先日のN邸の行政検査。
検査はなあなあでリビングのフローリングの話になる。
検査官 「これ、杉ね」
私 「はい、杉です」
検査官 「冬は反ったりせんね」
現場監督 「なりやすかですね」
私 「この節は埋めてあるとでしょう」
現場監督 「現場では埋めとらんですよ」
おそらく工場で埋めているのだろう。
埋木の材料がやけに人工的に見えた。
私はしゃがみこんで、眼鏡を上げ、節をまじかに見た。
節の横にくねくねの長いちん毛があった。
汚らわしいやつめ。
先日のN邸の行政検査。
検査はなあなあでリビングのフローリングの話になる。
検査官 「これ、杉ね」
私 「はい、杉です」
検査官 「冬は反ったりせんね」
現場監督 「なりやすかですね」
私 「この節は埋めてあるとでしょう」
現場監督 「現場では埋めとらんですよ」
おそらく工場で埋めているのだろう。
埋木の材料がやけに人工的に見えた。
私はしゃがみこんで、眼鏡を上げ、節をまじかに見た。
節の横にくねくねの長いちん毛があった。
汚らわしいやつめ。
昨日の夕刻ちかくに電話があった。
掛けてきたのはM建設の営業のS氏。
「現場から連絡があり、S邸の縄張りをしたら配置図とかなり違うそうですよ。
建物の南西部の空きが図面より80cmちかく狭まってるらしいです」
ここは珍しく私が測量をした現場。
図面の間違いはすべて私のせいになる。
そもそもの敷地にゆとりがないのでそこまで違うと大事になってしまう。
だから測量などしたくなかったのよ~
S氏はややムッとした感じで言う。
「これ以上狭まると車が入らなくなります。明日の早朝一緒に見てください」
それから憂鬱な一夜を迎えることになる。
南西部が狭まっているということは敷地の西のラインがかなり折れていることになる。
ネットで航空写真や地図を見るがそのような折れ曲がりは確認できない。
ちよっと離れた地点からグーグルのストリュートビューを覗く。
敷地境界のブロック塀を拡大して枚数を数える。
そこから敷地の東西の距離を推測する。
・・・確かに40cmほど測量より狭いようでもある。
おそらくそうなんだろう。
私の測量ミスなのだろう。
測量時に自前の巻尺を忘れていたので借り物のおんぼろ巻尺を使った。
メジャーの表面が擦れていて数字を読み取るのに苦労した。
おそらく、計測の際、数値を見間違ったのだろう。
真四角の建物で現場監督が縄張りを間違うはずがない。
念のために、夜、現場監督に電話した。
現場監督のM氏は、自信たっぷりに
「図面が間違っている」
と言い放った。
私に勝算はほぼないと見ていい。
そうなると、確認申請は出し直し。
測量費用は請求できなくなる。
それどころか計画そもそもが怪しくなってくる。
ああ、こんな状態で夜を迎えたくない・・・
朝、8時前に起きる。
30分後に現場に向かう。
現場には営業のS氏が来ていた。
さっそく、その南西部の離れを見る。
狭い。
強烈に狭い。
1.6mあるはずの離れが0.7mくらいしかない。
90cmも違っている。
そんなバカな。
いやいや、まだ決まったわけではない。
縄張りの角度を見る。
ムムッ!
これは直角ではないぞ!!
逆転ありと見て、縄張りの東西の長さを測る。
建物の東西の長さは7.28m。
なのに、7.5mのメジャーが届かない!
ぜんぜん届かない!
「これ、縄張りが間違っとる!」
勝ち誇ったようにS氏に言った。
「そうじゃないかと思ってたんですよ」
S氏は寝返るように私を支持するのだった。
ついさっきまで疑っていたくせに~
建築家はこういう設計を好む。
私も同様に憧れる。
窓を全開すると、外部と内部と中庭が一体の空間となる。
この連続性が清々しい。
でもよ。
はたしてこういう家に住んで落ち着けるのかな。
少なくとも私は駄目だな。
ガード開きすぎで落ち着いて寝れやしねえよ。
単なる収納式ベッドではありません。
これは避難用ベッドです。
不意に災害や強盗に襲われたときにボタンひとつで上部のドームに逃げ込めます。
ちょっと息苦しいですが・・・
グーグルでS市の地図を開く。
申請地に目星を付け画面を拡大する。
手荒に扱っていたら間違ってストリートビューが出てきた。
目的地とは違う場所のようだ。
古い街並みの路地の映像。
見知らぬ場所のようだがどこか見覚えがある。
グーグルアースの使い方がようわからん。
適当にぐるりとカメラの向きを変える。
すると正面にそう古くない塗り壁の建物がドンと現れた。
なぬ?
10年くらい前に私が設計した住宅だ。
なにゆえ。
このような偶然にはなにかしら意味があるのだろうか?
息子の免許更新のはがきがない。
確かに手に取って見たのは私だ。
それをてっきり娘に渡したつもりでいた。
考えたらそのとき娘は関東にいた。
やはり私がどこかに置いたのだ。
仕事の打ち合わせテーブルの上を探す。
山のように重なった書類や図面をかき分ける。
すると、下の方から「金子邸」と書かれたA4の封筒が出てきた。
金子邸?
知らん。
殴り書きの字は確かに私が書いたもの。
しかし、金子邸なんぞ知らん。
ん?
頭の中で隠ぺいされていたモザイクが形を成してゆく。
金子邸!
あ~~あれね。
増築リフォームのあれね。
ひと月ほど前に頼まれたやつ。
完全に忘れとった。
金子さんの息子さんが帰ってくるから部屋を作ってくれってやつね。
確認申請審査機関から委任状の間違いを指摘された。
委任日を「平成2年」と書いていた。
予備に頂いた委任状を見てみると確かに5が抜けていた。
急いで作ったから5を抜かしたのだろう。
元となるデーターを修正する。
と?
ちゃんと「平成25年」になっている。
このデーターをPDF化して先方さんにメールで送信した。
その過程で文字化けしたのだろう。
先方さんに送ったメールの記録を見る。
添付したPDFデーターを開く。
これもちゃんと「平成25年」になっている。
先方さんに連絡する。
先方さんのパソコンでメールを確認してもらう。
私が先に送ったPDFデーターを開いてもらう。
これまた間違いなく「平成25年」になっているという。
ん・・・?
念のためにそれを印刷してもらう。
出てきた委任状は「平成25年」と印刷されているという。
なぜ?
なぜなの?
5の字はどこに消えたの・・・
5日前から事務所の時計が止まっている。
電池を代える暇がない。
請求すべき物件が溜まりに溜まっている。
100万円以上溜まっている。
請求書を書く暇がない。
なのにブログを更新する暇があるとは何事だ!