怖がりの癖に、最近、怪奇物に嵌っている。
それも、主に「体験談」である。
体験談の面白いところは、何の脚色も無い何処にでもありそうな描写で表現された、「剥き出しの恐怖」だと思う。
反面、「体験談」は、語り手や構成者の手腕にも因るのだろうが、当たりハズレガ多い。
なので、そういう「野ざらし」の話ばかり読んでいると、時折、上等のホラー小説が読みたくなる。
そんな折、宮部みゆきが編者をやっている「贈る物語 Terror みんな怖い話が大好き」という本は、丁度良い。
ぱらぱらと捲ってみると、以前紹介した、W.W. ジェイコブズの「猿の手」を始め、有名どころが沢山並んでいる。
まあ、話の好き好きがあるので全員がどの話も楽しめる、という訳では無いだろうけれど、少し秋めいてきた夜長に如何でしょう?
評価:★★★★☆ 四つ
贈る物語 Terror みんな怖い話が大好き光文社このアイテムの詳細を見る |