Doll of Deserting

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Bitter Choco

2006-02-12 21:35:10 | 前サイトでの頂き物
それはちょっと苦い話しなわけで・・・。



Bitter Choco



今日はバレンタインデーと言って女の子が好きな男の子にチョコをあげると言う日。
さて、ここ十番隊ではどんなバレンタインデーを送っているのだろうか??



「松本副隊長!これあたし達からチョコです。どうぞ食べて下さい!!」

「チョコ好きだからいいんだけど、本当にあたしが受け取っちゃってもいいのかしら?」

「はい!副隊長の為にあたし達チョコ作ったんです!!」

「ありがとうvv後でじっくり食べさせてもらうわねvv」

毎年あたしはこの時期あげる側の女であるはずなのに何故か沢山チョコを貰う。でも、チョコは大好きvvどれだけ食べても飽きないわvv

そーいえば、いつもつるんでる恋次や修兵とかには買って来たチョコを渡しておいてあげたけど、実は隊長のチョコは用意してないのよ・・・。
と言うのも、買ったのを渡すか自分で作るか悩んで・・・でも、隊長って甘いのあまり好きじゃないみたいだし・・・毎年、沢山貰っているのにほとんど食べずにあたしにくれるくらいなのよ?だったら、最初から貰わなければいいと思うでしょう?
でも、隊長は優しいからそんな事出来ないのよ・・・。
あたし的には色々と複雑なのよね。沢山の人から好かれて、慕われ・・・でも、正直隊長を独り占めしたいのに・・・。

「松本副隊長!」

来たな最大の敵!!

「浮竹隊長、おはようございます。どうされたんですか?こんな朝早くから。」

「いや、ほら、今日はバレンタインの日だろう?冬獅郎にチョコを持ってきたんだ。喜ぶかと思ってね!!」

「でも、隊長は甘いものは・・・」

「何やら、あまり甘くなくて少し苦味のあるビターチョコと言うのを買ってみたんだ!これなら冬獅郎も食べられるだろうと思ってね。」

敵は戦略を練っていた・・・。そこまで計算していたとは不覚だったわ!!

「だけど、さっきから捜しているのだが姿が見当たらなくてね。悪いが、頼まれてくれるかい?」

「勿論。ちゃんとお渡ししておきますvv」

「そうそう、松本副隊長のチョコもさっき清音から受け取ったよ。後で頂くつもりだ。毎年、ありがとう。では、頼んだよ!あっ、松本副隊長の分はそっちの小さいのだから、くれぐれも大きいのは食べずに冬獅郎に渡してくれよ!」

と言うなり浮竹隊長は行ってしまった。私の分もあるって事は去年の事を覚えていたのね・・・。去年、隊長に渡さずに一人で食べた事を・・・。

とりあえず、あたしは沢山のチョコを抱えて執務室に戻る事にした。

「まずは、どのチョコから食べようかしら??」

と、ウキウキで執務室の戸を開ける。すると・・・

「松本・・・このチョコの山何とかしてくれ~!!」

チョコの山に埋もれた隊長がうんざりするように言った。でも、隊長こんなにチョコ貰っているなんて・・・

「・・・年々増えてません?とりあえず座れるだけのスペースを確保しましょう。」

あたしはそんなチョコの山を片付けつつ気持ち的には複雑だった。



やっと隊長とあたしが座れるだけのスペースは確保出来て、さっき浮竹隊長から受け取ったチョコの封を開けた。

「隊長、甘い物が苦手なら断ればいいんですよ。隊長はそうやって嫌な事でも断れないから損をするんです。」

何だかいつも隊長の近くにいるはずなのに、他人にまで優しくしている隊長を想像しただけでムカムカした。そして、浮竹隊長から貰ったチョコを口入れる。少し苦い。まるで今の自分の気持ちそのものみたい。

「折角くれるものを拒めねぇだろう?松本も毎年沢山貰ってるじゃねぇか?」

でも・・・あたしは同性からだけど、隊長は異性からでしょう??こんな気持ちになるなら、あたしも隊長に何かあげれば良かった・・・。ああ~ここにあるすべてのチョコを捨ててあたしのチョコだけ隊長にあげたいくらい。そして、また苦いチョコを口に加える。

「・・・そのチョコ美味くないのか?」

「少し苦いんです。隊長の分もありますよ?」

と、袋を差し出す。

パクリ・・・

えっ!!!!!!!!隊長ってば差し出した袋を差し置いてあたしが口に加えていたチョコをパクリ!!しかも、口が思いっきりついたのよ!!あたしが呆然としてるいと、

「そっちより、お前の食べてるヤツの方が美味そうだったから、つい。と言うか、お前はチョコくれねぇのか?」

「あっ・・・あたしは食べるの専門で、作るのは・・・でも、隊長は沢山貰えると思っていたし、甘い物も好きじゃないし・・・だから・・・」

「じゃあ、もう一口貰うか?」

と、隊長はあたしに口付ける。

「普通のチョコより苦い。でも、甘ぇな。」

あたしは更に頭が真っ白になった。だって普通年下がここまでしないわよ・・・嬉しいけど・・・。どうせならあたしが喜ばせてあげたかった。だから、嬉しい気持ちは沢山だけど、少し苦さが残った今年のバレンタイン。


後に、このバレンタインの日の松本副隊長の唇が少し腫れていたと言う話しがあったとか?なかったとか?






 いつも可愛らしいお話を提供して下さっている奈々嘉様より、バレンタイン限定のフリー小説を頂きましたv
 攻め気質な日番谷君が非常に素敵です…!
 奈々嘉様、素敵な小説をありがとうございましたv

「fickle」様より頂きましたv

2006-01-05 19:48:57 | 前サイトでの頂き物
 いつもお世話になっております「fickle」のモズク様より、年賀フリー絵ということでお言葉に甘えさせて頂きましたv

 雅な感じの市丸さんに一目惚れです。(笑)色使いも素敵でセンスが光っておられます…!


 モズク様、フリーということでお言葉に甘えさせて頂きました。ありがとうございました!

手のひらの破片(日乱。奈々嘉様より頂きましたv)

2005-12-27 20:48:49 | 前サイトでの頂き物
市丸が藍染達と去って現世へ行くまでの間の出来事だった。

しばらく気丈に振舞っていた松本もある日それが元で少し体調を崩した。

あいつは弱い自分をさらけ出すのを最も嫌う。だから強がる。

特に今回は過去から繋がりのある市丸が関わっているとあれば内心かなり滅茶苦茶だと思う。

俺はそんな松本を正直見ている事が出来なかった・・・



「すまねぇが俺もまだ本調子じゃねぇし、今日は松本も体調崩して休んでる。後は任せる。」

体調の状態から俺は今日も執務を早目に切り上げ、後の事を第三席に任せることにした。

その足で松本に何か持って行ってやろうと思って果物屋で林檎を2つ買って行った。

そして・・・

「松本居るか?」

と松本の部屋へ辿り着き松本を呼んでみる。とにかくこの林檎だけ渡したら帰ろうと思っていた。

「隊長・・・わざわざどうしたんですか?」

「ただの見舞いだ。滅多に倒れねぇお前が倒れたんだ、少しは心配してやんねぇとな」

「それはどう言う意味ですか?あたしの事人間と思っていませんね?」

元気そうに受け答えはしているもののやはりいつもの表情とは少し違っていた。

「せっかく来てくれたんですから上がってくださいvv」

「あっ・・ああ。」

そんな表情の松本をほっておくことが出来ず部屋へ上がった。

「松本、お前体調良くねぇんだろ?林檎剥いてやるから大人しく横になってろ。」

「でも・・・」

「隊長命令だ!」

「・・・大人しく聞きます。」

あまり良いとは思わなかったが、そうでもしねぇと松本は無理するだろうし・・・。

しばらくして何とか林檎を剥き終わり松本の元へ持って行く。

「隊長・・・あまり上手な剥き方とは・・・」

「うるせぇ・・・とっとと食え。」

俺が言うと渋々松本が林檎を食べ始めた。


「隊長、この林檎の形何だかガラスの破片みたいな形していません?」

「言われてみればそうかもな。」

「あたし・・・今回の事で心が砕け散った感じがしたんです。そして、その散った心の破片はまだ全部元には戻ってくれないんです。戻って来ない一部の破片はきっと何処かへ行ってしまったのね・・・」

松本は林檎を見つめ話し始める。

「隊長・・・あたし本当は怖いんです。このまま破片が全部見つからなくってあたしがあたしじゃなくなったら・・・」

「しっかりしろ松本!!何があろうとお前はお前何者でもねぇ、十番隊副隊長松本乱菊だろう?破片はどれだけ時間が掛かっても一緒に探してやる。」

「隊長・・・・」

松本はうつむいて静かに涙を流し始めていた。

「ほら、今日は思い切り泣け。俺が付いてる。」

俺は松本を抱き締めてやった。そして泣きやむまでその頭を撫で続けた。

「だから、強がるな。辛くなったら俺に寄りかかっていいんだぞ。」


俺は松本が元気になるならそれでいい。


松本が笑ってくれるならそれでいい。


今は大泣きしてもいい。


例え破片が全部見付かって俺を見てくれなくても


松本が居てくれれば俺はそれでいいんだ・・・







 いつもお世話になっております「stripped-diva-girl」の奈々嘉様より、相互記念リクで素敵な日乱小説を頂きましたv「男らしい日番谷君と少し弱い乱菊さん」ということでリクエストをさせて頂いたのですが、正にリクエスト通りに仕上げて下さいまして感激です…!
 傷心の乱菊さんを慰める日番谷君と、可愛らしい乱菊さんに心奪われました。(笑)
 奈々嘉さん、お忙しい中このように素敵な小説を下さいまして、本当にありがとうございました!私も頑張りますね…!!

「花雲」様より頂きました。

2005-10-24 22:10:43 | 前サイトでの頂き物
 美麗絵が素敵でいらっしゃるサイト様「花雲」のミゾレ様より、ハロウィンフリー絵ということでお言葉に甘えて頂いて参りました。

 小悪魔イヅルさんに一発で心を奪われ(笑)修兵と恋次に思いきりときめいてしまったのでついつい…。(汗)ミゾレ様のイラストは色塗りも美しくて憧れます…!


 ミゾレ様、フリーというお言葉に甘えさせて頂きました。本当にありがとうございました!!

「灰色世界」様より市丸さんお誕生日記念フリー小説を頂きましたv

2005-09-16 19:50:44 | 前サイトでの頂き物





「市丸隊長の、誕生日ですか・・・?」

「ええそうよ、九月十日・・今日があいつの誕生日」

松本さんは、楽しそうに笑いながら僕にそう言った。




 ■ 隊長の誕生日 ■




僕は一人、部屋の隅で体操座りをしながら悩んでいた。
何を悩んでいるのかと言うと、今朝聞いた、隊長の誕生日についてだ。
隊長は僕に、何一つ自分のことを話さない、だから僕は隊長のことを何一つ知らない。
ましてや誕生日など知るよしも無かった。



「ええそうよ、九月十日・・今日があいつの誕生日」



松本さんと隊長は、幼馴染だと聞いた。
親しいのも、妙にお互いを知り合っているのも納得できる。
でもやっぱり。

隊長のことを、一番良く知っている人になりたかったのだ、僕は。
無理なことは分かっている。
所詮、僕と隊長はただの、上官と部下。
それ以上も、それ以下もありはしないのだから。




「どうしよう・・・」

僕は溜息を吐いて、頭を抱え込んだ。
隊長の誕生日・・・。
松本さんも、酷いものだ。
教えてくれるのだったら、当日はいくらなんでも無いだろう。

(おめでとうございます、って言ったほうが良いのかな)

知ってしまったのだから、祝ったほうが良いのだろうが、其れは僕の意見であって、隊長の意見ではない。
もしかしたら隊長は僕に、祝って欲しくないのかもしれない。
だからこそ、僕に自分の誕生日を教えなかったのか。

考えていけば、考えていくほど、悪い方向に考えが進んでいく。
だめだと思っても、もはや癖になってしまったらしく、なかなか立ち直って良い方向へと考えることが出来ない。

「誕生日、か」

(もし言ったら、笑ってくれるだろうか)

本当の笑顔で。
いつもの、ただ繕っている笑顔では無く。


僕は立ち上がって、きっ、と顔を引き締めた。
もし拒絶されたら、その時は、その時だ。

(僕を少しでも見てくれるのなら)

ただ躊躇って終わるよりも、少しでも前に進んでから終わるほうが、よっぽど良いと思ったのだ。




「隊長、あの・・・お話があります」

たぶん、僕の声はかなり震えていたと思う。
声だけじゃない、足も手も、頭は此処からにげだしたい、と言う思いで一杯だった。

「何やの、告白?」

隊長は、いつものようにおどけながらそう言って笑った。
僕が俯きながら、違いますと言うと、ふーんと言ってから周りをちらりと見渡した。

「執務室、行こか」

それだけ言い残して、隊長はさっさと執務室の方へと行ってしまった。
ああそういえば此処は、ふと思い出してちらりと横を向くと、三番隊の死神達が、興味深そうにこちらを見ていた。
僕がこほん、と咳払いをすると一斉に、やり掛けの書類に目を落とした。

これからは、詰寄所で市丸隊長に話しかけるのは止そうと思った。



「遅いで」

執務室に入ると、隊長は自分の机に腰掛けて僕を待っていてくれた。
待っていてくれたことが嬉しくて、すこし目頭が熱くなった。
僕はそんな気持ちを外に出さないように気をつけながら、丁重にお辞儀をして、すみませんと謝った。

「で、何やねん」

僕が頭を上げる前に、隊長はそう切り出した。
顔を上げようと思った、のだけれど、極度の緊張の為か顔が上がらない。
それどころか足も震えてきた、どこまで僕は臆病なんだと自分に嫌気がさした。

「はよ顔上げぇ・・さっさと言わんと、僕帰るで」

たん、と隊長が机から降りる音が聞こえた。
早く言わなければ、本当に此処で終わってしまう、そう思うのに足の震えは止まらなくて。

(くそ、くそ、くそ)

ぎり、と唇をかみ締めた。
何百回も言う練習をしたんだ、大丈夫だ、と頭の中で繰り返す。
隊長の欠伸が聞こえた。
一回目を瞑ってから、覚悟を決めて僕は勢い良く顔を上げ、声を張り上げた。



「お、お誕生日、おめでとうございます!!!」



「・・・・・・・は?」

隊長がぽかーんと、僕を見た。
其れを見て、僕はもうだめだと思った、涙がじわりと浮かぶ。
僕は、泣きたいのを我慢して、また俯いた。

(もうだめだ、死にたい、此処から消え去ってしまいたい)

僕は頭の中で絶叫した。
きっと、何こいつ、とか思われてしまった。
嫌われてしまった、もうだめ、死にたい、今までにこれほど後悔したことが無いというほど僕は後悔した。

僕がどうやって死のう、とか、親にどう顔向けすれば良いんだろうと一人、悶々と悩んでいると、隊長が口を開いた。「・・何や、そんなことかいな」

めっちゃ怯えとるから、死神辞めますとか、言うかと思ったやんと隊長が頭をかいた。

僕は顔をがばっと上げた。

「おおきに、でもよう知っとたなぁ」

隊長はいつもよりも嬉しそうに笑った。
それがあまりにも綺麗で、僕の目から涙が溢れ出した。

「何で泣くねん!ちょ、待って!はあ?」

隊長が舌を噛みながら、僕の傍によって来た。
其れでも僕の涙は止まらなくて、むしろ溢れていくばかりで、まるで涙腺が壊れたかのようだった。

「あーもう・・・良え子やから泣き止んで・・」

背中に大きな腕が回されて、ぐっと引き寄せられる。
一瞬何が起きたのか分からなくて、目を見開いて、顔を上げる。
僕の真上には隊長の綺麗な顔があって、背中には大きな腕があって、そして・・・そして・・・。

(僕・・今だったら死ねる・・)

僕は其処で意識を失った。
何処かで、隊長が僕のことを呼ぶ声が聞こえた気がしたのだけれど、僕は目を開けることが出来なかった。




(隊長、大好きです。)



僕は其の後一週間、恥ずかしさのあまり、隊長と顔を合わせることができませんでした。










2005 9/10

  市丸ギン様 お誕生日 真 おめでとうございます!


 「灰色世界」様より市丸さんお誕生日記念小説を大分前に頂いておりましたが、UPするのが遅くなりまして申し訳ありません。(汗)隊長大好きなイヅルと、それをなだめる隊長の雰囲気が最高ですーv隊長大好きなイヅルに憧れます。(笑)本当にありがとうございました!

まどか様より。

2005-09-07 18:03:26 | 前サイトでの頂き物






 僭越ながら、まどか様より残暑見舞いフリーイラストがあまりに素敵だったもので頂いて参りましたv

 背中合わせの三番隊も去ることながら、背景の美しさとセンスを感じさせるデザインに惚れ惚れします。水咲様、勝手失礼致します。ありがとうございました!!
*ここにある画像はクリックで全て元のサイズに拡大出来ます。