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蘇れ 生命(いのち)の力 ~小児科医 真弓定夫~
【映画あらすじ】
真弓小児科。小さな診療所に「名医」との評判を聞きつけた人々が全国から訪れる。
院内にはクスリも注射もない。
代わりに、時間をかけて生活習慣のアドバイスをする。
「病気を治して いるのは、医者ではない。自然治癒力だ。」
失われつつある生命の力。真弓は問う。
「忘れてはいないだろうか?私達は自然に生かされている、いち “ 動物 ” である」。
真弓に出会って、生き方まで変わってしまったという親子も少なくない。
現代社会の中に埋もれていく叡智を、生涯をかけて伝え続ける小児科医 真弓定夫、
そして各界で同じように 生命の力を信じ、歩き続ける人々を追いかけたドキュメンタリー。

出演/真弓 定夫 真弓 紗織 大島 貴美子  梅津 貴陽  岡野 眞規代 高野 弘之 ほか
音楽/溝渕 大智 
監督/岩崎 靖子 
撮影・編集/小野 敬広  石川 真喜子
制作/E・Eプロジェクト(岩崎靖子/小野敬広)
配給 NPO法人ハートオブミラクル




久しぶりにハートオブミラクル配給の映画を観ました。

クスリや注射を置かない医院の真弓定夫先生のドキュメンタリー映画「蘇れ 生命(いのち)の力」というものです。

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薬を使わない自然流育児を提唱するスゴい小児科医!(2013年1月 日刊スゴイ人より)
吉祥寺に、全国から多くの患者が訪れる小児科がある。
その小児科には、薬を出さず、注射も打たない自然流育児で有名な医師がいる。
彼の提唱する自然流育児の要素は、戦前の日本では当たり前におじいちゃんおばあちゃんから教えられたと言う。
日本の伝統文化に則った、“大切にしなくてはならないこと”を伝え続けているのが、本日登場のスゴい人!だ。
先生は御年81歳。
すでに、94歳まで講演の予定が入っている!
彼は、何故自然流育児を推奨するのか?
さあ・・・真弓小児科医院 院長 真弓定夫様の登場です!
「正しいことをする」
2歳の頃に父が他界し、後妻だった母は、先妻の子を育てるため私を養子に出しました。
だから私は、お父さんお母さんと呼んだことがありません。
でも、里親になられた方が素晴らしい方で、医者でした。
私だけではなく、多くの子供を受け入れ、育てられていました。
14歳の頃、東京大空襲に遭いました。
街中が火の海。
私はたまたま築地の方に逃げたので助かりましたが、大きな火傷をして、完治するのに20年かかりました。
勉強は苦手でしたが、尊敬する里親の言う事を聞き医者になりました。
はじめに大学病院、続いて救急病院で勤めました。
しかし、私の尊敬する里親の診療スタイルは、お金のない人からはお金を貰わず、薬ではなく生活指導を中心に病気を治すもの。
一般の病院での薬を中心にした処方が間違っていると感じながらも、もし公言したら、間違いなくクビ。
4人の子どもを育てる生活を考えると何も言えない苦しさがありました。
ある時、あるメーカーさんから吉祥寺で開業されませんか?
と声を掛けて頂き、38年前に真弓小児科医院を開設しました。
やっと、自分がやりたかった診療スタイルが出来ました。
開業時は、1日50~70人も患者さんが並びました。
初診は1人40分~50分かけて生活指導をします。
今では4代つづけて来られている人もいます。
当時生まれた赤ちゃんも親になり、子供を連れてきますが、正しい生活指導をされているので殆ど病気になりません。
だから患者さんはどんどん減っています。
医者の使命は、病気を減らし、患者さんを減らし、医療費を減らす事なのです。
今の医療費を見れば、医者がいかに患者の立場でモノを考えず、利益を追求しているかは、一目瞭然です。
何より、食べもので一番身体に悪いのは牛乳なんです。
牛乳を飲んで育った人が病気になる確率は、飲まない方に比べて20倍。
戦後、マスメディアに踊らされ、日本は覚他の精神(自分だけではなく周囲の万物に対する配慮する気持ち)を失ってしまった。
最近、大きな病院で手の施しようがないと言われた末期のがん患者さんたちが来られます。
余命半年と言われていらした方も、15年経ちますが元気に暮らしています。
処方しているのは、医者があまり使いたがらない丸山ワクチン。
理由は治ってしまうから。
そして儲からないからである。
正しい事をしていれば、必ずお金は入ってくる。
そして、頂いたお金はすべて次の正しいことの為に使う。
これこそが、正しい行いであると私は思います。
お金が残るのは正しいことをしていないからではないでしょうか。(転載終了)

【真弓定夫 経歴】
1931年東京生まれ。
東京医科歯科大学卒業後、佐々病院小児科医長を務めたあと 1974年武蔵野市吉祥寺に真弓小児科医院を開設。
“薬を出さない・注射をしない”自然流の子育てを提唱。
2003年に社会文化功労賞受賞。 「医者いらずクスリいらずの健康法」など著書も多数。


真弓先生のことは映画で初めて知りましたが、日本にもこんな素晴らしいお医者さんがいるとは思ってもおらずビックリしました。

もちろん、今は代替医療も少しずつ増えてきて、クスリなどを使わない自然治療をやっている治療院も多くなってきましたが、真弓先生の場合はまずキャリアが尋常ではないです。

50年以上もクスリを使わずに自分と人間の力を信じて、ブレずに淡々と現場第一で行動してきた人の言葉は、どれもとてもシンプルで確信をついており、改めて人間の持っている無限の可能性を認識することができると思います。

「外に出る症状はすべて大丈夫。問題は外に出せないこと」

そんなフレーズを真弓先生は映画の中でも語っていましたが、熱だろうが鼻水や鼻血、湿疹・・・とにかく外に出ている症状は、すべて自分の身体が自分で治そうとしている自然治癒力の証であり、何も心配することがないと。

半世紀以上も自然治療を実践してきた超ベテランの医師のこの言葉は、どれほど多く人々の不安を軽くするでしょうか。

ついつい、子供のことにしろ自分や親、身近な人のことですら、表面的な症状で人は心配や不安が頭をよぎります。

でも、症状がわかりやすく表に出ているうちは良く、むしろ症状が出ずに内に潜んで、知らず知らずのうちに身体を蝕んでいることの方が良くありません。

真弓先生は、クスリや注射を使わない代わりに大事なことは

「どんな食べ物を食べ」
「どんな水を飲み」
「どんな空気を吸い」
「どんな心であるか」


これらをとても重要視しており、また一方で昔のお医者さんは、みんなこれで治療していたとも言います。

「四里四方に病なし」

四里とは16kmのことで、これは自分の身の回りで取れる食材を食べていれば病気知らずで健康でいられるということわざですが、真弓先生は、このことわざを用いて、食はなるべく身近な食材、季節に合った食べ物が大事であると伝えています。

そして、食も大事だけど、もっと大事なのが水であり、そしてさらに大事になってくるのが「空気」

確かに頻度で考えたら、食は1食〜3食の方もいたり、水も1日に数回の摂取だったりしますが、空気は24時間365日、常に休みなしに吸っているものです。

さらに肉体を超えた世界にある心もまた、地球の時間軸と違って常に「ある」ものであり、心の持ちかた、あり方の重要性が健康とも関係していることを真弓先生は仰っています。

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真弓先生が、映画の中で語るもので、1つ大きな衝撃だったのは、日本人の子供の「平均体温の推移」でありました。

戦前は37℃台が平熱だったのに、現代は1℃も下がって36℃台。

体温は1℃下がると免疫力が30%も低下すると言われています。

現代人、現代の子供たちは、昔になかった病や症状となるのは、この体温の低下が大きく関わっているのかもしれません。

戦後の高度経済成長期の中、日本の食も欧米化が進み、パンや肉食中心、牛乳などが冷蔵庫、食卓に並ぶ機会が増えました。

真弓先生は「カタカナを漢字にすれば良い」と食に対してアドバイスします。

パンをご飯に、スープをお味噌汁に、サラダを漬物に・・・。

食、水、空気、心。

都会ではこれらを実践するには難しい環境なので、今後はますます田舎暮らしが注目されてくるのかもしれませんね。

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映画の中では、真弓先生の他にも別の先生を取り上げた場面が出てきます。

妊婦が薪割り・拭き掃除などの労働などで体力を維持して出産に備えることで有名な自然分娩の吉村医院の吉村正先生。

吉村先生のことは話しでしか聞いていなかったので、映像を通して言葉や現場の状況を知れてとても勉強になりました。

他にも自然保育の保育園を取材した場面が出てきたり、医療(健康)・教育・お産と、子育てに関わる主要なテーマがバランス良く構成されており、終始飽きずに楽しく学びになる映画でありました。

まだ自主上映が始まったばかりの映画であり、これから各地で自主上映会があったり、また主催してくれる人も募集しているみたいなので、ご興味があればHPをご覧くださいませ。

「蘇れ 生命(いのち)の力 ~小児科医 真弓定夫~」