紫微の乱読部屋 at blog

活字中毒患者の乱読っぷりを披露。主にミステリーを中心に紹介します。

『未確認家族』戸梶圭太

2005年08月08日 | た行の作家
オンライン書店ビーケーワン:未確認家族未確認家族』戸梶圭太(新潮文庫)


えーと。とりあえず、カバー裏をそのまま引き写してみます。

元ヤンキーの美穂と女遊びに余念がない知弘。二人の夫婦仲は
冷え切り、息子も登校を嫌がっている。一方、殺人で服役した
和也は出所して前科者の父の家に戻るが、なぜか保護観察官が
付き添い、和也らと家族のように暮らす。そんなある日、美穂に
マン拓FAXや電波系コミックが届いた。一体誰が、何のために――。
二組の“不道徳家族”の狂気と復讐を描く、超破格の犯罪小説!

もう、これだけで充分な気がするんです、戸梶ですから(笑)。
こんな感じでずーっと“戸梶節”が炸裂してるんですね。
どーしようもない父親と母親、そして祖母&その恋人までそろって、
さらに彼らにかかわる人物として出てくるのが刑務所帰りだったり、
あぶない電波系の人だったり。何をどうやったって、むちゃくちゃに
なることは分かり切ってる(笑)。でも、それを戸梶の言葉で読む
ことに意味がある(^-^)。そうやって戸梶さんの作品は楽しんできたのです。

ところがどっこい(何)。不覚にも私、最後で泣いてしまいました(^^;)。
くっだらない人生を歩んでいるヤツらを笑うつもりで読んでいたのに(笑)。
あまりにもトカジ過ぎて、最後、気を抜いてしまったのかもしれませんね(違)。
いや、油断していたことは間違いないです。まさか、こんな終わり方をする
とは思ってもみなかったので。なかなかに良い作品だと思います(^-^)。