みなもにたゆたう・・・

　散髪に行った。
　散髪で、洗髪をしてもらっていると、いつも非常に心地よくなって眠ってしまいそうになる。
　頭をゴシゴシと洗ってもらっているのも気持ちよいが、私は圧倒的に水に打たれている事自体が心地よい。

　時折、どうにも煮詰ると、風呂場で同じようにシャワーを頭から浴びたまま、ボーっとしていることがある。
　湯は勿体無いが、だんだんと心が休まっていく。

　その行為は、実は代替でしかない。
　本当は、水を浴びるのではなく、水に浸ってしまいたいのだ。

　ずっと、水が怖かった。
　幼い頃に溺れかけた記憶と、目の前で溺れた弟を見た所為かもしれない。
　弟は、幸い事なきを得たので御心配なく。^^
　そうゆう恐怖心もあいまって、泳ぎはあまり得意ではない。

　水がそう怖くなくなったのは、高校の部活の研修旅行で、自己流で素潜りを試みている最中に、不意に水面に浮かぶコツを覚えてからである。
　それ以来、水と戯れているのは好きになった。

　水面に漂いながら、青い空を見つめている。
　耳には自分の吐息と、波の音しか聞こえない。
　夏の間、暇な時は一人でうらぶれた海岸に行って、そんな事を繰り返していた。
　残念ながら、水に親しんでも泳ぐわけではないので、特に水泳は上手くならなかったが。^^

　社会人になって一番困ったのは、そうゆう風にたゆたえる海も、時間もない事である。
　残念ながら、プールではそういう風な感じにはならない。
　何より、結構プールが混んでいて、芋を洗うような状態の中、プールに浮いていると「邪魔！」と注意されそうなのである。

　なので、時折、シャワーの中で、その感覚を思い出そうとしている。
　たまには、風呂に潜ってみる。
　やはりうまく行かないが、一人でぼーっとできる点だけは、ちょっと似ている。
　潜るのは、あまりゆっくりしていると溺れるけどね。^^
　しかし、やはりこれは、代替でしかない。

　最近、プールに行って、いい事を思いついた。
　いつも、誰かしら「競泳コース」をゆっくりとクロールで泳いでいる人がいる。
　あれが出来たら、「たゆたう」までは行かなくとも、のんびりゆっくり水と戯れられるのではなかろうか、と思うのである。
　残念ながら「我流クロール」では、ジタバタとしなければいけないので、ああいう風に優雅には泳げない。
　その意味で、私は泳ぎの上手な人に、激しく憧れる。

　どなたか、「遠泳用のクロール」のコツを御教授願えませんか？
　一生、付いて行きますから。

　【TB】　◆お玉のストレス解消法◆　♪お玉つれづれ♪