ゾンビはゾンビを襲わない。
その理由はどうでもいい。
まずいとか、その程度の理由だろう。
重要なのは、ゾンビはゾンビを認知できるということである。
認知できなければゾンビはゾンビを襲うことになる。
では、ゾンビはどうやってゾンビを認知しているのだろう。
考えられる可能性は二つある。
視覚と嗅覚による認知である。
では、視覚だとしよう。
ゾンビのおぞましい姿にギクシャクした動き。
これを見て、ゾンビがゾンビを認知しているとすればことは簡単である。
ゾンビの真似をすれば逃げ切れることになる。
おぞましいメーキャップにギクシャクした動作を真似ればいい。
そうすればゾンビに襲われることはない。
だが、そんな単純なわけがない。
こんな子供だましが通用するほどゾンビは甘くない。
となると、答えはおのずと見えてくる。
そう、匂いである。
彼らは嗅覚でもってゾンビを認知しているのである。
ゾンビの臭いを嗅ぎ分けられるか、あるいは生者の匂いを嗅ぎ分けられるか。
そのいずれかである。
その有力な証拠がある。
続く。