多分駄文のおじさん日記

我輩は駄文を書くおじさんである。旅、音楽、MLB、株式投資、etc., 日々想いつくままに思いを巡らすのである。

根津美術館 Part-2

2005-04-26 23:53:02 | Weblog
昨晩は仕事の帰りに新宿のホテルに宿泊している札幌の両親に面会に行き、自宅に帰ったのは11時過ぎ。
土曜の友人3組での家族付き合い、日曜は法事に親戚一同での徘徊、と週末は行事が続き、疲れたが、月曜もなかなか公私ともに忙しかった。

ということで、帰宅後にBlogを書くのも大変。
深夜も寝ず根津美術館の記事書いたが、体力も限界ということで途中で止め。本日そのPart-2を...。


根津美術館は元々は昭和15年の創立だが、昭和20年の戦災で大部分を消失したという。
現在は新しい建物で7千点を収蔵とのことだが、ギャラリーもそう特別大きい訳でもない。
最近見たWashingtonのNational GalleryやNew YorkのMOMA, Metropolitan Museumなんかと比較するのは一寸気の毒だが、東洋の古美術品=絵画、彫刻、陶磁、漆芸、染織などが展示されている小ぶりの美術館である。

絵画は少なく、全般には極めて地味な感じであるが、東洋趣味、なかんずく陶磁器・青銅器・漆器などに興味のある向きには面白いかもしれない。国宝品、重要文化財などがかなりの数含まれているようだ。また、屏風・絵巻ものなどのコレクションにも特徴がある。美術館パンフの表紙にもなっている尾形光琳の国宝「燕子花図」は余りにも有名。我輩も記念切手の図柄からこの作品には愛着を持っているが、この目玉作品、現在はナント修復中で展示はなかった、残念ーッ。

根津美術館のハイライトはやはり緑深い庭園であろう。
日曜日の午後、外国人の家族連れが数多く来園、子供たちが大騒ぎしていた。また茶庭にはこれも数多くの和服姿のご婦人達が茶道にいそしんでいる。なかなか日本的な、絵になる光景である。

教養深き元住職の叔父によると、この庭園は恐らくこの旧邸宅の主が金に物言わせて造ったように見える、多くの灯篭やら石像やら、かなり力づくで収集したようにも見え、叔父が若き頃に修行した京都の寺院の庭とはかなり趣も異にしているとのこと。
まあ、それでも創立者・根津嘉一郎の趣味であった茶の湯を嗜む庵も数棟あり、深い木々の中にひっそりしている向きは都会のど真ん中(南青山)にあるものにはとても思えない自然味と静寂さがある。

家族で行くも良し、カップルでも良し、一人静かに物思いに耽るも良し、という感じの隠れ家のような庭、そして美術館であった。美術ファンでない方にもお勧めのスポットである。


根津美術館 Part-1

2005-04-26 01:02:47 | Weblog
昨日の日曜日は、西新井の法事のあと、北海道・東京から集まった母方の兄弟姉妹が皆でどこかへ行こう、ということで、表参道近くにある根津美術館へ行くこととなった。

東京・足立区北端の西新井から洒落た街・表参堂へ、というのは、どうもピンと来ない向きもある。
どうも東武伊勢崎線というのは、これは北千住から日光・鬼怒川や館林に延びているさびれた下町通る私鉄線なのだが、これが浅草手前の曳船経由で半蔵門線につながり、大手町、永田町経由で表参道まで乗り換えなしに行けるらしい。最近は、随分あちこちの路線が乗り入れで便利になったが、日光から、更に渋谷経由で神奈川の中央林間まで行けるらしい。関東を斜めに横切る凄い路線になっている、こりゃまた、おったまげたなあ!

我が母親の兄弟・姉妹は、典型的な文科系人間ばかり。何故か芸術肌の人も多い。
母の実家は一度書いたが、真宗大谷派の寺、父親(我輩の祖父・故人)は住職。母は長女で、そのすぐ下の弟は(もう70歳を越えているが)、住職の第一線からは最近引退したが大の人格者。教養豊かな宗教家であり、堀辰雄の小説から娘に「菜穂子」と名づけたロマンチストでもある。下の妹達(我輩から見た叔母)も、当時には珍しい名門私立大学の国文科を出た叔母さん、日本画を大学で学び、北海道の美術展「道展」(「日展」の地方版、と言えば分かりやすいか)に何度も入選していたアーチスト叔母さん、(その娘さんもやはり大学で日本画専攻とか)と多士済々だ。

今回の「根津美術館」行きも、世田谷在住の日本画アーチスト叔母さんの提案である。乗り換えなしで行ける良い所、ということでのセレクションであるが、我が母親含め皆「行こう行こう」と簡単に決まってしまったようだ。 親戚が一堂に集まって、法事でお経聞いた後に皆で美術館行こう、なんていう話はあまり聞かないのだが、意図も簡単に決まってしまった。

かく言う我輩もこの根津美術館には入館したことはなかったものの興味を持っており、すぐに賛成、と一緒に調子に乗ってしまっていた。外人さんにも評判の良い美術館である。
表参道駅から骨董通りのあたりの路地を歩くのはなかなか日常感覚からの乖離もあって良い。 (実は、嫁さんとも昔、結婚前、20数年前この辺で何度もデートしたことがあり、我輩の好きな隠れ家喫茶店などもある、何のこっちゃ!) 根津美術館の日本庭園の美しさにも興味を惹かれていて、娘と一緒に来て見たい、と常々思っていたのだった。 (続く)