紫微の乱読部屋 at blog

活字中毒患者の乱読っぷりを披露。主にミステリーを中心に紹介します。

「解体諸因」西澤保彦

2004年10月25日 | な行の作家
タックシリーズ第1弾は、連作短編。
なかなかに凝ったつくりで楽しめました。
西澤さんの作品で、いっとう最初に読んだのは
「七回死んだ男」。これも設定からすごく凝っていて、
とても楽しめました。ミステリーでありながら、
“何か”を模索し続けている、というところに引かれます。

第1因の「解体迅速」から最終因の「解体順路」まで、
全9話、すべて切断されたお話。たいていはバラバラ死体
なのですが、中には微笑ましいモノもあったりします。
そのタイトルは「解体守護」。この“守護”という
言葉には、とてもたくさんの意味が込められていたり。
タックってばなんていい人なんでしょ。
とか思った次の瞬間には、すごく冷たい人になっていたり。
なかなか不思議な人物です(笑)。
なんせおやぢだし? えなりかずきだし?
(いや、私的にはそんなイメージではなかったんですけど)

これから先はよく分かりませんが、バラバラ死体という
テーマ以外、ストーリー的に深いテーマはなく、複雑でもなく、
とっかかりとしてはとても読みやすいと思います。

解体諸因(講談社文庫)
西沢保彦〔著〕出版社 講談社発売日 1997.12価格  ¥ 730(¥ 695)ISBN  4062636735bk1で詳しく見る オンライン書店bk1