊び心のまったくないシリアス刑事ドラマである。
はるか昔に見た刑事ドラマの緊迫感が甦ってくる。
最近の刑事ドラマがいかに虚構とおちゃらけに満ちているかを認識させられる。
ただし、いつまでこの緊張感を持続できるかは難しいところ。
シーズン2もあるようだが、そこまでこのスタンスを維持するとなると、作り手に
相当の力量が要求される。
おそらくどこかで失速してしまうだろうと予想する。

★★★☆

コメント (2)

通信不能

2012-01-24 01:04:59 | 日常

昨夜、午前3時を過ぎたころ寝室のテレビを付けた。
どの番組も映らなかった。
黒い画面に「放送を受信できません」と出た。
日曜の深夜とはいえ、どこかの番組は放送をやっている。
全部映らないということはありえない。
とっさによからぬことを想像した。
関東がやばい。
大地震、大津波、原発事故、富士山噴火、核攻撃・・・
お得意の空想癖と心配症が渦を巻いた。
テレビの故障でないか1階へ下り、居間のテレビを付けた。
やはり映らなかった。
些細なことも含めて、なにかが起きたに違いない。
念のためにWOWOWを付けた。
普通に見れた。
サッカーが放送されていた。
どうやら原因はカタストロフではなかったらしい。
ふふっ、わかっちゃいたけどね。
でも、なにが原因だったのかは不明である。

コメント (4)

恐怖のエレベーター

2012-01-23 01:11:15 | 日常

『切断』

制作費:ただ
脚本:なし
監督:監視カメラ
出演:犬と飼い主
分類:ドキュメント
評価:★★★★★
寸評:現実に勝る恐怖なし

http://www.youtube.com/watch?v=5h_nRMerfSA&feature=player_embedded

コメント (2)