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作文小論文講座

苦手な作文を得意に。小学生から受験生まで、文章上達のコツを項目別に解説。作文検定試験にも対応。

よくある表記ミス

2009-07-15 | 作文
 子供の表記ミスのほとんどは、読みを重ねることで直っていきます。もちろん、間違いを指摘する必要はありますが、目くじらを立てる必要はありません(笑)。でも、入試の作文となると話は別です。

◆小学生によくある表記ミス

 ×「こんにちわ」→○「こんにちは」

 ×「すいません」→○「すみません」

 ×「こないだ」→○「このあいだ(間)」

 ×「グランド」→○「グラウンド」

 ×「めんどくさい」→○「めんどう(面倒)くさい」

 ×「かたずける」→○「かた(片)づける」

 ×「たいく」→○「たいいく(体育)」

 ×「言われたとうり」→○「言われたとおり」

 ×「こずかい」→○「こづかい」

 ×「ふとんをひく」→○「ふとんをし(敷)く」

 以上、代表的なものを挙げてみました。このほか、漢字のミス(送り仮名のミス)にも気をつけましょう。

◆おまけ(思わず、「うまい!」と言いたくなった表記ミス)

 ×「水ミング」→○「スイミング」
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   気持ちはわかります。(^^)

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作文コーチング ~ライブ指導でやる気を~

2009-07-12 | 作文
 作文は、いつでもどこでも気軽に書けるというものではありません。作文を書き始めるためには、きっかけが必要です。

 言葉の森の通信コースには、電話指導があり、その指導を受けた後にすぐに作文を書き始めることを勧めています。通信教育の場合、教材をいつどのように使って勉強するかは本人に任されていることがほとんどで、本人のやる気が出ない状態が続くと、課題がどんどんたまっていくというお決まりのパターンに陥ります。

 しかし、毎週決まった時間に電話指導があると、それをきっかけに作文を書くことができます。生徒が漠然と作文に書こうと思っていたことを具体的に引き出していくのが先生の仕事です。生徒が意識していることは、ほんの一部かもしれません。その裏側に隠れた意識していない事柄を引き出してあげることが作文を書こうという前向きな気持ちにつながるのだと思います。

 言葉の森のホームページでは、毎週の課題を授業形式で説明したビデオを見ることができます。こちらも大いに活用してほしいのですが、録画されたビデオとライブの電話指導とでは、やはり違いがあるのでしょう。電話での授業を欠席してしまった生徒たちのほとんどは、振替の電話指導を受けることを希望します。

 CDやDVD、活字化された教材など、過去のものを再生するということにも意味はあると思います。教育の現場でも、そのようなツールはたびたび使われています。しかし、特に小学生にとって、一番効果があるのは、ライブ教育です。先生の指導を直接聞いて作文を書くということが自宅にいながらにしてできるという点は、通信教育を越えたライブ教育だと思います。

 顔が見えない状態で、声をたよりに、リアルタイムで生徒の気持ちをつかみ、生徒のニーズに応えなくてはならない電話指導は、決して簡単なものではありません。しかし、先生にとっても、直接生徒と話をし、生徒のやる気を高めることができたとき、それは大きな喜びとなるのです。言葉の森では、担任制をとっているので、生徒の成長をじっくりと見ていくことができるという点も、生徒と先生両者にとってプラスになっています。

 家庭で、保護者の方が作文を指導する場合も、前向きに子供のやる気をうまく引き出す言葉がけをしていただきたいと思います。そのためには、否定語を使わず、子供の発言から多くのものを引き出していくことが大切です。「否定はせず、認めて伸ばす」を心がけてください。

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中高一貫校入試の作文 ~採点者は、ココを見ます!~

2009-07-08 | 作文
(1)読解力

 文章や資料を元に意見を書くような試験の場合、まず、その文章や資料を的確に読み取っているかどうかが重視されます。普段から、さまざまなテーマの文章に親しんでおくことはもちろんですが、グラフ等の資料から何が読み取れるかを考える練習をしておくことも必要です。

(2)構成力

 構成を意識して書かれた作文は、わかりやすく、採点者に好印象を与えることができます。また、論理的思考ができると判断されます。普段から筋道を立てて考えるくせをつけ、構成を意識して書く技術を習得しておきましょう。

(3)常識

 採点者の目にとまるようにと、突飛な意見や感想を書く必要はありません。学校側が求めているのは、あくまでも常識的な人間です。また、名文を書く必要はありません。わかりやすい文章を書くことに主眼を置きましょう。

(4)表現力

 しっかりした意見を持っていても、それを適切な言葉で伝えられなければ意味がありません。説得力のある作文を書くためには表現力が必要です。表現力は、読書や大人の人たちとの会話によって培われます。時事問題などについて家族で話し合う機会を作りましょう。もちろん、読書の習慣をつけておくことも大事です。

(5)成長度と環境

 意見を裏付ける実例は、一般的なものではなく、自分自身の体験を書きましょう。人一倍努力した話、失敗から学んだ話など、人とは一味違う体験談を書いてみましょう。特別な体験をしていなければならないということではなく、その体験からいかに学び、いかに成長したかという点が大切なのです。自分の話だけではなく、家族から聞いた話を入れると、親子の話し合いがきちんとなされている家庭であることが採点者に伝わります。

(6)誠意

 誠意の込められた答案は、採点者の目にとまります。改めて言うまでもないことですが、ていねいな読みやすい字で書きましょう。また、○○○字以内という場合は、その字数ぎりぎりまで書きましょう。○○○字ぴったりで終わるのがベストです。


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作文コーチング ~作文の書けない生徒~

2009-07-02 | 作文
 作文は、他の勉強よりも心的要素が大きく関わっている勉強です。さらに、評価のむずかしい勉強でもあります。算数のように、「テストで100点を取れるようにがんばりましょう。」とか、「不正解だった問題は、しっかり復習しておきましょう。」という具合にはいかない勉強です。作文とは、一人一人の個性を表すもの、さらに言えば、大袈裟かもしれませんが、その人自身を反映するものです。だからこそ、細心の注意を払って、丁寧に指導していく必要があります。

 教室に体験学習に来る生徒の中には、ときどき、作文が全く書けない生徒がいます。文字は書けるのですから、作文を書けないわけはないのですが、作文用紙を前に、鉛筆を動かすことのできないのです。そのような生徒は、決まって、何を書けばいいのかわからないと言います。最初から何も書けなかったわけではないと思います。書いたものを何らかの形で否定されたために、自分は作文が下手なのだと思い込み、自信を失って、作文に拒絶反応を示してしまうことがほとんどです。

 このような場合は、「今日のこと」という題名で、とにかく文を書かせます。低学年であろうと高学年であろうと関係ありません。「先生が言うとおりに書いてね。」と言って、「ぼくは、今朝7時に起きました。顔を洗って、着替えてから、朝ごはんを食べました。」という具合にこちらで一つずつ文を言いながら書かせます。「朝ごはんは、パンと卵焼きでした。」と言った後、「卵焼きはどんな色だった?」と聞くと、「黄色。」と答えます。「ほかに黄色いものは何かあるかな?」と聞くと、「菜の花。」などと答えます。そこで、「卵焼きの色は、まるで菜の花のような黄色でした。」と書かせ、「ほら、まるで菜の花のようっていうたとえが使えたよ。すごい!」とほめます。

 生徒は驚きます。「え? こんなのでいいの?」という顔をします。そして、また文を言いながら、続きを書かせます。最初から長く書かせる必要はありません。数行でよいのです。最初は、何も書けないと言っていた生徒が数行も書けたのですから、これはすばらしいことです。「わあ、こんなに長く書けたよ。」とほめると、とてもうれしそうな顔をします。

 こういうことを何度か繰り返していると、生徒は、自分は作文が苦手ではないのかもしれないと思い始めます。そして、だんだんと自信をつけていくのです。作文指導は、最初が肝心です。作文に限ったことではないと思いますが、自信がつけば自力でがんばれるようになります。そこまでの過程は、焦ることなく、ていねいに進めていく必要があります。生徒の様子を見ながら、もう少し書けそうという手前でストップしてほめるのがコツだと思います。先生が言った文をただ書くだけというのは、生徒本人の作文にはならないのではないかなどと考える必要はありません。作文が苦手な生徒の場合、最初の目標は、自分の作文を書くことではなく、作文に対する敷居を低くすることなのです。

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話し言葉と書き言葉

2009-06-27 | 作文
 話し言葉で作文を書いてしまう小学生は、少なくありません。「こないだ」「……けど、」「……してます。」など、細かいところですが、きちんと書き言葉で書いてほしいと思います。

 ところどころに話し言葉が入ってしまう程度なら、急いで直さなくても、良い文章を繰り返し読み、本人が書き言葉を意識するようになれば、自然に書き言葉で書けるようになります。そのたびに注意して、作文嫌いにしてしまう方がずっと問題です。

 ただ、話し言葉を多用している生徒の場合は、書き言葉で綴られた文章を数多く読むことと並行して、話し言葉と書き言葉は違うということを認識させる必要があります。

 私は、月に一度の清書の際に(言葉の森では、月に一度清書の週があります)、話し言葉を赤ペンで直したものを写すように指導しています。実際に手を動かすことによって、話し言葉と書き言葉の違いを身につけてほしいからです。もちろん、一度で直るわけではありませんが、だんだんと自分が書いていた文と正しい書き言葉の文との違いがわかっていくようです。

 直す指導をするときに大切なことは、子供に、間違いを指摘されたと思わせないことです。あくまでも、よりよい作文にするためのアドバイスであるという前提で指導にあたると、子供たちは自信を失うことなく、素直にアドバイスに従ってくれます。

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三分間作文

2009-06-24 | 作文
 コーチングについて知りたくて、何冊か本を読みました。その中の一冊、『カリスマ体育教師の常勝教育』という本に三分間作文というものが紹介されていました。書く前の一分間、気持ちを落ち着けて何を書くのかをイメージし、その後の三分間で思ったことを一気に書くのです。この方法で回数を重ねると、毎回字数が増えるのだそうです。

 このやり方のよい点は、三分間という時間にあると思います。三分間なら誰でも無理なく取り組めます。集中力も途切れません。結果が字数という形で明確に現れるので、目標を設定しやすく、やる気も高まります。

 この本の筆者である原田隆史さんは、「書くことは思考そのもの、表れた文字は自分の考えですから、書いているうちにどんどん考えが整理できるようになる。文字数が増えるということは思考力が高まってきた証拠です。」と記しています。

 三分間作文は、書くことが苦手な生徒にとっても、得意な生徒にとっても、実力を伸ばすための有効な方法だと思います。三分間作文で鍛えられた集中力と思考力は、普通の作文を書くときにも生かされるはずです。

 じっくり作文を書くの時間がなかなか取れない受験生の人にも毎日できる練習法としてお勧めです。


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ことわざの引用 ~ゆめの日記より~

2009-06-23 | 作文
 作文にことわざを引用すると、なぜか好感度がアップします。ことわざを引用するためには、もちろん、その意味を理解しておく必要があります。学習漫画で覚えるのも一つの方法ですが、生活の中で自然に身につけていく方法もあります。お父さんやお母さんが会話の中にことわざを使ってみてください。

 先日書いたように、子犬(ゆめ)を飼い始めました。この子犬は、ことわざどおりの行動をすることが多いです。普遍性のあることがらを表したものがことわざなので、それも当然のことなのですが……。人間にも犬にもあてはまるところがことわざのすばらしいところです。

 ゆめの日記より。

「今日は、朝からたっぷり遊んでもらえた。『早起きは三文の得』というが、本当にそのとおりだ。」

「お母さんが朝食の準備をしてくれたけれど、冷めるのに時間がかかって、眠くなってしまった。『果報は寝て待て』ということわざもあるので、眠って待とうと思った。」

「目が覚めると、朝食が置かれていた。太っ腹な(体型ではない)お母さんは、私の餌箱にたっぷりドッグフードを入れてくれる。でも、食べているうちにお腹がいっぱいになってしまったので、少し残してしまった。健康には、『腹八分目』がいちばんだ。」

「朝食が終わって、遊んでいるとき、不覚にもおもらしをしてしまった。『覆水盆に返らず』。困ったことになった。」

「お母さんにすぐに見つかってしまい、少し叱られた。『河童の川流れ』ということもあるのにどうして大目に見てくれないのだろうと思った。」

「仕方がないので、得意の「お手」をやったら、お母さんの機嫌がよくなったのでほっとした。まさに『芸は身を助ける』である。」

「その後、お母さんと一緒にボールで遊んだ。ボールを取りに行くとき、すべって転んでしまった。しかも、そのまま壁に激突した。『泣きっ面に蜂』である。」


(注)本物の日記は、肉球で綴られていましたが、日本語に翻訳しました。

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受験にも不可欠な思考力と記述力

2009-06-22 | 作文
 記述力をつけるのは比較的簡単です。言葉の森に入会して間もない生徒の保護者の方がよく言われるのは、国語のテストの記述欄が埋まるようになったということです。これまでは、ほとんど空欄だったのに、解答欄がぎっしり埋まるようになったとおっしゃるのです。

 実際、言葉の森の受講生だった私の二人の子供たちも、記述問題が空欄だったことはなかったと記憶しています。とにかく書く。実は、私もそうでした。高校時代の国語のテストで、「旅は道連れ、世は情け」とはどういう意味かという問題が出されたとき、「旅には道連れが、世には情けが必要だということ。」と書いて中間点をもらいました。それを見た、隣りの席の友人が、そんな解答で中間点をもらえるなら、私も書けばよかったと悔しがっていました。確かにそうだなあと思いました(笑)。

 話が横道にそれましたが、とにかく記述力をつけるのはそれほど難しいことではないのです。記述力は技術です。習慣的に書く練習をしていれば書くことが苦にならなくなり、むしろ楽しいことになっていきます。そして、書くことが得意だと思えるようになるのです。記述力に関しては、自信がつけば、もう問題はありません。

 問題は思考力です。思考力は、一朝一夕では身につくものではありません。積み重ねが必要なのです。思考力を育てるのは自らの経験と他者との対話と読書です。自分ひとりの努力だけで身につく力ではありません。

 小学生の体験は、余程特別な経験をしない限り、高が知れています。大切なのは、対話と読書です。特にお父さんやお母さんの経験談は、親子のふれあいという意味以上に、子供の思考力を育てるために欠かせないものです。子供にとっては、一生の宝となると言っても過言ではありません。だから、たくさん話をしてあげてください。正しいか間違っているかは問題ではありません。とにかくお父さんやお母さんの考えをたくさん聞かせてあげてください。

 読書は、思考力のみならず、記述力を確かなものにするためにも重要です。読書の好きな子供は、すぐに成果が出なくても、必ず、考えることと書くことが得意になります。余裕を持って書くことができるようになります。生徒たちの作文を読んでいると、ぎりぎりのところでがんばって書いているか、余裕を持って書いているかがよくわかります。余裕を持って書いている生徒は、例外なく読書好きの生徒です。

 対話と読書。これは家庭でしかできないことです。子供たちとたくさん話をしてください。そして、読書の機会をたっぷり与えてください。読書好きの子供にするための方法については、またいずれ書きたいと思います。


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入試作文にも役立つ構成図

2009-06-21 | 作文
 作文を書く前に構成図をかくのは、考えを整理し、書き落としをしないようにするという意味があります。もちろん、その結果として、作文を書く時間が短縮されます。

 構成図を単なる下準備のツールとして使うこともできますし、構成図自体を作品として残したいなら、規則を決めて色分けをするなどビジュアル的な工夫をすることもできます。

 入試に出そうなテーマについては、事前に構成図を作り、構造をはっきりさせるために意見や実例を次元別に色分けをしておきましょう。そうすると、俯瞰図を見るように全体の構造が一目瞭然となり、最後の復習をするときにも役立ちます。自分のかいた構成図を、写真のように頭に焼き付けておけば、本番でも落ち着いて作文を書くことができるでしょう。

 構成図には、応用がきくという利点もあります。構成図をかくことに慣れていれば、咄嗟のときには、頭の中で構成図をかくことができます。作文だけではなく、ディベートやスピーチなどにも大いに活用できそうです。

 構成図のかき方は、下記のページをご覧ください。
 言葉の森◆構成図のかき方


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構成図 ~負うた子に教えられ?!~

2009-06-20 | 作文
 作文の前に構成図をかくようになってから、子供たちの意識が変わってきたような気がします。小学校中学年の生徒には、まだむずかしいかと思っていた構成図ですが、むしろ、中学年くらいの方が何の抵抗もなく、楽しく取り組んでいます。構成図と作文との間にギャップがある場合も少なくはないのですが、構成図をかくことによって、考えを広げたり深めたりできることは、それだけでプラスになると思います。作文からだけでは見えてこない子供の知識や考えを知ることができるという点で、私にとっても大きな意味があります。

 今日は、むずかしい感想文に取り組んでいる6年生の生徒が構成図に何をかけばよいのかわからないと質問をしてきました。構成図に決まりはありません。何をかいてもよいのです。その生徒にとっては、何をかいてもよいという自由さがかえってネックになってしまったようです。そんなときは、具体的にアドバイスをします。感想文の元になっている文章を読んでわかったこと、気づいたこと、身近なところで見つけた似た話、それに対する自分の考えなどをかけばよいのだといくつか具体例を挙げながら説明しました。すると、その生徒は、すぐに構成図をかきはじめ、あっという間にすべての枠を埋めてしまいました。

 感想文と一緒に提出された構成図を見ると、それぞれの枠に○印がつけられています。構成図にかいたことをなるべく感想文の中に取り入れようと、文章に書いたものにチェックをしていったのです。誰でも思いつく作業かもしれませんが、そのようなことをした生徒は初めてでした。確かに単純な作業ではありますが、私は非常に感心しました。この方法を使えば、構成図と作文とのギャップを埋めることができるでしょう。もちろん、構成図にかいたことをすべて作文に織り込む必要はないのですが、すばらしい構成図をかいているのに作文に反映されていない生徒の指導には有効な方法なので、これから試してみたいと思っています。

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ほめる指導の大切さ

2009-06-19 | 作文
 子犬を飼い始めました。いろいろとしつけなければならないことがあって大変です。(でも、楽しいです。)しつけのポイントは、大袈裟にほめること。ちゃんとトイレができただけで、「わあ、お利口さん。ゆめちゃん、すごいねぇ。ゆめちゃん、天才!」と何度も繰り返します。(ゆめは犬の名前。)ゆめもうれしそうです。自信たっぷりの得意げな顔をしています。

 私は、作文を教えている生徒に対してもいいところを見つけてとにかくほめるように心がけています。特に、自信がなさそうに「今日はこれしか書けなかった。」とか「話がどんどんそれてよくわからない作文になっちゃった。」などと言ってきたときは、そんな言葉は聞こえなかったように「すごい。こんなに書けたんだ。」とか「さすが、○○君らしい視点で書けているね。」などと全面的にほめます。(実際、本人が思っているほど問題のある作品ではない場合が多いのです。)

 生徒たちが自信を失くしかけるのは、初めて感想文を書くときと高学年になって、急に課題が難しくなるときです。ここでうまくほめることができるかどうかは非常に重要です。自信がなかったのに認めてもらえたという体験は、大きなバネになります。「○○ちゃんは、感想文が得意だね。」と声をかけると、不思議なことに本当に感想文が得意になります。その後の感想文課題のときも必ず「○○ちゃん得意の感想文課題だね。」と言うと、「ええ~、得意じゃないよ。」と言いながらもうれしそうに感想文を書いています。難しい課題に進むときは、事前に「これからはすごく難しい課題になるから、長く書けなくて当然だからね。誰でもみんなそうだから。」と話しておきます。そうすると安心して取り組むことができるようです。もちろん、書き終えた後は、「難しい課題だったのに、最初からこんなに書けるなんてすごいよ。」と声をかけます。

 表記ミスなどは、ひとこと触れておく必要がありますが、「注意はさらっと。ほめ言葉はたっぷり。」という基本を忘れずにいたいと思っています。子供にとって、ほめ言葉の影響力は、大人が考えるよりずっと大きいものなのです。

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感想文 ~はじめに体験ありき~

2009-06-18 | 作文
 小学校中学年のころだったと思います。伝記を読んで感想文を書く宿題が出ました。私は野口英世の伝記の感想文を書きました。まず、考えたのは、感想文を読んでくれる人たちが野口英世の生涯を知らなければ、感想を書いてもわかってもらえないのではないかということです。そこで、まず、本のあらすじを書くことにしました。それだけで原稿用紙を4枚ぐらい使ったと記憶しています。そして、いよいよ感想。あらすじに比べたらほとんど書くことがありません。「もし私だったら……」と想像したことを書くのが精一杯で、感想文とは名ばかりの、大部分が本のあらすじという作品になってしまいました。

 今、振り返るとわかるのですが、私の失敗は、「感想文」という言葉を文字どおりに受け止めてしまったことにありました。素直すぎたのです(笑)。本の内容やそれを読んだ感想を書くことにこだわってはいけなかったのです。本の内容はきっかけにすぎません。自分が体験した、本の内容と似た話を作文として書いていくと考えた方がずっと書きやすくなります。もちろん、その方がユニークで興味深い内容のものが書けます。

 本の内容はきっかけにすぎないと書きましたが、もっと極端な言い方をすれば、感想文の本選びのポイントは、本の内容そのものではなく、自分の体験なのです。本が先にあるのではなく、自分の体験が先にあります。これまで自分の身に起きた出来事の中でいちばん感動的に書けそうなものをさがし、その体験を実例として挙げられそうな本を選ぶというわけです。ただし、この裏技に基づいて本を選ぶのは、子供にはむずかしいかもしれません。お父さんやお母さんが選んであげるとよいでしょう。

 感想文の書き方の流れは、下記のページにくわしく載っています。
読書感想文の書き方

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目標の3位まであと一歩!

たとえと昔話

2009-06-16 | 作文
 昔話は、小さな子供のためだけのものではありません。言葉の森のカリキュラムでは、中学生以上の項目に「昔話実例」というものがあります。昔話を例に挙げながら、自分の意見の根拠を説明するのです。

 昔話は、たとえにも活用することができます。気持ちを表現するときに、昔話の登場人物を思い浮かべてみましょう。

「急いで家に帰らなければならなかったシンデレラのようにあわてていました。」

「鬼退治に出かける桃太郎のように期待に胸をふくらませていました。」

「オオカミがおばあさんに化けていたことに気づいた赤ずきんのように驚きました。」

「玉手箱を開けておじいさんになってしまった浦島太郎のようにただただ呆然としていました。」

 いかがでしょうか。誰でも知っている昔話だからこそ効果的なたとえになるのです。たとえは、わかりやすくなければ意味がありません。個性的でありながら、誰もが納得できるようなたとえを工夫してみてください。気持ちを表すたとえに困ったら、昔話を思い浮かべてみるのも一つの方法です。

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構成図っておもしろい!

2009-06-15 | 作文
 構成図とは、これから書こうとしている作文のテーマについて、思いつくことを順番に短文で書いていくものです。最初は、中学生以上の生徒に白紙を渡し、自由に書いてもらっていましたが、小学生でも作文を書くときの助けになるのではないかということで、小学生(3年生以上)にも書いてもらうことにしました。
 小学生中学年で構成図など書けるのだろうかと半信半疑だったのですが、見本を見せながら、思いついたことを簡単に書いて、矢印でつないていけばよいのだと説明したところ、意外にも非常に積極的に取り組んでくれました。
 抵抗感なく取り組めた理由の一つは、枠組みができているため、その四角い枠を埋めていく感覚で簡単に書けるということだと思います。中学生以上の生徒が、最初に構成図に取り組んだときは、白紙で何の枠もなかったため、戸惑う生徒も少なくありませんでした。不思議なもので、いくつかの枠があるだけで、その枠を全部埋めたいという気持ちになるようです。これは、私自身が経験済みです。枠を埋めていく作業は、ジグソーパズルを完成させていく過程に似ています。完成に近づくのが目に見えるので、やりがいがあり、楽しく作業を進めることができます。
 漫画家志望のYさんは、漫画をかいていくような要領で、短文と絵を見事に組み合わせながら発想をどんどん広げていきます。構成図を書かなかったら、思いつかなかったであろうことがいくつも並んでいます。
 いつもユニークな作文を書いてくれるT君は、自分の意見やそれを裏付ける社会的な実例を次々に矢印でつないでいきます。その構成図をもとに書き上げた作文は、2000字をこえる大作でした。いつもの作文に増して、内容が深く、充実しています。
 どうやら難しく考えすぎていたのは大人だけで、子供たちにとって、構成図は遊び感覚でできるツールのようです。子供たちは本当に柔軟な頭脳を持っているのだなあと驚かされました。
 子供たちの頭の中に眠っている考えを引き出し、深めていく構成図。これからもどんどん活用していきたいと思っています。

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意外性と調和

2008-11-10 | 作文
 山場のない野球の試合を観戦するのが面白くないように、予想どおりに展開していくストーリーは、読む人を飽きさせます。意外な展開があるからこそ、人はそのストーリに引き込まれるのです。作文も同じです。もちろん、慣れるまでは、出来事を思い出して順番に書いていくだけで構いません。でも、少し余裕が出てきたら、「意外な展開」ということを念頭に置いて書いてみましょう。

 意外な展開と言っても、奇抜なことを書く必要はありません。流れを少し変えればよいのです。「前の話・聞いた話」を作文の中に取り入れるのがそのよい例です。最近の出来事を書いた後に、自分の幼いころの話や両親など自分以外の人の話を入れることによって、作文の次元を少し変えるのです。そうすると、今とは違う昔の話、筆者ではなく別の人を主人公にした話に流れが変わるので、読む人は視点を変えて読むことになります。これが作文における意外性です。「起承転結」という言葉を聞いたことがあると思いますが、「転」が、この作文における意外性に当たる部分です。

 このよう考えると、「前の話・聞いた話」をおろそかにすることはできません。この部分こそが作文の面白さを決めるキーポイントとも言えるからです。その前に書いた内容からは想像できないような話が書ければ成功です。そのためには、書き手自身が自分の視線を変えることも必要です。「たぶん、幼い自分はこう考えていたのだろう。」、「このとき、お父さんはこんな気持ちだったのではないだろうか。」など、昔の自分に戻って、また、お父さん、お母さんなど、別の人の立場に立って考え、感想を書いてみるのもよいでしょう。

 「転」の部分で大いに盛り上げたからと言って安心してはいけません。最後の「結」でこれまでの話をうまく総括することが大事です。これまで書いてきた内容をここでうまく調和できるかどうかが最後の腕の見せどころです。最後に意外性の正体を突き止め、今と昔の違い、あるいは共通点、自分と他の人との違い、または共通点を探り出し、まとめることができれば、一つの作品として調和した、説得力のあるものに仕上がるはずです。案ずるより産むが易し。面白い話を取材して、意外性と調和のある作文に挑戦してみてください。