多分駄文のおじさん日記

我輩は駄文を書くおじさんである。旅、音楽、MLB、株式投資、etc., 日々想いつくままに思いを巡らすのである。

Washington Nationals

2005-04-20 00:22:28 | Weblog
WashingtonネタxMLBネタをひとつ。

今年から本拠地をWashington D.C.に変えたNationals.
日本の某新興球団と違って出足快調、頑張っている。
昨日は残念ながら大家友和投手の先発で敗れ、6連勝はならずだったが、8勝5敗。
ブレーブスやフィーリーズ等強豪ひしめくナショナル・リーグ東地区のトップに立っているのはちょっとした春の椿事か。

このWashingtonという街、どうもあまり野球の街、という感じがしない。
大都市ならどこにでも見つけることが出来るスポーツショップがそもそも見つからないが、お土産屋などでも通常ある地元チームの野球帽なども全く見られないのだ。実は、今回のWashington訪問では、この新NationalsのCapをHome Game用、Away用と買って帰ろうと思っていたのだが、とうとう売っている店さえ見つからなかった。帰りの空港でも探したが、売っているCapはFBIとかPentagonとか、地元の機構的なものが幾つかあるだけ。
街を歩いている人々も他の都市と異なり、野球帽姿のひとは見かけない。

また、現地の新聞、Washington Postを読んでも、3月当時のスポーツ欄は連日殆どCollege Basketballの記事で埋め尽くされており、野球の話題は隅に極僅かだけ、という惨状であった。オープン戦での松井の活躍などは当然取り上げられる筈もなし。

この話を米国本社の同僚に話したら、そもそもWashingtonはスポーツで言えば、フットボールとバスケットボールの街だという返答だった。野球はWashingtonから北に小1時間車で移動してMaryland州の大都市Baltimoreに行くのが良い、という。
Baltimore Oriolesが本拠とするCamden Yardsは(今はOrioles Parkと呼ばれている?)裏びれた倉庫状の壁を外野右翼背後に置いたり、如何にも古きよき時代の、緑の芝生の上の素朴なBaseballの場を演出しており、なかなか人気も根強いようだ。果たして、わざわざ新球場建設を含めた経済的な負担をおしてもWashingtonに球団を誘致するだけの意味あるのか、という議論も結構あったように聞く。

しかし、取り合えずNationalsの出足が良く、Washington市民も喜んでいる筈。
勝利は全てを覆いつくしている。

このナショナルズ、何と現在はオーナーとなる者がいなく、大リーグ機構が球団を管理しているのだという。去年まではカナダ・モントリオールに本拠を構えていたが、客の入りが極端に悪く、移転先を探した末がこのWashingtonだったという。
Nationalsが勝てば、観客動員も当然増えてくる。最近の流行言葉ではないが、企業価値も上がり、ここに投資しよう、或いは、所有しようという桁違いの金持ちも出てくる可能性が出てくる。
狭い日本で法の目くぐってせこいM&Aに奔走するより、いっそ昨年の楽天との近鉄バッファローズ争奪戦で敗れたリベンジをここで果たし、このNationalsのオーナーとなったらどうだろうか、ホリエモン君!

Washington D.C.(7) National Gallery of Art Part-2

2005-04-19 23:28:23 | Weblog
日曜日のNational Gallery開館時間は少し遅くて11時。
待ち切れない人たちが既に大勢、入口近くにひしめいている。

東館は現代アートの館である。近代以前の美術品を揃えた西館とは対照を成している。

幾つかの見覚えのあるタッチの壁画などが大きな空間に設置されている。取り合えずはここでまずはアートの香りを体に染み込ませ、次に西館へ行く、という点ではほど良い助走区間となっているようだ。(3月6日訪問)

「想定外の」終わり

2005-04-19 00:04:43 | Weblog
ニッポン放送争奪を巡るライブドアxフジテレビの買収戦は、週末にかけて急展開、あっけなく収束したようだ。
ライブドアが保有するニッポン放送株をフジが全株取得し、ニッポン放送を完全子会社化のうえ業務提携することで合意、和解したらしい。フジはライブドアが実施する440億円の第三者割当増資に応じ、最終的にライブドア株の12・75%を保有。和解に伴いフジがライブドアに支払う資金は何と約1470億円に上る。

何ともつまらない終結の仕方であった。
「劇場型ライブ」、これまではそれぞれが役者を演じてきて見るほうからも面白かった。
成り上がりのやんちゃ坊主に、利権意識の強い悪代官、経営者の器ではなかったDJ・制作畑出身のサラリーマン社長、と聊か陳腐ではあったが、それぞれの役者に見所もあった。M&A用語も飛び散り、多少教養講座のような様相もあり、社会的・特に経営的な問題提起も少なからずあったが、SBI北尾のオッサンが出てきてからは、急にドラマとしては面白くなくなった。
舞台に居て舞い踊っていた役者が皆萎縮してきたような感じになってきたと思っていたら、最後はこの始末。
本来は、ホリエモンの志が遂げられず経済的にも破綻し奈落の底に落ちるようなシナリオが面白かったし、本人の為だったのではないのだろうかと期待しておった。見るほうとしてもそうでなければカタルシスはない。(最近の文芸春秋の特集にもそんな投稿があったように記憶している。)

「焦土作戦」とか言いながら結局はニッポン放送を見捨てることが出来なかったフジテレビ、1470億円のバカ高い授業料まで払わされた。幾ら早期に問題を収束させたいとは言え、TOB価格5950円を遥かに上回る6300円でライブドアからニッポン放送株を買う、というのは如何なものか。
一般株主やTOBに応じた株主からみれば著しく不公平な対応である。 みすみすホリエモンを喜ばせるような条件まで出さざるを得なかった背景が良く見えてこない。 
一方、ホリエモンも、ニッポン放送には長期投資する、とか言いながら、結局はサヤ取りに終わってしまい、放送ビジネスへの大きな志というものが最後まで表層的なものでしかなく、やはり本質は単なるGreenmailerだったか、という印象しか残らなかった。最後は、普段のマスコミに対するぞんざいな口の利き方から一変、奇妙な丁寧言葉で、失望!
我輩にとっては、「想定外」の実につまらない終結であった。

記者会見を終え、カメラマンの注文に応じて四者が手を重ねあうのは愚かしい。茶番である。
このときばかりは、初めてであるが、フジテレビ側に同情を禁じえない気分となった。
表情が各者の立場を良く捉えているナア。
サラリーマン社長、カメちゃんだけが、取り合えずは会社も空中分解せずにホッとした表情で、素直にこの終結を喜んでいる風だったのが印象的。
日枝、村上両フジテレビ首脳は渋い顔だ、今更文句も言えないだろうが。
本当に業務提携、上手く行くのだろうか?まだひと波乱もふた波乱もあるのではないか?

一方、ホリエモンも、これで収まる器ではないだろう。
問われているのは、業務提携で何をする?の筈だが、どうもそれよりは、手にしたキャッシュで次は何する? こちらの方に大きな関心を持っている筈。
この69日間の闘争でマスコミから浴びた脚光は決して忘れられないことだろう。
次のスポットライトに入ることを考えない筈はない。悪い癖だ。
いたづらに世間を騒がせることなく、是非ともまっとうな事業で評価を受けるよう精進してもらいたいものだが...。

結局は、当事者間では、勝者なき戦いのように見えた。
ホリエモンもフジテレビもその対応においては信用に値する経営としての見識や尊厳は見えなかった。負け、と言う点では、経済的損失において、フジテレビはより大きく負け!

得をしたのは、黒子に徹してライブドアから莫大な手数料を獲得したリーマン・ブラザーズ、一方、損をしたのは生兵法は怪我の元、宜しく、金儲けに色気を出して損したライブドア株投資したサラリーマン、なんちゃって。

いや、これで本当に終わったのかな...?  

オジサン写真館サイトで、写真をアップ!

2005-04-17 12:57:18 | Weblog
3月の出張で行ったWashington D.C.(只今当サイト連載中)、およびNew Yorkで撮影した写真を別サイト、"多分駄文のおじさん写真館"で公開!!

こちらのサイト(米TypePad社)は1月末以来ずっと更新をサボっていたが、運営会社の米国Six Apart社から料金請求のメールが入っていた。クレジットカードの更新をせよ、という、いかにも英文を訳したようなちんぷんかんぷんの日本語(この感覚、自分でも訳す側の立場になるので、良く分かるんデス)のメールであり、日々更新も出来ないのでもうそろそろ止めようかとも思っていたが、一方折角造った「写真館」はやはり残したいな、と迷ってもいた。

その後、Six Apart社からもうひとつのメールが来た。
前のメールは無視してくれ、そのまま自動更新する、という内容のものが来たのである。やはり、前の妙ちくりんなメールはどう見てもおかしいが、まともな日本人スタッフが気付いて訂正に及んだのだろうか。
ということで、同写真館サイトは継続することにした。
料金を払っている限り、少し写真でもアップして払う料金の元を取ろうというわけで、...

(1) Washington 2005
(2) NY Ground Zero March 2005
<クリックのうえ、覗いてやって下さい>

以上二つのアルバムを加えた。
NYの方は更に増やす予定。
Ground Zeroについては、当「多分駄文のオジサン旅日記」でも触れようと思っている。
忌まわしい事件の記憶もまだ生生しいが、一方ではすっかり観光名所になっているこのGround Zeroへの思いは聊か複雑なものがあった。


Washington D.C.(6) National Gallery of Art

2005-04-17 10:15:37 | Washington D.C.
Washingtonネタを書こう、書こう、と思いきや、どんどんと後回しになってしまった。3月上旬の訪問だったので、もうあっという間に季節も変わってしまったことだろう。ポトマック河の桜ももう流石に散ってしまったか?

国会議事堂を先ず拝んだ後に行くのはNational Gallery of Art、
http://www.nga.gov/
この街は碁盤の目状になっており、各種の博物館が連なっているが、手始めには歴史と伝統あるこのNGAを訪問するのが我がパターンになっている。地図の茶色の部分がNGAだが、東館、西館、そして彫刻ギャラリーの3館から成っている。

このNGAも含めて、ここいらにある博物館は殆どが入場無料というのが嬉しい。
概ねNew Yorkの博物館、美術館になると$10-$20ほどの入場料が普通であるが、ここではその料金は要求されていない。その分、美術小物・書籍などのお土産や食事に費用を回すことが出来るわけだ。Washingtonはふところに優しい街である。(続く)

3人組のReunion-Part 2

2005-04-17 01:58:14 | Weblog
4月9日に赴任地のシンガポールから一時帰国したH氏を成田まで迎えに行った記事を先日書いた。
次の彼との面会機会は、23日土曜日に彼を入れた仲良しオジサン三人組でテニスをやり、その後三人組の一人S氏のお姉さん夫婦の経営する千葉市稲毛区の寿司屋へ赴き、三人組皆夫婦揃って寿司を食べよう、という予定になっている。三組の家族付き合いが出来る、というのも嬉しいものである。

しかし、23日まではとても待ちきれず、三人組で金曜日夜飲もう、ということで、15日夜新浦安駅に集合することになった。
そもそも「超煩雑な決算作業がヤマを越えて多忙な時間も何とかなりそうだ」、という上記S氏(某社財務部長)のお声で集まることになったのだが、そのS氏、前日になって複雑なる内部諸事情により決算作業やり直しとなったとのこと、当日も朝からてんやわんやされていた模様。「自分から誘っていながら行けなくなった、言いだしっぺなのにゴメン!」というメールが15日朝入っていた。

が、そのS氏も何とか遅れながらも先着の2人がいる「じゅうじゅう」という店に合流し、三人組のReunion Part 2 が始まった。
H氏のシンガポールでの生活ぶり、仕事ぶり、などの話を聞く。
南国の地で、極めて人間らしい生活を送られているとのことで、「もう日本には戻りたくない」と冗談半分(?)に言われていた。確かに、日本のいびつでストレスフルな環境は、世界的に見ても異常であると日頃より思っている我輩には、ストレートに分かるお話である。

だいぶ酔いも快く廻り、お腹も満腹となり、次に新浦安駅裏の『オリエンタルホテル』地下2階のバーに行く。ここは、ディズニーランドにも近く、ディズニーの外人スタッフなども仕事の後集まって楽しんでいる、国際色豊かなお洒落な店である。
丁度、ジャズバンドが生演奏をやっていて、場も盛り上がりつつある様子である。

デキシー風のジャズ名曲何曲や、"You'd be so nice to come home to"と言ったスタンダードなど雰囲気はなかなか楽しいゾ!
いよいよ最後の曲ということでお馴染みの「聖者の行進」、バンドのメンバーが客席の間を一列になって練り歩きながらの演奏。ピアニストの女性が客に小さな傘を何人かに渡し、一緒にバンドメンバーの後を歩くよう促す。「聖者の行進」というよりは、聖者ならぬ、愚者・珍者の行進か?

前方のテーブルに陣取っていた我々のほうにも傘は差し伸べられ、予想通り、遊びの達人・ラテン系のメンタリティ持つH氏は傘を受け取りバンドの列に加わり、傘を振りかざしながら踊り歩く。流石に自分も楽しみ、他人も楽しませるH氏の面目躍如である!と思ったのも束の間、いや、H氏だけではなく、堅物(?)財務部長S氏も何と傘をもらって行列に加わっているではないか!楽しそうにやはり傘を頭上に降りながら腰をふりふり行列の最後を練り歩いている。あららのら!
曲は最後のフィナーレを迎えて盛り上がり、場内も熱狂の度は最高潮へ。
トランペットもトロンボーンもドラムもベースも、あらぬ限りの音量で曲のの最後、クライマックスを迎えようとしている。
場内を一周して再びステージで最後の演奏の瞬間を迎えるバンドメンバーの前で、何とS氏が細かなステップを踏んだインディアン踊り(?)を披露。
その回転の利いたステップは形容しがたいリズムと乗り、それに意外感も加わり、いや圧巻でした。
このときばかりは、我輩だけではなく、ステージに注がれていた観客の目も皆ステージ前で舞うS氏の突如のパフォーマンスに釘づけなり。 ステージが終了した後、S氏に握手を求めに来た客も居たほどであった。

いや驚きました。このS氏、日頃の経理のご苦労で抑圧された重い時間を送っておることは我々も良く知っている。本日の3人の邂逅により緊張が緩やかに解け、酒と音楽で今度は急に解放感の沸点に達したのであろうか。
重い荷物を背負ってもがき苦しんでいた人が、急に一線を越えて解放されたことは喜ばしい。日々重かった自分自身もこれで大いに笑えて、同時に解放された心持ちとなった。
いや、この3人で会えて心より本当に楽しい時間を過ごせた、素晴らしき夜であった。

吟遊詩人・高田渡氏、死去

2005-04-16 23:48:16 | Weblog
日本のフォークの草分け的存在で「自衛隊に入ろう」「コーヒーブルース」などの曲で知られた歌手の高田渡(たかだ・わたる)さんが死去した、との報に接した。56歳。まだまだあまりに若い歳でのご不幸であり、大変残念である。

ピート・シガーにいかれて自作の曲を作りはじめ、68年に自作の反戦フォーク「自衛隊に入ろう」を歌って大ブレイク、注目を浴びた。高校生の時にこの歌に出会ったときには、奇妙なテーマと発想に大きな衝撃を受けたことを記憶している。
『自衛隊に入ろう、自衛隊に入ればこの世は天国~♪』と唄っていたが、自衛隊入ってイラク行くような時代までは当時の高田は想像していなかっただろう。世相の大きな変化を今となってはこの唄でも感じさせられる。

フォーク草創期のメンバーであり、高石友也や岡林信康に続くアングラフォークのスターであった。フォークらしい世相を風刺の利いた数多くの曲には色々な思い出がある。また、味わい深いギターテクニックにも評価は高い。アメリカン・フォークの伝統に通じていた数少ないシンガーの一人でもあったと聞いている。でかい顔で、歌にも鋭い風刺の裏にちょっととぼけたペーソスを感じさせる一種の天才であった。晩年は酒に浸り廃人のようになっている、という噂も聞いたことがあった、それでもステージに登ろうという執念だけは強かったのだろう。釧路でのコンサートの後倒れて遂に帰らぬ人となった、というのも、或る意味では、フォークの侍に相応しい死なのかもしれない。

今自宅にある高田渡のCDを捜してみたが、2枚あった。
ファーストアルバムの「ごあいさつ」、そして「高田渡/五つの赤い風船」である。
「ごあいさつ」の中の、「値上げ」という曲、大変分かり易くて面白い。日本がまだ元気だった頃のちょっとシニカルな視点がシンプルかつ充分なスパイスを利かせて唄になっている。
明日は日曜日、今夜は夜更かしをしてでも高田のCDを聴きながら、良き時代の思いを振り返ろうか。(若い方々にも、高田のCD聴いてみるようお勧めします!面白いョ!)
うーん、それにしても残念だ。彼の死によって、彼は更に伝説的存在になってしまった。

千鳥が淵-桜情報

2005-04-16 15:01:42 | Weblog
毎日桜の様子が気になってしょうがない。

4月15日お昼現在の九段・千鳥が淵周辺のソメイヨシノの桜は8分以上が散ってしまったようだ。花びらが散ったあとの花芯の赤色が妙になまめかしい。

一方、桜花に代わって、日一日、緑の葉が大きくなり成長している様子がわかる。
緑の季節到来もそう遠くないか。
一日のもたらす進歩は結構大きいものだ。
進級した子供たち、新たに社会に入った若者達の成長も日を追うごとに顕著になっていくのであろう。
成長の止まってしまったオジサンではあるが、人間に限らず、生きとし生けるもの、周りのそうした健やかな成長を見るのも、日々是れ楽しみである。

Mr.Marshall Carter

2005-04-15 00:48:22 | Weblog
New York Stock Exchange (NYSE), ニューヨーク証券取引所。
早朝や深夜の12チャンネルの経済番組で必ず登場する、おなじみ世界最大の証券取引所が次期チェアマンを選出した。 Marshall Carter氏である。

このCarter氏には、実は幾らかの因縁がある。
我輩が勤務した3つ目の金融機関が米国ボストンに本拠を持つS銀行。
その時のS銀行のチェアマンがこのCarter氏だったのである。
彼は従来はボストンの地方銀行に過ぎぬS銀行を世界最大のカストディ(証券保管)銀行に成長させた。恐らく会社四季報の株主欄を見ると多くの大企業にこの銀行の名前を見ることが出来る。また資産運用のほうでも10年の間に驚異的な成長を果たし、こちらの分野でも世界最大の運用資産を受託する会社に成長させた。

概ね他社との差別化の根源を装置への投資に見出し、金融機関の中でも恐るべきシステム投資額で装置を構築し、低コスト、高効率のサービスを顧客に提供した。当然こうなると、顧客は増加→収益増加→更なるシステム投資→更なる効率的低コストサービスの提供→更なる顧客増加、という好循環の拡大再生産を繰り返して成長させてきたわけだ。

実は、このCarter氏より、当時「会長賞(Chairman's Award)」というのをもらったことがある。
四半期の中で輝かしい営業成績を収めた者を全世界の拠点から選び出し表彰するのであるが、何と我輩が選ばれたのである。確か、或る日本の年金基金より運用の受託に成功したのだが、同時に社内の保管業務担当の営業マンと協同で同じ顧客より、保管関係のビジネスも併せて受託できたことが選出理由だったようだ。アメリカ人の好きな"Cross Sales" を見事にやってのけた、ということなのだろう。
その頃は、そのような賞があること自体夢にも想像していなかったのだが、朝会社に来たら、会長秘書からEメールが来ていて、「どうもあなたがその会長賞に選ばれたので、ボストン本社での受賞式に来て欲しい」、と言う夢のような内容であった。 特に、上司からこのようなメッセージを伝えてもらったわけではなく、直接の連絡でもあり、英文の内容でもあって本当にこういうことなのか、違う意味ではないかとも思ったが、何度読んでもやはり、そういうことだ。ドッキリカメラではないか、と冗談に思ったりもしたが、夢ではなかった。
ということで、晴れてボストン本社に赴き、このCarter氏より直接会長賞の時計と、金一封、確か$1,000を受け取り、苦労話交えて談笑することが出来た。また、我輩が大学出て最初に11年間勤務した米国C銀行に彼もエグゼキュティブとして勤めていたことがあり、これも共通の話題であった。
彼と握手しているところを記念写真として撮ってもらったのは良い思い出であった。
我が人生、賞をもらうなどということはそう多くないが、これは忘れえぬ貴重な体験であった。

Carter氏がS銀行をリタイアしたのはもう4,5年前と記憶しているが、ガバナンスに造詣深く、またWall Streetにも人脈広い、というのが今回の選出理由のようだ。証券取引所なのだが、前ChairmanもCitibankのJohn Reed氏だったという。証券会社ではなく、銀行出身者が続けてChairmanになっているのも面白い。2003年に表面化した統治問題が一段落したと判断されたようだ。今後は株式会社化や、市場間競争での勝ち残りに向けた電子化が課題であるとのこと。

日本では、大証が村上ファンドに買われたり、また東京証券取引所も上場の計画があると言う。良きお手本となるようNYSEの運営にもCarter氏の手腕が期待されるところである。



花は盛りに...

2005-04-14 01:05:12 | Weblog
朝からお疲れモードの日であったが、昼休みは、気分転換に外を歩く。
また寒がぶり返し、ついこの前までぽかぽか陽気で桜満開だったのが嘘のようだ。
どこを歩こうか? やはり、靖国神社、千鳥が淵が気になる。
桜は一体どうしたか?

先週土日の頃は、地下鉄・九段下から千鳥が淵に向かう坂は、あたかもラッシュアワーの新宿駅のような様相だったらしいが、今日の昼は驚くほどに、全く閑散としていた。
桜花の様子は5-7割ほどが散っており、遠目に見るとまだ散らずに居る花と緑の葉が芽生えた緑が混合、満開時の桜色一色の美麗な状態というわけには行かない。
しかし、まだ結構花は付いているじゃないか!また、桜花がちらちらと舞いおりるように降ってくる態もなかなか趣があってよい。

先週、お花見の季節に合わせて、『桜信仰と日本人』(田中秀明監修、青春出版社刊)という本を読んだ。或る教授さんが日本の花見の特徴として「群桜」、「飲食」、「群集」の三つを挙げ、「この3要素があって初めて花見が成立する」と主張されている、との紹介があった。
なるほど、学者さんは上手いこと言うな、と感心したが、個人的には異論もある。

満開の時にはあれだけ混みあった千鳥が淵、低い気温とは言え、これだけ人が居ないのは一寸驚き。靖国神社も「宴のあと」よろしく、特設の屋台なども綺麗に片付けられており、人影もまばらなり。人の心も桜並みに、ぱっと咲いてぱっと散るではないが、満開時が過ぎると、急に桜から離散したようだ。 随分極端だな、現金だな。

しかし、こういう盛りを過ぎた後のちょっと気の抜けた状況というのも、そう悪くない。
兼好法師が徒然草に、「花は盛りに、月は隈なきをのみ見るものかは。」と綴られたが、桜のトンネルの下を歩きながら、突如このフレーズが浮かび、頭の中でぐるぐるりフレイン。
まさしく本日の我輩の心境はこれに尽きた。

ひと気がなくなった千鳥が淵を桜吹雪を受けながら老夫婦が散歩している様子などは、なかなか良いものだ。 「群集」がなく、「飲食」がなくても、花見は花見。
また、満開だけが、全てでもない。峠を過ぎたものにも、それなりの美しさもある。
短い花の命をいつくしむ気分もあり、その気分を何かに投影したい切ない心持も湧いてくる。
歳をとって、我輩も少しは「もののあはれ」を知る心境となったのか。

24時間体制

2005-04-14 01:04:05 | Weblog
昨晩は仕事も遅く、帰宅は午前様。(Blogもさぼりました、ハイ!)
食事もしないで深夜まで会社に居残り、お仕事お仕事。

先週から米国も夏時間となり、夕刻時の欧州発のメールに加えて、うかうかしていると8時台からは米国本社からも山のようなEメールの群れが押し寄せ、また緊急時には電話が掛かって来たりもする。
商売上、世界的に繁忙期に入ってきたことから、我輩にも一日300通近くのEメールが流入している。(そのほぼ95%が英語。読まずに削除のものも多い。)
冬時間中は、夜は落ち着いて仕事が出来る時間帯だったが、向こうの連中は自動車の渋滞を避けるため朝6時出勤も珍しくもなく、とんでもなく早い時間からビジネスは始動していることから、日本時間夕刻以降のお帰りムードの時間からもまた余計な緊張を強いられるのである。

時には、この人ちゃんと寝ているの?と思える現地時間、例えば、朝3時、4時台に連絡が入ることもある。会社でも所謂キーパーソンや営業関係の人間は、皆Blackberryという電話兼用の携帯端末を持っていて、それで連絡のやり取りをしているのだ。首に仕事という鎖をつなげられた奴隷のような携帯中毒者、いや、Hard Workerが実に米国人には多い。(いや、このお陰で随分救われていることも多いんですぅう。)

そんなことで、一日中世界のどこかでビジネスは動いており、気の休まる暇もない。
敢えて言えば、米国東海岸が寝静まり、欧州が開く前の正午から午後4時位までの間が唯一の空白時間で、この時だけは、あまり海外からの雑音に惑わされずに仕事が出来る時間帯となっている。

いやー、セブンイレブンじゃないけど、こちらも24時間営業体制になってきた。
「そんな給料もらってないよ!」の科白をぐっと飲み込みながら、本日も追われるように一日が過ぎて行った。


緊急シンポジウムに参加

2005-04-12 00:17:16 | Weblog
夜6時半、大手町の日経ホールにて緊急シンポジウム『敵対的買収の功罪は何か』~ライブドア/ニッポン放送の事例からの教訓~を聴きに行く。
主催はNPO法人・全国社外取締役ネットワーク。日経が共催で会場を貸した形となっている。
緊急シンポジウム、とは言え、先の展開に予断許さぬ状況だった3月上旬の企画時と膠着状態となった現状ではだいぶ様子も変わってきた。
本日のホリエモンはSan Franciscoに赴いており、ドラマの展開としては若干気の抜けたサイダーのような状況ではあるが....。

しかし、このシンポジウムは別に個別企業や特定の個人がどうしたこうした、というワイドショー的な議論ではなく、「日本の企業のガバナンスをどうするか」、という極めてまっとうなテーマを取り上げていた。
聴衆も日本の大企業の総務・法務等の実務担当者、金融機関、など敵対的買収には大きな関心を払うレベルの高い方々ばかりだ。世のHot Issueでもあり、当シンポジウムの参加は抽選であった(我輩は特別枠でご招待)が、600人収容のホールは完全に満杯、関心の高さは凄まじい。聴衆の中には、企業の経営者や、この前ニッポン放送の社外取締役を辞任した久保利弁護士なども顔を見せていた。(我輩、このオッサンには、三洋電機のCEOになった野中ともよ氏ともども、不信感もっておる!)
2時間のパネル・ディスカッションだったが、あっという間に終わったと思われるほど、中身は示唆に富み充実していた。パネラーは以下の方々。

牛島 信(弁護士、「社外取締役」などの企業小説も発表)
大楠泰司(Credit Suisse First Boston法人本部長、国際コーポレートガバナンスネットワークの日本理事)
渡邉正太郎(経済同友会副代表幹事、花王のCFOなどを経て、伊勢丹、りそな銀の社外取締役)
前田昌孝(日経新聞・証券部編集委員)
モデレーター(司会役)はお馴染みの中谷巌氏、ソニーの取締役会議長もやられておる。

今回の買収劇の功罪、会社は誰のものか、などにつき各氏がそれぞれの立場から語られた。
金融マン、経営者、法律家、マスコミ、と皆視点が異なり、コメントも経済的なもの、法務、社会学的なもの、色々ある。
個人的には、M&Aの専門家としての大楠氏のコメント、即ち、ライブドアのニッポン放送買収に当たっての明確なビジョンの欠如、既存株主に対してのアカウンタビリティの欠如、またニッポン放送側にも一方的にフジテレビに与した対応、それぞれに大失敗があった、という分析はなかなか面白かった。

「会社は誰のもの?」.....「他人の会社については、会社は株主のもの。自分の会社については、会社は従業員のもの」という冗談を中谷先生が飛ばされて会場内は爆笑に沸いたが、この辺が今の日本人の 「頭で判っておなかでは判っていない」、という中途半端な意識というべきか。
会社は株主のものだが、従業員、取引先、関係する地域等などの所謂Stakeholderとの協力関係があってこそ企業価値は増大するし、それが因果関係となって株主もハッピーとなる、という非常に良識に溢れた結論でパネルは終了した。

敵対的買収防止には、ポイズンピルは有効であるが、その毒薬を有効せしめるには日頃の企業としての品行方正さが必要、やはり、企業価値を高める株価を上げて、買収をしづらくする、という経営努力および日々の緊張感が必要、とのことで、いまや、「サラリーマンは気楽な稼業ときたもんだ♪~」という悠長な時代ではないようだ。
経営者も社内のことばかりではなく、外にも触覚を働かせて、買収されるよりも買収をしながら自社の企業価値を高めていくような経営をしなければならない。
市場原理が導入され、旧来の日本的な風習だけでは通じない、大変な時代になったことを自覚しなければならない。

青唐辛子

2005-04-10 23:29:43 | Singapore
シンガポールから一時帰国したH氏よりおみやげを三点頂いた。
いつもお土産買うにも何かと「笑い」や「話題」を提供するH氏ならではのSelectionである。

1.「マンゴー」、本当は検疫の検査をされたら国内持ちこみは許されない筈なのだが、見つかることなく無事に(?)パス。掟を破って入手した禁断の果実はおいしかった。

2.「味付け 青唐辛子」
これはついこの前までその存在さえ知らなかったのだが、愛読している「シンガポール絵日記」4月7日付け記事にて偶々この青唐辛子の存在を知るに至った。
奇遇なことである。
http://pattaya.exblog.jp/
味付けじゃなくて酢漬けだとKaonoiさんは書いてある。
同サイトのCommentの往来も薀蓄漂い、読んで楽しい。
H氏によると「ビールの友としては最適」とのことで、賞味するのが楽しみである。
Kaonoiさんの写真にある青唐辛子とはメーカーは違うようだが、英語の商品名Pickled Green Chilliの下には味付け 青唐辛子、と日本語で表示がある点ではともに全く同じである。面白いものだ。

なお、H氏、今回の帰国に際して、当初は一緒に成田に迎えに行ったS氏と我輩にのみ最初はこの青唐辛子をお土産として買ったらしいのだが、今回の帰国でも多くの知人にも会うことからこの青唐辛子を結局は10個ほど買ってきたという。
「旅の達人」も標榜するH氏ゆえ、当初はリュックサックひとつの軽装で帰国の予定であったらしいが、このお土産を積みこむゆえに荷物も増えてしまった、重たい重たい、とこぼされておった。
文字通り、「Chilli(チリー=青唐辛子のこと)も積れば山となる」である。

3. 「インド音楽CD」 
シンガポールにはLittle Indiaというインド人街がある。ここにはCDショップも多く連なっており、インド音楽のCDが数枚で日本円4-500円程度の安価で売っておる。
音楽とともにカレーや線香の混濁した匂いが伝わってきそうだ。
昨年10月に訪問したときのちょっと濃すぎる異国情緒の記憶が甦ってきた。

三人組Reunion

2005-04-09 23:53:01 | Weblog
本日朝5時起床。
昨年10月にシンガポールに単身赴任したH氏が休暇で帰国するとのことで、成田空港までお迎えに出て行く。途中、仲良しオジサン3人組のもう一人、S氏をピックアップ。彼も、大手企業の財務GMの要職にあって、3月末の期末決算作業を終えなければならない立場で土日もない状況ではあったが久々のH氏との対面ということで、一緒に早朝成田に向うことにした。

7時過ぎにシンガポールからの全日空便が到着、8時間の長旅を終えたH氏と涙の対面を果たした。
腕利き営業マンであり、愉快な自由人たるH氏であるが、慣れない異国での半年間いろいろご苦労もあったことだろう。単身赴任だから尚更である。ただ、日々彼から送られてくるEmailで、現地の情報や新しい生活に刺激を受け、楽しむ様子を読ませてもらっていた。充分に現地に浸透して日本にはない開放的な南国生活を満喫されているようで、むしろ羨ましいほどである。

彼の自宅の浦安まで車でお送りする。
途中の東関東自動車道にも時折り桜の並木が見え隠れしており、美しい。
つくづく日本の春の景色である、と思う。
四季のないシンガポールから春到来の日本に戻ってきたH氏の感慨も推して知るべし、である。
途中幕張インターで高速道路から一旦降り、花見川べりの公園に向い、そこで三人再会祝して桜の木の下、ビールで乾杯! 
いいおじさん3人が子供のようにじゃれあって、再会を喜んだ。
朝で人通りもない桜の公園で景色を独占、なんとも心に染みる嬉しさである。
テニス仲間から親密さが増し、国内外3人で自由で愉快な旅をしたり、週末なども共通の時間をすごしていた仲だったが、H氏の海外赴任で物理的には距離が離れてしまっていた。それでも再会を果たすと、すぐに元の空気が戻ってくる。あうんの呼吸で会話がはずむ。こういう仕事の利害関係もなく、お互い好きに言いたいこと言える仲間が居ることに心より感謝!
(3人ともお互いに同じこと言っている。)

なお、H氏、年二回の帰国、一回の帰国での休暇日は20日、と外資系企業のエギュゼクティブ並みの好待遇を勝ち取っている。彼の営業力ゆえ早く日本に帰って来いと会社側から呼び戻されはしまいか、という可能性もあるそうだ。彼には、これまでの成果のご褒美でもっとゆっくり海外生活を楽しんで欲しいと願っている。昨年10月に続き、彼が現地に居る間にまたシンガポールには行きたいと思っている。オジサン三人で一緒に現地でビジネスなんかもやりたいね、とか、好き勝手に想像力は弾んでいた。

さくら: 千鳥が淵

2005-04-09 14:42:20 | Weblog
昨日、本日と朝少し早めに家を出て、会社に行く前に、地下鉄九段下から千鳥が淵→靖国神社の桜見物コースを散策。 
九段下、というと東京以外の方にはあまりお馴染みではないかもしれないが、東京のビジネス街の中心である大手町から西方向へ2駅目、あの日本武道館が近くにある。
武道館では、昨日は明治、今日は日大の入学式があったようだ。
入学式に桜は良く似合う。

朝8時そこそこでも地下鉄駅を出ると物凄い人出である。
入学式目当ての専門学校や携帯電話などの売り込みキャンペーンにも相当数のアルバイトが動員されている。
また、早朝から、立派な望遠付き一眼レフカメラを持った素人カメラマンが良い撮影場所に多数陣取り、一丁前に三脚を立ててお堀の緑と水、桜の薄紅色、という美しい景色にシャッターを切っている。
また携帯のカメラで景色を撮る若者の風景も見慣れたものとなってきたが、最近ではいいおばさん達も結構携帯電話での撮影しているようだ。取り合えずは桜を撮影、「今週の待ちうけ画面はこれよ!」なんてやっているおばさんも結構いるもんだろう。

驚くのは、兎に角も、年配のおじさんおばさんがやたらと随分来ていることだ。
最近のおじさんおばさんは年の割には体力もあり、お金もあり、更に充分な暇もあり、怖いもの知らず、人生を謳歌している人が多数いるように見えてしょうがない。(実際には、お金はどうなのかなあ?) 
いや、居るところにはやたらおります。早朝でこんなにおじさんおばさんが出ているのだから、気温が上がる頃には、どれだけのおじ(い)さんおば(あ)さんが集まるのやら、昼休みにはとても混雑で来られるものでもないだろう。呆れるやら、羨ましいやら。

しかし、この見事な桜を見ているとしばし現実のうさも忘れその美しさに浸ることが出来る。
何だか桜を見る目が自分自身でも年々変わってくることを感じる。