Doll of Deserting

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氷上の蒼。(ギンイヅ、8000HIT記念連載)

2005-08-22 15:39:37 | 過去作品連載(捏造設定)
この小説をお読みになる前に、必ず下記記事の諸注意をお読みになって下さい。


第一話
「お前はどうしてそんなに可愛げがないんだ?」
 イヅルは、その言葉にどう返答していいのか分からなかった。結局自分を引き取ることになってしまった伯父は、自分をひどく罵った。しかしその度に自分は沈黙を促すしかない。それも伯父の気に障っているようだった。
「…ではどういった子供が、あなたの言う『可愛げのある子供』ということになるのですか?」
「また減らず口を。お前のそういうところが可愛くないんだ。子供は何も知らないのが一番いい。無知で扱い易い子供が一番可愛いんだ。」
「それならば、僕は可愛い子供になる必要はありません。」
 そのまま踵を返し、伯父に背を向けた。とかく無知な子供というものにはなりたくなかった。何も知らずに大人に従う幼い子供にはなりたくなかった。自分自身の足で立ち上がることが目的なのだから。
 一刻も早くここから出て行きたい。イヅルは死神の子であるということに非ず、強い霊力を内に秘めていた。真央霊術院の入学要項に、年齢は別段関係ない。十代ほどの外見をした者が多いことは確かだが、幼い子供も中には存在するのだ。それを考えると、今すぐにでも入学試験を受けたい気分だった。
『仇討ちたいか?』
 独特の言葉遣いが頭を駆け巡る。あの日、確かに自分に救いを促した男を思い出す。葬式の日、突如として現れたその男に、自分は抗うことが出来なかった。
『ー…ほんなら、おいで。』
 男はひどく鮮やかな瞳の色をしていた。禍々しいほどに透明な紅を孕んでいる顔だった。しかし男の持つ血の紅に、たまらなく惹き込まれたのも確かだ。その表情には、果てしない強さが見受けられた。男は、鴉色の袴を履いていた。それは正しく、死神の特徴を表していた。
『…あなたは僕に、何をして下さるというんですか。』
『何でもしたるよ。お前が望むもの何でも与えたる。そん代わり、お前もボクに全部くれな。』
『何をすればいいんですか?』
『簡単なことや。今ここで、忠誠誓ったらええ。そしたら次会うた時、今度こそお前の全て奪ったる。』
 その「全てを奪われる」ということがどういうことなのか、当時の自分には理解することが出来なかったし、その上次に会うことがあるのかどうかも分からなかった。その時は軽い気持ちだったのかもしれない。何も知らずに、その男の強さだけに身を預けることになった。
 その後のことは今でも思い出せない。そのまま男が消えたような気もするし、一度掠めるように口付けられたようでもある。感覚が麻痺したように肌が痺れ、その場に立っている足もおぼつかない。自分が何をしたのか、あの男が何をしたのか、これからどうなっていくのか。そんなことは全て無意味のように思えた。
「…また、会うことがあるのだろうか。」
 伯父を目の前にして、更にあの男の強さを実感する。目の前に立たれただけで足がすくむような強さは、伯父からは感じられない。おそらくここにいるのもあと少しの辛抱だろうと確信し、そっと目を伏せた。


 あ、あの誤解のないように言っておきますが、ギンとイヅルの間には何もありません、よ…?(別にあってもいいけど←ぁ)何か状況描写が怪しすぎてもうヤッっちゃったみたいになってますが、流石に市丸さんも仔イヅには手出しませんよ!(別にそれでもいいけd←黙れ)次会う時は、ね。うん…。(何)ええと仔イヅには手を出しませんが若イヅには出すんです。(ぇ)とりあえずここまでは進めておかないと他の連載はUP出来ないな、と。市丸さんとイヅルを出会わせておかなければと思いまして。

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