住宅版エコポイント

住宅版エコポイントが復活する、というニュースが出てきました。

　住宅版エコポイントは、民主党政権になってから実現した内需拡大と雇用創出の政策で、大変高い評価があったところです。しかしながら、東日本大震災への復興費用の捻出のため一時的に中止されていたことから、制度の再スタートを期待する声が多かったことも事実です。

　さて、なぜ住宅版エコポイントは評価が高いのか、それは国内雇用に直結するからです。

　例えば、前政権時代に制度化されて人気を博した「家電エコポイント」は、対象となる製品の海外生産比率が高すぎるという問題点を抱えていました。例えば、ある企業の家電エコポイント対象「液晶テレビ」は海外生産比率が８５％で、そのテレビが国内で販売されることによる国内雇用への刺激はほとんどありません。同様に、エアコン等でも１００％海外生産という商品があるなど、必ずしも国内の景気対策となっていませんでした。

　しかしながら、住宅版エコポイントは違います。
　例えば、業界最大手の住宅用建材メーカーの国内生産比率は約９０％と高く、税金を投入して実現する「エコポイント」の本質である国内雇用の創出に直接的な効果をもたらします。さらには、地域の工務店などの中小企業に、製品を取り付ける「仕事」がもたらされることからダブルの雇用対策となるのです。

　このように、「エコポイント」というひとつの制度を見ても、いかにして限られた税金を国内景気（＝雇用）に生かしていくか十分な議論が必要です。

　今回復活する予定の「住宅版エコポイント」が国内の雇用を刺激し、やがては日本経済の再生につながる原動力となるよう祈りながら、仕事をさせていただきたいと思います。