不条理み○きー

当面、きまぐれ一言法師です

「情景描写」

2005年04月25日 23時58分03秒 | Blog

 お馴染みになってきたBLOG STATIONの文章教室。
 今回のテーマは、「文章の表現と描写」

 最初に白状してしまえば、私自身は非常に描写が下手である。
 所謂、「行間を読ませる」表現が出来ないので、細々と書き込んでしまい、文章が長くなる傾向がある。
 つくづく、俳諧、川柳に向かないタイプのようだ。


 ということで、このまま行くと、愚痴が長くなるので、早速、新しい課題に挑戦してみよう。

 ■【TB企画】実際に描写してみよう!
◎例文3
Aさんが私に会いたいと言ってきたので、Bさんを誘って飲むことにした。
しかし、飲んでいる間、AさんはBさんとばかり話しこんで、盛り上がってしまう。
私はいつもこういう役回りなのだ。
(40代・駅員)


 こういう時に迷うのは、さて、どの視点から書くかなのである。
 上のシチュエーションを強引に「女の子の飲み会」に変えて、その視点の違いを試してみる。


 ★視点 その1 一人称

  何よ。
  栄子ったら、美子とばっかり盛り上がっちゃって。
  そりゃ、私はブランド物には疎いわよ。
  だけど、シャネラーの栄子と、ヴィトンづくめの美子が、そんなに話が合う訳ないでしょ?

  そもそも、今日は栄子が、
 「たまにはじっくり椎子と話したいわ」
  なんて言ってきたんじゃない。
  しかも、その時、美子も誘おうって話したら、
 「えー、あたしぃ、あの子はちょっと」
  とか言っていた癖に。

  お店だってそう。
 「椎子にお任せする。あたし、そういうの疎いからぁ。」
  そう言うから、今、隠れ家風の個室で流行っている居酒屋、予約したのに。
  美子とあったとたんに、
 「やっぱ、クラブにしない?」
  全く、信じらんない!
  
  もういいわ。
  私、今日は飲む!
  本当は、ちょっと先輩の私が奢って上げるつもりだったけど、もう知らない!
  きっちり、割り勘だからね!

  ちょっと、ボーイさん!

 「このドンペリ・ピンク。ボトルでお願いしますわ。」



 ★視点 その2 三人称

  ここは、某有名クラブ。
  折りしも、三人の女性が一つのテーブルについている。
  どうやら、同じ職場のOLらしい。

  一人だけ、ぶすっとしているのが椎子。
  三人の中で一番上である。
  もっとも、採用が2ヶ月ほど早かっただけなのだが。
  二人でやたら盛り上がっているのが、栄子と美子。
  部署が違うこの二人は、普段、あまり接点はない。
  今日は、受付にいる関係で双方と親しい椎子に呼ばれた形だ。

  呼ばれた形、と書いたが、厳密には少し違う。
  栄子が椎子に、相談があると持ちかけたのがキッカケなのだ。
  どうやら、男の相談のようである。
  普段ならば気軽に後輩の相談に応じる椎子も少し困った。

  栄子の相談は、相談とは言うものの、殆ど惚気話なのだ。
  その時、椎子は美子を思い出した。
  美子は、少し、天然系でおっとりしている。
  人の話をふんふんと素直に聞いて、あまり自分を出さない。
  美子に相手をさせれば、一人で栄子の相手しないでよいと考えたのである。
  美子とあまり面識のない栄子は、最初、すこし難色を示した。
  が、結局は「喋りたい」誘惑に負け、椎子のいう事を聞き入れた。
  
  後は、栄子の惚気話を肴に、好きなワインでも飲んでいようと、椎子は高をくくったのだが。
  気づいてみれば、この有様である。
  栄子と美子は、椎子の事など忘れてしまったかのように話し込んでいる。
  そう、二人には意外な接点があったのである。

  ブランド品である。
  二人とも熱狂的なブランドマニア。
  栄子はシャネラーで、美子はヴィトラー。
  ブランドの志向が全く違う二人だが、今日は共通のネタがあったのである。
  明日、郊外にオープン予定のブランド専門のアウトレットショップの話。
  噂では限定品も多数出ているとのこと。
  そのショップの話で盛り上がっていたのである。

  最初は、何とか話の輪に入ろうとした椎子だった。
  しかし、もともとブランド物にあまり興味のない椎子には無理な話。
  たちまちのうちに置いて行かれ、今はこの有様である。

 「もう、いいわ。私、今日は飲んでやる!
  本当は、少し奢って上げようかと思ったんだけど、もう知らない。
  きっちり、割り勘だからね!」
  小声でそう呟くと、椎子は通りかかったボーイに声をかける。

 「このドンペリ・ピンク。ボトルでお願いしますわ。」



 さて、双方簡潔になっていないのは私の技量の問題なのでおいて置いて^^;こう書き並べると、視点で書きやすさが違う事が解ると思うのだが如何でしょう?

 色々な事を必要に応じて書き込んでいくには、絶対的に三人称の方が楽である。
 情景描写をしても、人物描写をしても、はたまは心象描写をしても、いわゆる「神の視点」で見ているので、書きやすいし話も破綻しにくい。
 しかし、一方で、いろんな事を書きすぎてしまうと、いま、一体何の説明をしているのか、わかり難くなってしまう。
 
 対して一人称は、「私の視点」である。
「私」の見ていること、感じている事を説明しているので、読者が感情移入しやすく、登場人物と同じ感覚で物語を読める利点が有ると思う。
 その一方、「私」が中心になっている以上、自ずと縛りが出てくる。
「私」の解らない事は、説明できないのである。
 それを逆手にとって、サスペンスやホラーの盛り上げ部分が、一人称で書かれているのは良く見るケースだ。
 
 古い小説には、前編通して「一人称」か「三人称」で書かれているものが多かったが、最近は、場面に応じて切り替えられているものも多く見かける。

 さて、こんな感じでまとめて見たのだが、例文が長いのは御容赦いただきたい。
 何せ、私自身は非常に描写が下手である。
 所謂、「行間を読ませる」表現が出来ないので、細々と書き込んでしまい、文章が長くなる傾向が・・・

 【TB】「文章の表現と描写」 BLOG STATION
    描写? フジコの黄色い部屋
    何がなにやら・・・(汗) ともっちのお暇なら読んでよ♪ NEO!!

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8 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
人称 (すしバー)
2005-04-26 04:23:46
人称を違えると、雰囲気ががらっと変る場合もありますね。

三人称だとどうしても文章が長くなってしまいますし。

でも、一人称だと説明したい部分が説明し切れなかったりすることもありますしね。

返信する
着眼 (フジコ)
2005-04-26 10:21:08
真面目な生徒さん、ぷよP~♪

今回は「人称」別に、2編書かれたわけですね。

比較がしやすい文章で、ぷよPらしいなぁ~と思いました。

ただ文章を書くというだけでなく、こういった部分に着眼するぷよPはねっからの勉強家さんなのだと感じました。スッゴイね♪



あ、しいて言えば

女子の名前には笑いましたけど(苦笑。

「椎子」って(爆
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なるほどです。 (ともっち)
2005-04-26 17:59:52
人称ですか・・・

今までそーゆー事を考えて文章を書いた事がありませんでした。

文章を書くのって、オモシロイですねぇ。
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こんにちは。 (Ken)
2005-04-26 21:49:56
「人称」というテーマですね。

これ、自在に使えるようになったら、すごいものが書けそうですよ。

面白いです。
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だらだら (ぷよぱぱ)
2005-04-27 00:39:22
★すしバーさん

 そうなんですよ。

 三人称はほおって置くと、どんどん長くなるんですよ。

 だから、推敲が大事なんですよね。

 ・・・会社のレポート書いたときに、俺が言われているまんまだな。

 上の文章。
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ネーミング (ぷよぱぱ)
2005-04-27 00:41:56
★フジコ姉

 名前は苦労しどころですよぉ。^^;

 今回は、まんま「栄子(A子)」「美子(B子)」「椎子(C子)」にしましたが、名前がよければ、物語も面白そうに感じてしまいますからね。

 その点、「フジコ」。

 美味しい名前です。

 美味しく頂きたいっ
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人称なんです (ぷよぱぱ)
2005-04-27 00:46:33
★ともっちさん

 一人称は日記、三人称はレポートって感じでしょうか?

 おもいっきし、ざっくり過ぎる説明ですが。^^;

 たまに意識して書いてみると、面白いかもしれませんよ。
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凄い文章 (ぷよぱぱ)
2005-04-27 00:50:29
★kenさん

 うまく使い分けると、話のテンポを変えたり、緊迫感を高めたり出来ますよね。



 でも、大事なのは「文を磨く」事。

 何せ、私自身は非常に描写が下手で・・・。

(もう、ええちゅうねん
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