英国的読書生活

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ドラキュラ!「ハイざます」 オオカミ男!「ウォーでがんす」

2012-02-06 | イギリス

 

ゲイル・キャリガー「アレクシア女史、倫敦で吸血鬼と戦う」

 

原題はシンプルに「SOULLESS」。だいたいこういう表紙系には手を伸ばさないことにしているのですが、カバーの折り返しにある著者紹介に、P.G.ウッドハウスとジェーン・オースティンに触発されて・・・とあったものですから、つい出来心で・・買ってしまいました。
中味はと言うと・・舞台は19世紀ヴィクトリア朝のロンドン(ここまではOK!) 世の中は昼間族(人間)、異界族(吸血鬼、人狼、ゴースト)が共存し、強力な力を持つ異界族に対抗するために反異界族までが存在する(ここで既に逃げたくなる)。ヴィクトリア女王の下バランスの取れた社会であるはずであったが、突然行方不明となる異界族が現れたり、新種のドラキュラが出現したりと妙な雰囲気・・・・。
いかん、いかん、歳のせいかドラキュラ、狼男と聞くと彼らが見えてきちゃうぞ!特にロンドンの最高齢吸血鬼アケルマダ卿のエレガントな姿はこれから↓離れられない。

確かに主人公アレクシアの家族は「自負と偏見」のベネット家を彷彿させるし、出てくる執事はジーブスっぽい。陽の光を浴びれないドラキュラ(夜に活躍)に、月夜の晩には凶暴化するため自らを檻につなぐ狼男・・・。その盛りのついた狼男とアレクシアの濡れ場はけっこうエロいんだな。(ハーレクィン的ってこんななの?)
スチームパンク的世界も垣間見れるのですが、ちょっとだけ。これだけ異界族が支配階級に君臨している設定なんだったら、もっと大胆な歴史改変を期待してしまいます。グラッドストンは吸血鬼族で、ディズレイリーは狼男だったんだなんて。(今気づいたんだけど、「きゅうけつきぞく」と打って変換すると「吸血貴族」となってしまう。さすがドラキュラ伯爵だ!)

このシリーズ「英国パラソル奇譚」として既に3作が翻訳刊行済みですが、どうしよう・・次読む?

 

 

 

 



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