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作文小論文講座

苦手な作文を得意に。小学生から受験生まで、文章上達のコツを項目別に解説。作文検定試験にも対応。

言葉の森作文講師資格講座 項目指導レベル2(2)

2010-04-15 | 作文
● 題名の工夫

 作文の内容に合った題名を考えて、さらに、話の中心がわかるように題名を工夫します。指導する際は、単に題名を工夫するように言うのではなく、題名を「○○な○○」「○○の○○」「○○だった○○」という形になるように工夫するようにと説明します。いくつが具体例を挙げるとわかりやすいようです。


● もし…だったら

 「もし私が○○○だったら……。」のように自分になぞらえて書く書き方と「もし月が四角だったら……」のように事実とは異なる展開を想像して書く書き方があります。自由に想像してよいので、子供にとっては使いやすい項目のようです。
 感想文などで似た話が書きにくい場合なども、「もし…だったら」と、想像した話を書いて題材をふくらませます。


● 前の話・聞いた話・調べた話

 作文で話題の転換をする練習です。小学生の子供の書く作文は、事実の経過を時間の順序で書く形になることが多いため、中心を絞って書くように要求すると字数が短くなってしまうという問題が出てきます。話題の転換は、中心を絞りながら話題を広げていく練習です。
 四段落ぐらいの構成で書いているときに、第三段落で、昔の思い出やおうちの人に取材した話、あるいは調べた話などを挿入していきます。聞いた話は、お父さんやお母さんに事前に話しを聞いて準備しておくことが必要です。
 調べた話は、百科事典やインターネットなどであらかじめ調べておくことが必要です。本で読んだ話を入れてもよいでしょう。


● いろいろな言った

 会話を書くときに、「言いました」のかわりに動作や表情で表わす練習です。「私は、『おはよう。』と笑いました。」、「私は『おはよう。』と手をふりました。」など、わかりやすい例を挙げて説明します。「……とほほえみました。」「……とふりかえりました。」「……とくやしがりました。」「……と余裕を見せました。」など話し手の動作や話し手の気持ちがわかるように表現します。


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言葉の森作文講師資格講座 項目指導レベル2(1)

2010-03-08 | 作文
 項目指導レベル2では、小学校中学年の指導項目について説明していきます。

 小学校中学年の作文指導でいちばん大切なことは、表現を工夫し、話の幅を広げて、個性的な作文を書くことです。低学年のうちは、自由な題名で、書けそうなことを選んで書けばよいのですが、中学年からは、テーマを決めてそのテーマにそった作文を書くように指導します。ユニークな作文が書けたら、新聞やコンクールなどに応募して自信をつけさせましょう。

●書き出しの工夫

 会話・色・音・情景で書き始める練習です。書き出しに、会話、色、音、情景を入れて、読み手を引きつけるような効果を出します。なかなかできない子供には、作文を書き終えてから冒頭に入れる会話や音を一緒に考えてもよいでしょう。

 一度慣れてしまえば、比較的簡単に取り入れることの項目です。簡単なわりに効果が高いので、小学校3年生になったら、積極的に指導します。
 
 最初は、会話か音がやりやすいようですが、慣れてきたら、色や情景の書き出しも練習します。
 
●中心を決める

 「いちばん……のは、……です。」という形で、作文の中心を決めて書いていく練習です。「いちばん」という言葉は、絶対に入らなければいけないというわけではなく、中心の絞られた作文になっていれば良しとします。

 たとえば、遠足に行ったことについて書く場合、低学年ほど、朝のことから帰りのことまで全部書こうとするものですが、中学年になったら、「いちばん楽しかったのは、……です。」というように、一つのことに中心を決めて書くように指導します。

●自分だけが思ったこと

 ほかの人が思わないような思ったことを書く練習です。誰もが持つような感想ではなく、ユニークな感想を書きます。

 「楽しかった」「おもしろかった」のようなありきたりの感想ではなく、「自分だけが思ったこと」「自分しか思わないような思ったこと」「自分らしい思ったこと」を書くように説明すると分かりやすいようです。

 たとえば、「自分で作ったおにぎりはおいしいと思いました。」ではなく、「自分で作ったおにぎりは、最高においしかったので、ぼくはおにぎり作りの天才だと思いました。」など、思ったことをひとひねりして書いたり、たとえを使ったり、想像したことを入れたりすると個性的な「思ったこと」になります。


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言葉の森作文講師資格講座 表記指導レベル1(1)

2010-03-05 | 作文
 低学年のうちは、楽しく書くことがいちばんです。表記ミスはあってあたりまえ、学年が上がるにつれて、自然に直っていくものなので、深刻に考える必要はありません。正しい表記を教えることよりも、楽しく読んだり書いたりする習慣をつけることが第一です。ここでは、一応、低学年のうちに身につけておきたい表記について説明しますが、徹底的に叩き込むようなやり方はお勧めしません。

●行を続ける

 段落をつける前段階の指導として、会話以外はすべて行を続けて書きます。一文ずつ行を変えたりせず、「。」の後は続けて次の文を書いていきます。

●会話行がえ

 会話のカギかっこの前と後は行を変えて書きます。行を続けて書くことが間違いというわけではありませんが、特に小学生の場合は、行を変えた方が読みやすいので、会話の前と後は改行をします。

 これは、言葉だけの説明ではわかりにくいので、実際に書き示しながら指導します。

●それで少なく

 低学年の子供は、「それで」「そして」「それから」「そうしたら」などの接続語を多用しがちなのですが、これらの接続語は少ない方が文章が引き締まります。

 「『それで』という言葉は一枚の作文用紙に一回だけは使っていいから、あとは読み返して消しておこうね」と具体的な数字を挙げて指導すると、子供は自分で気をつけるようになります。


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言葉の森作文講師資格講座 項目指導レベル1(4)

2010-03-04 | 作文
●思ったことを長く

 結びに思ったことを書けるようになってきたら、思ったことをくわしく書く練習をしていきます。「楽しいと思いました。」「悲しいと思いました。」だけではなく、「……ので、楽しいと思いました。」「どうして……か不思議に思いました。」など、思ったことをできるだけくわしく長く書くように指導します。特によく書けたときは、それを取り上げてほめると、だんだん思ったことを長く書くコツがわかってきます。

●とちゅうの思ったこと

 作文の結びだけでなく、途中にも思ったことを書く練習です。結び以外にどこか一箇所でも思ったことが書いてあればよいとします。できれば、一箇所だけではなく、作文の途中のところどころに思ったことを入れて変化が出るように指導します。

 小学生の作文の場合、事実だけを順番に書いていくことが多いのですが、そのところどころに思ったことを入れることによって、文章に変化と奥行きが出てきます。

●声顔動作のようす

 会話の前か後にその人の表情や動作を書く練習です。「笑いながら言いました。」「困った顔で言いました。」「手をふりながら言いました。」「おじぎをしながら言いました。」など、話し手の顔のようすやそのときの動きを書くように指導します。

 表情や動作を入れることによって、会話が生き生きとしてきます。一度、具体的に説明すれば、ほとんどの子供がすぐに取り入れることのできる項目です。


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言葉の森作文講師資格講座 項目指導レベル1(3)

2010-03-02 | 作文
●会話

 カギかっこを使って会話を入れる練習です。最初は、「おはよう。」「ありがとう。」などといった短い会話で構いません。慣れてきたら、実際に話したことを思い出しながら、会話らしく書いていきます。

 カギかっこの前と後で行をかえるということも、実際に見本を示しながら指導します。

●どうしてかというと

 「どうしてかというと」という言葉を使って理由を書く練習です。これは、子供たちにとっては使いやすい項目です。なかなか使えない場合でも、例を挙げて何度か説明すればすぐに使えるようになるはずです。

 最初は、気持ちを書いた後に入れるとやりやすいようです。「えりちゃんは、とてもやさしいと思いました。どうしてかというと、私がころんだときにたすけてくれたからです。」といった具合です。

●□○□○

 「きらきら」「カラカラ」など、繰り返す言葉を使って、状態や動きなどを表現する練習です。最初は、指導者が、使いやすそうな箇所を見つけて、どんな様子だったかを繰り返す言葉で表すように誘導します。

 イメージとは違う言葉が出てきたとしても、決して否定したりはせずにほめてあげましょう。普通の人の感性では理解できないような個性的な表現をする子供は、将来有望です(笑)。


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言葉の森作文講師資格講座 項目指導レベル1(2)

2010-02-28 | 作文
●たとえ

 実際に指導する際は、「たとえ」という言葉ではなく、「まるで……みたい」「まるで……よう」と、具体的に説明します。低学年では、まだうまく使えない子供も多いので、例を挙げて説明します。自分で思いつかないときは、先生の例をまねさせても構いません。「何に似ているかな?」と聞きながら指導していくのも効果的です。低学年のうちは、形ができていれば上出来です。

 ときどき、「たとえ」を「たとえば」と勘違いする子供もいます。そのような子供にも、「まるで」という言葉を必ず使うように指導すると、自然にわかるようになります。また、身の回りのものをたとえを使って表現するなど、日常生活の中でゲームのようにたとえを楽しむ工夫をするとよいでしょう。

●思ったこと

 「楽しかったです。」「おもしろかったです。」など、単純な感想を書いてしまいがちな結びを一工夫する練習です。ただ「楽しかった」「おもしろかった」ではなく、自分なりに思ったことを書いてまとめるために、「思いました」という言葉を使うように指導します。

 最初は、「楽しいと思いました。」「おもしろいと思いました。」というように形だけになってしまっても、「思いました」が使えたことを認め、ほめてあげましょう。どこが楽しいと思ったのか、どうして楽しいと思ったのか、また、楽しいと思ったからどうしたいのか、などを考えさせると、思ったことを長く書けるようになります。ただ、この過程は急がず、時間をかけて指導していく必要があります。

 「思いました」というありきたりの言葉を使わない方がよいという意見もあるようですが、低学年のうちは、「思いました」という言葉を使って思ったことを書くという指導で十分です。子供の成長に合わせて、感想や意見の表現の仕方を広げていけばよいのです。


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言葉の森作文講師資格講座 項目指導レベル1(1)

2010-02-27 | 作文
 項目指導レベル1では、小学校低学年の指導項目について説明していきます。

 小学校低学年の作文指導でいちばん大切なことは、楽しく書いて、書くことを好きにさせることです。表記ミスがあっても、字数が短くても主語と述語のある文を書けていたらたっぷりほめてあげましょう。文を書くことに慣れてきたら、比較的簡単に入れられる項目から指導していきます。

●はじめに絵をかく

 これは、作文の中心を決めるための指導です。絵をかくことによって、何がいちばん印象に残ったのかを子供自身が認識し、焦点のしぼられた作文になります。

 しかし、絵とはあまり関係のない作文になってしまったとしても気にすることはありません。絵をかいているうちに夢中になりすぎて、作文に書くことを忘れてしまったのでしょう。それなら、何のための絵をかいたのかということになりますが、教える側も子供の気持ちになって、そのあたりを深刻に考えないことが大切です(笑)。

 子供は絵をかくのが大好きですが、中には、絵をかくのが好きでないという子供もいます。そのような子供には、棒人間など簡単な絵でよいと指導します。

●名前・数字

 友達や場所などの名前、時刻や量などを表す数字を書くと、正確な文章になります。数字や名前をくわしく書くことは、作文の表現の面白さには直結しないので評価されることの少ない分野です。しかし、低学年の子供や作文の苦手な子供でも簡単に入れることのできる項目なので、積極的に指導し、できたらたっぷりほめます。

 縦書きで書くとき、数字は漢数字を使うのが一般的です。子供が、縦書きの原稿用紙に算用数字を書いていたら、数字をくわしく書いたことに対してプラスの評価をした後で、さりげなく漢字で書いた方がよいと教えてあげましょう。ほめるときは大袈裟に、注意するときはさりげなくがポイントです。


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構成図――このわずかな手間が作文を変える!

2010-02-26 | 作文
 言葉の森では、作文を書く前に構成図(小2以下は絵)を書いてもらっています。テーマを決めたら、そのテーマに関連する出来事、自分の思い、家族に聞いた話など、思いついたことを四角い枠の中にどんどん書き込んでいくのです。そして、考えた順番がわかるように矢印で結びます。

 構成図を書くのに時間がかかってしまうのではないかという私の心配は杞憂でした。小学校3~4年生の子供たちも楽しく構成図を書き、それをもとに作文を書いています。小学校5年生以上の生徒の構成図は、文句のつけようのない立派な設計図になっています。この構成図があれば書きたいと思ったこと、途中で思いついたことなどをもらすことなく作文に盛り込むことができます。

 先日、日経新聞の取材を受けたのですが、その際、記者の方がこの構成図に強い関心を示していらっしゃいました。四角い枠がいくつか並んでいるだけのA4サイズの用紙ですが、この用紙が非常に重要な役割を果たすのです。

 そのときの記事はこちらです。
  ↓
 http://www.mori7.com/pr/e/pr20100115.jpg

 急がば回れ。手早く、内容の濃い作文を書きたければ、構成図を書く手間を省くわけにはいきません。一度試してみるとそのよさがわかると思います。


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上位10%以内に入れるか?

2010-02-25 | 作文
 先日、お知らせした「作文の日コンクール」ですが、自動採点ソフト「森リン」の集計をもとに、言葉の森事務局が採点します。

 http://www.mori7.net/mori/20100201.html#14535

 「森リンって何?」という方は、下記のページをご覧ください。自分の作文が何点ぐらいか、実際に採点することができます。

 http://www.mori7.info/moririn/moririn1200.php

 これは1200字用なので、1200字以上の作品でないと高い得点は出ません。高得点を狙うなら、1200以上書くことが必要です。また、思考力、知識力、表現力の三本柱で評価されるので、それぞれにあてはまる言葉を使いこなさなければなりません。さらに、リズミカルな文章であることや語彙の豊富さも点数に影響します。森リンの内側は非常に複雑なので、あれこれ頭で考えるよりも実際に文章を書いて、採点してみるのがいちばんわかりやすいです。是非、試してみてください。試行錯誤しているうちに、高得点を出すコツがわかってくると思います。

 こちらは150字用。

 http://www.mori7.info/moririn/moririn.php

 低学年の人は、このページで試した方がよいと思います。

 上位10%以内に入るのは至難の技です。コンクールで入選を目指すなら、まずは、上位10%以内に入ることを目標にがんばってください。


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作文上達のための7つの法則

2010-02-23 | 作文
1.書くことに対する敷居を低くする。

 完璧を求めない。
 日常的に気軽に書く習慣を作る。

2.事前指導をしてから書かせる。

 作文のポイントを事前に指導しておく。
 書いた後に注文をつけても効果はない。

3.とにかくほめる。

 いいところを見つけてとにかくほめる。
 書いたことだけでもほめる。

4.注意は最小限に留める。

 否定するような注意の仕方はしない。
 軽くさらりと注意する。 

5.読書の時間を確保する。

 読書は、語彙力、表現力を高める。
 書く力は読む力に支えられている。

6.音読、暗唱を日課にする。

 音読・暗唱により、自然な文の流れを体得できる。
 体を使って学習したことは定着しやすい。

7.親子の会話を大切にする。

 作文の幅を広げるためには大人との会話が不可欠。
 作文の質を高めるための刺激にもなる。
 

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作文の日コンクール

2010-01-23 | 作文
 3月9日は作文の日です。言葉の森では、作文の日を記念して下記の要領でコンクールを行います。
○テーマ……「私の記念日」
○受付期間……2010年2月1日~3月31日
○発表……2010年4月1日
○応募方法……パソコンで入力したものを「ネット作文コンクール」のページから送ります。
http://www.mori7.info/conc/
○応募資格……だれでも可(言葉の森の生徒以外の方も受け付けています)
○字数(正味の字数です。スペースの部分は字数として数えません)
 ▽小1……200字以上(幼長も含む)
 ▽小2……400字以上
 ▽小3……600字以上
 ▽小4……800字以上
 ▽小5……1000字以上
 ▽小6……1200字以上
 ▽中学生…1200字以上
 ▽高校生…1200字以上(大学生社会人も含む)
 ※森リンで集計しますので、字数が多い場合でも上記の規定の字数までしか採点されません。例えば、小1の生徒が200字書いても300字書いても、採点の対象になるのは200字までです。
○賞品
 ▽大賞……5万円相当(1名)
 ▽優秀賞……5千円相当(10名)
 ▽佳作……(若干名)
 ▽参加者全員に、森リンの採点結果を表示
○選考……森リンの集計をもとに言葉の森事務局が採点します。

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作文コーチング ~親の関わり方~

2009-08-11 | 作文
 子供の作文につきあっていると、注意するところばかりが目について、つい叱ってしまうという話をよく聞きます。このような保護者の方の気持ちは、本当によくわかるのですが、いくら注意しても、いくら叱っても作文は上達しません。

 子供を作文嫌いにさせないために必要なことは、事前指導とほめることです。事前指導は、敷居を低くし、まずは、子供が無理なくできることから始めます。そして、子供の様子を見ながら少しずつ敷居を高くしていきます。どんなに簡単なことでも、指導したことができていたら、たっぷりほめます。これは、幼稚園児であろうと、小学生であろうと、中高生であろうと同じです。(大人になっても、ほめられると嬉しいものです(笑)。)

 表記ミスについては、指摘はしますが、叱ることはしません。もう過ぎてしまった失敗については、本当はどうすればよかったのかが重要なだけで、その失敗の穴を掘り下げる必要はないのです。子供も、ミスをしたくてしたわけではありません。

 さらに、ミスではないけれど、平凡な文章でつまらないというような理由で作文が下手だと決めつけてしまうこともよくあるようですが、これも大きな間違いです。作文の勉強というものは、縦軸の勉強です。同じ学年の人たちと比べて順位を出すような横軸の勉強ではありません。その子供の成長過程を如実に表すのが作文です。以前書いた作文より少しでもいいところが見つかったら、その子供は、着実に力をつけているということなのです。もちろん、そのためには、読書や長文音読、親子の対話などの日々の積み重ねが大切です。

 『塾不要 親子で挑んだ公立中高一貫校受験』(鈴木亮著)という本の中に、親子の関わり方について、なるほどと思うことが書かれていました。著者の鈴木亮さんは、新聞社に勤務する多忙なお父さんです。毎晩、息子さんの就寝後に、答案をチェックしていたそうですが、後で振り返って、「これが食卓の横に座り、そのたびに「。を忘れているぞ」「縦書きなら漢数字だ」などと怒鳴っていたら、次男もうんざりしていたのではないか。」と記しています。(注:鈴木家では、長男も次男も食卓で勉強をしているそうです。)

 子供を作文嫌いにさせない一つのコツは、子供が作文を書いているときには近寄らないということになるのかもしれません(笑)。対話の時間はほとんどなく、作文を書くときだけ子供にべったりというのは本末転倒と言えそうです。

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名言の引用 ~ゆめの日記より~

2009-08-01 | 作文
 中学生以上の人は、作文の中に名言を引用してみましょう。名言は、言葉の森のホームページにある「名言の木」を参考にしてみてください。繰り返し読んで、覚えておくとよいでしょう。

名言の木

ゆめの日記より

「お母さんは、犬のしつけ方についての本を何冊も買ってきて熱心に読んでいる。『ことごとく書物を信ずれば、書物を読まないことと同じである。』という名言もあるように、本に頼りすぎるのはやめた方がよいと思う。」

「惜しくもシートの手前でおもらしをしてしまった。『道は近くても、行かなければ到達しない。』という名言があるように、シートの上まで行かなければダメなのだと反省した。」

「またおもらしをしてしまった。お母さんは、「ここにもシートを敷いておけばよかった。」と嘆いている。『人間というものは、結果から事のよしあしを判断する。』という名言があるが、過ぎてしまったことをあれこれ言っても仕方がないのではないだろうか。」

「『何事もしない者だけが失敗もしない。』という名言があるが、トイレを我慢するにも限界がある。」

「『出口のないトンネルはない。』という名言を信じて、明日こそはおもらしをしないようにがんばろうと思う。」


(注)本物の日記は、肉球で綴られていましたが、日本語に翻訳しました。

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ダジャレ表現を究める

2009-07-25 | 作文
 作文講師になって早10年。言葉の森独自の項目指導の中で、私が特に力を入れてきたのはダジャレ表現です。というのは大袈裟ですが、「ダジャレは苦手です。」と小声でつぶやき、作文の中にダジャレを入れることを頑なに拒否する子供たちのために、たくさんのダジャレを考えてきたことは事実です。

 下の文章は、小学校5年生の男の子が書いたものです。(本人の許可を得て掲載しました。著作権は、この生徒にあります。)使われているダジャレのほとんどは、私も以前考えたことのあるものですが、数々のダジャレを見事に文章の中に織り込んだところは、すばらしいの一言です。しかも、この作文のテーマであるアメリカ人と日本人の違いを見事に表現しています。

=====
 日本人とアメリカ人の差は何なんだろう。まず、ごまの数をごまかすのが、アメリカ人。繊細なセンサーでもかなわないというほどきちんとやるのもアメリカ人。「勝ちには価値がある」というのがアメリカ人。「銅賞だった。どうしよう」というのが日本人。「あったかい飲み物があったかい?」と探し回るのがアメリカ人。最初から探して、「しみじみとシジミを食べる」のが日本人。「しかをしかろう」というのがアメリカ人。「豚をぶたないで」というのが日本人。あせりすぎて、「たんすで指を打ったんす」と言うのがアメリカ人。「ねぇ、坊や。寝坊しないでね。」というのが日本人。そう考えると日本人とアメリカ人は、ハトがはっ、と驚くほど差があるのだ。
=====

 これこそ作文におけるダジャレ表現の真髄。私もまだまだ勉強しなければと思った次第です。ということで、ひとつ考えてみました。「「地震が起きても自信たっぷり」なのがアメリカ人。「私が委員長でいいんでちょうか」というのが日本人。」いかがでしょうか。

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作文コーチング ~五つの意識レベル~

2009-07-20 | 作文
 NLPの本を読み、ニューロロジカルレベルについて知りました。ニューロロジカルレベルとは、五段階の意識レベルのことで、「環境レベル」「行動レベル」「能力レベル」「信念・価値観レベル」「自己認識レベル」を指します。これらの五つの意識レベルは、上位のレベルが下位のレベルに大きな影響を与えます。たとえば、「信念・価値観レベル」は「能力レベル」に大きな影響を与えます。

 この意識レベルを作文に当てはめて考えてみましょう。「作文を書くことは、人間の幅を広げることにつながる」という信念を持っている(信念・価値観レベル)人は、作文が上手になりたいと思う(能力レベル)はずです。当然、作文の勉強にも意欲的に取り組みます。(行動レベル)作文教室に通って勉強しようと思うかもしれません(笑)。(環境レベル)作文を指導する側も、「作文の勉強をすることは、人間性を豊かにする」というように、作文に対してプラスの信念を持っている人ほど熱心に作文の指導に当たるでしょう。

 この五つの意識レベルについて知っておくことは、実際の指導の場面でも大いに役立ちます。生徒の作文をほめたり、注意したりする際に、五つの意識レベルのどこに触れているかに注目し、「自己認識レベル」や「信念・価値観レベル」を否定することのないようにしなければなりません。また、「能力レベル」や「行動レベル」を注意する際は、何が悪かったかに焦点を当てるのではなく、どうしたらよくなるかを重視するべきです。そのためには、作文を書いた後で、マイナス面を指摘するのではなく、作文を書く前により良い作文を書くための指針を与えておくことが非常に重要です。

 「能力レベル」や「行動レベル」をほめる際には、能力そのもの、行動そのものをほめると同時に、下記に挙げた例のように、書き手のアイデンティティー(自己認識)レベルに触れながらほめることができます。

 「文字がていねいに書けている。」→「几帳面である。」
 「時間をかけてじっくり書いている。」→「粘り強い。」
 「短い時間で書き上げる。」→「集中力がある。」
 「理路整然と書けている。」→「物事を論理的に考えられる。」
 「深い感想が書けている。」→「思慮深い。」
 「細かい描写がうまい。」→「観察力がある。」
 「おもしろい作文が書けている。」→「ユーモア感覚が優れている。」

 自己認識レベルで自信をつけた生徒は、ますます積極的に作文の勉強に取り組むでしょう。五段階の意識レベルにプラスの流れを作っていくことが生徒の能力を伸ばすことにつながるのです。

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